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第十九話 禍のエースストライカー
朝日を迎えて
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「あーねむねむ……疲れたぁ……」
あっちへこっちへフラフラ歩くナガレ。流石に夜通し戦って疲労困憊だ。全て終わって安心すると、眠気がどっとやって来た。
「ナガレっち、今回も雑魚寝じゃん」
「オメーは自分のテントで寝ろッ!」
「はいはい、それじゃーね。ばいび~♡」
ぱちっとウィンクして、センチアは小走りで屋敷を出て行ってしまった。
「あーもう、簡易ベッド屋敷に置いたままだよ……。しかもセンチアが使った奴だし。抜け毛とかちゃんと取っ払わないとなぁ」
「……体はほぼ人間だし、イヌみたいに毛玉がゴロゴロしてないと思うぞ」
「サニーさんのベッドを使ったらいいんじゃないですか? エルフなんだしそんなイチャモン付けてこないですよきっと」
そんなことを話しながら、兵士に見届けられてドアを開ける。
すると、遠くに見える地平線がオレンジに光っていた。
「お! 夜明けだ!」
「私たち、ず~っと戦いっぱなしでしたね……でもめっちゃ綺麗です」
長く厳しい戦いで、何度も倒れかけた。だがそれでも必死に戦って、こうして新しい朝を迎えられた。
「……さ、寝るか!」
「はいっ!」
美しい朝日の光を浴びながら、冒険者たちは庭のテントに入っていった。
~☆~☆~☆~☆~☆~
その直後、屋敷内では……。
「冒険者殿! よくぞ戻って来た……」
ダイニングの扉が勢いよく開いて、貴族ったらしい高級感あふれるシックな服装のハーバードが飛び込んできた。手には紙をまとめたファイルを持っている。
「む、ナガレ殿たちがいない。一足遅かったか……」
「父上! これを落としましたよ」
と、その後ろからグレッグがぽてぽて走って来た。ハーバードに一枚の紙を差し出す。
「おお、私としたことが。一番重要な書類を落としてしまったか。ありがとう息子よ」
「父上、何の紙でしょうか?」
「ああ、これは冒険者ギルドに関する書類でな。ナガレ殿たちには世話になったことだし、資金に困っているのならちょっとの間出資してみようと。もちろん本腰入れて支援するのは、ちゃんと見返りを受け取ってからだがな」
「……そ、それはすごいことです!」
グレッグが笑顔になった。するとハーバードは急に膝を曲げて、グレッグと視線を合わせる。そして彼の頭に優しく手を置いた。
「……グレッグよ。すまなかったな」
「え、父上……?」
「今回の一件で思い知ったよ。私は間違っていた……。金を出せばいくらでも傭兵を雇ったり政府の騎士団を呼ぶことだってできた。金にかまけて、それ以上に大切なものを失うところだった。お前には、間違った教育をしてしまったな……」
あっちへこっちへフラフラ歩くナガレ。流石に夜通し戦って疲労困憊だ。全て終わって安心すると、眠気がどっとやって来た。
「ナガレっち、今回も雑魚寝じゃん」
「オメーは自分のテントで寝ろッ!」
「はいはい、それじゃーね。ばいび~♡」
ぱちっとウィンクして、センチアは小走りで屋敷を出て行ってしまった。
「あーもう、簡易ベッド屋敷に置いたままだよ……。しかもセンチアが使った奴だし。抜け毛とかちゃんと取っ払わないとなぁ」
「……体はほぼ人間だし、イヌみたいに毛玉がゴロゴロしてないと思うぞ」
「サニーさんのベッドを使ったらいいんじゃないですか? エルフなんだしそんなイチャモン付けてこないですよきっと」
そんなことを話しながら、兵士に見届けられてドアを開ける。
すると、遠くに見える地平線がオレンジに光っていた。
「お! 夜明けだ!」
「私たち、ず~っと戦いっぱなしでしたね……でもめっちゃ綺麗です」
長く厳しい戦いで、何度も倒れかけた。だがそれでも必死に戦って、こうして新しい朝を迎えられた。
「……さ、寝るか!」
「はいっ!」
美しい朝日の光を浴びながら、冒険者たちは庭のテントに入っていった。
~☆~☆~☆~☆~☆~
その直後、屋敷内では……。
「冒険者殿! よくぞ戻って来た……」
ダイニングの扉が勢いよく開いて、貴族ったらしい高級感あふれるシックな服装のハーバードが飛び込んできた。手には紙をまとめたファイルを持っている。
「む、ナガレ殿たちがいない。一足遅かったか……」
「父上! これを落としましたよ」
と、その後ろからグレッグがぽてぽて走って来た。ハーバードに一枚の紙を差し出す。
「おお、私としたことが。一番重要な書類を落としてしまったか。ありがとう息子よ」
「父上、何の紙でしょうか?」
「ああ、これは冒険者ギルドに関する書類でな。ナガレ殿たちには世話になったことだし、資金に困っているのならちょっとの間出資してみようと。もちろん本腰入れて支援するのは、ちゃんと見返りを受け取ってからだがな」
「……そ、それはすごいことです!」
グレッグが笑顔になった。するとハーバードは急に膝を曲げて、グレッグと視線を合わせる。そして彼の頭に優しく手を置いた。
「……グレッグよ。すまなかったな」
「え、父上……?」
「今回の一件で思い知ったよ。私は間違っていた……。金を出せばいくらでも傭兵を雇ったり政府の騎士団を呼ぶことだってできた。金にかまけて、それ以上に大切なものを失うところだった。お前には、間違った教育をしてしまったな……」
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