崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十七話 ハト・スタンピード!

サニーと二人で

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 一方、川沿いで釣りをたしなむナガレとサニー。村から少し離れた小川に釣り糸を垂らしじっと待つ。
 ……くいくいっ。
「ここだ!」
 パッシャーン!
「おお、連れたぜ! スラガンアユ、ゲット~!」
 手先の感覚を信じて、一気に釣り上げる。ちょっと小ぶりだが新鮮な魚が、糸の先でぴちぴち揺れていた。
「すげー! ジョーの言う通りだ。コツを掴めば入れ食い状態だ!」
 スラガンアユを手元のカゴに入れるナガレ。今までサニーと釣った分も合わせて十匹もいる。今夜の晩飯もおかわりできそうだ。
「しかし、別に我々も買ってきて食べれば良いではないですか。あなた、お金はたくさんあるんでしょう?」
 すぐ横に座るサニーがぼやく。ナガレは首を横に振った。
「ダメだ。今回は公費で来たから、財布を忘れてきたんだ。その大量のお金も家の金庫で眠ってる」
 バッファローも一応は冒険者ギルドの末端なので、上役のタイガスギルドに申請すれば本部がそれなりにお金を出してくれる。(数ヶ月前ののキンテツ村復興護衛は『建設ギルドからの依頼』であり資金が出なかった)そのためここまでほとんど無料で来れたのだが、油断してお金をちょっとだけしか持ってこなかった。
「それに襲撃が来るまでは暇なんだ。たまにはこう言う釣りもいいと思うぜ」
「はぁ、そうですか……ナガレさんはよく釣りをするんですか?」
「ああ。コナキ地方では冬になると川や湖が、上を歩けるくらい凍っちゃうんだ。それで手で回して氷に穴を上げる器具で丸い穴を開ける。そしたらそこに釣り糸を垂らして魚を釣るんだ。昔は妹とよく遊びに行ったよ」
「妹さんいるんですね。それで釣れたんですか?」
「いんや、妹は大漁でオレはボウズだったや」
 しばらく二人で雑談する。開けた場所ならモンスターもすぐに襲ってこないだろう。それにいざとなればこちらにも戦う準備がある。

 ……と、サニーが突然周囲をキョロキョロ見回した。
「…………」
「ん、どしたサニー。何か見つけたのか?」

「ナガレさん。去年ナガレさんが病院に泊まっていた際のメッセージ、気づいてくださいましたか」
「! ……ああ、覚えてるよ。だからこうしてお前を誘って釣りに来たんだ」
 本当はなんとなくサニーを選んだだけだったが、結果オーライというやつである。後からならどうとでも言える。
 彼は入院中、サニーから『一人で来い』というメッセージを受け取っていた。(十五話)
 それ以来ずっとそのことが気になっていたが、ついに明かされると言うのか!
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