崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十九話 禍のエースストライカー

到着!

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 ケンガは腕に青白い氷を纏い、再び猛ダッシュで突っ走る。だが今度はマガツゴーストが先手を取った。
「ギャオォーッ!」
 両腕を開くと同時に半透明の光が現れ、グローブのように手を包んでいく。そして指先をケンガに向けた瞬間指先から光線が放たれた!
 ギュンギュンギュン……と轟音を挙げながら、流星群のごとき大量の光線が襲う!
「アイスシールド!」
 即座に顔の前で両腕を構え、走りながらガードの姿勢を取るケンガ。その瞬間腕の氷がパキパキパキ……と音を立てて分厚くなり、氷の盾を形成するが……。
 ガキンキンキンキンキンッ!
「どゎぁっ!?」 
 勢いを受け止められず、無数の光線に押し戻されていく。必死に足を踏ん張っても、ガキンガキンとのけぞっていく……そして氷に大きなヒビが入り、パキーンッ! とカチ割れた!
「うわぁぁぁ!」
 吹っ飛ばされて仰向けに倒れるケンガ。すぐに立ち上がろとするも「……やめろ! 立つな!」とジョーの声がする。
 ギュンギュンギュン!
「うひーっ!?」
 なんと全然光線をガードできていなかった! 目の前を白い流星群が通り過ぎていく。
「た、助かった……受け身取ってたら串刺しにされてたぜ」
「危ないケンガ! 立てっ!」
「え?」
 正反対の指示ですぐに動けなかったケンガ。上を見上げると……マガツゴーストがこぶしを握り締め、パンチを放つところだった!
「避けろっ!」
  ブンッ!
「な!?」
 体勢を崩したままでは避けられない。受け止められる訳もないのに、寝そべったまま必死にガードの姿勢を取るケンガ。……その時彼の前に、一つの影が現れた……。

 ガキィン!

「ケンガ、大丈夫か! しっかりしろっ!」
「な、ナガレ!」
 風になびく銀髪ショートに緑色のマフラーとイカしたジャケット、そしてパンチを受け止めるマルチスタッフ……。そう、ナガレ・ウエストだ!
「こんにゃろっ!」
 ブンッ! とマルチスタッフを一振りして、巨大な拳を退けるナガレ。そしてケンガの手を取り助け起こした。
「悪い、遅れた! あとは任せてくれ」
 そうしているうちにドタドタと足音が聞こえる。振り向くとフローレンスたちも到着したころだった。
「うぉ……なんてモンスターだ。足がすくむ気がするぜ……」
「で、でかいわね~。……やっぱりやめとかない?」
「ケンガ! 天才のアナタがそんなザマとは情けないですねえ。ほら、回復薬ですよ~」
「…………」
 フローレンスがもったいつけた動作で、ケンガに回復薬を手渡してきた。メチャクチャ嫌そうな顔でそれを受け取り、一息に飲み干す。
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