崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十四話 女王への叛逆

馬車の中で

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~☆~☆~☆~☆~☆~

 ……その後、倒れたナガレをフローレンスがお姫様抱っこ。そのままみんなでニシーノ宮跡地から出て、ぐうたら休んでいた馬を立たせて馬車に乗り込んだ。入り口で倒れていたジーカは、もう一杯回復薬を飲むと元気になった。
 残念ながら、ベアンたちが乗ってきた馬車はいつのまにか消えていた。無断で引っ張ってきたものだったので、ベアンたちがいなくなったのをチャンスと思った馬がタイガスの街へ帰ったのだろう。馬たちは盗まれた時の対策に、そのような訓練を受けている。
 という訳で、少し狭いが一台の馬車に七人ギュウギュウになって座る。サニーが馬を操ってくれていた。

「いやあ、かたじけない! 見ず知らずのあーしたちのため、ここまで命を貼ってもらって……感謝してもしたりねーよ」
「あのままだったら間違いなく死んでたッス。怖かったッス……ありがとうございまッス!」
 馬車の中で目を覚ましたベアンとバード。サニーが何があったか説明しようとしたが、最初の十パーセントを聞いただけでガバッと頭を下げた。
「ウチもおおきにやで……デカちゃんも、ありがとうな」
「は、はい……」
 せっかく助かったというのに、あれからフローレンスは元気がない。出血したほっぺに絆創膏をつけていた。隣に座らせたまだ意識が戻らないナガレを悲しげに見つめている。
(……フローレンス、何があったんだよ? それに、隣で寝てる女の子は誰なんだ? な~んかレガーナちゃんに似てる……)
(きっと疲れ果てて、何も考えられないんッス。……確かにレガーナちゃんに似てるッス。……てか本人じゃないッスか? 髪切ったんスかね?)
 事情を知らないベアンとバードはコソコソ会話した。しかしタネツたちはそれが気にならないくらいの考え事をしているようだ。「ふーむ」「うーん」としきりに首を捻っている。
「……それでバンドって男が現れて、クイーンスライムを一発で倒しちまったのか」
「でも、そんな人とはすれ違わなかったわよ~。もしかして、オバケみたいに消えちゃったのかしら~」
「魔法でワープしたのかもしれません。ですがロクにアイテムも準備もなしに、あんな一瞬で転移魔法を使うなんて相当難しいです」
 サニーがそう呟いた。この世界にも転移魔法はあるにはある。……が、それはかなり準備が必要で、素人が咄嗟に出せるものではない。
 行きたいところと今いるところに同じ魔法陣を描いて、ルラ石という転移用の魔法石を置いて魔力を補い(わかりやすくいうとバフをかける)、一分くらいかけて呪文を詠唱して、それから十秒くらいでやっと転移できる。
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