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第二十一話 髑髏の龍と禁忌の龍
警鐘⁉︎
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「それじゃ、話を最初に戻して……なんか言いたいこととかあったんですか?」
「え、その話いつまで引っ張るんじゃ⁉︎」
「いつまでもですよ! そこまでお預けにされたら気になりますって! 行ってくれるまでここでずっと立ち話してますから」
「べ、別に……」
レンは恥ずかしいやら嬉しいやらで、プイッと俯いて顔を隠した。赤くなった顔を隠すためでもある。
「……ナガレ君とこうして二人で夕陽を眺めるのは初めてだって思ってのう」
「……ははっ、そういやそうですね。オレはほぼ毎日特訓しながら見てますけど」
ずっと立ち話を続ける二人に、観光客は目もくれない。邪魔にすらならず、喧騒は鳴り止まないままだ。
「……ナガレ君」
「はい?」
「え、えっと……わ、私は、ナガレ君の……」
レンが俯いたまま真っ赤な顔を隠して、何か伝えようとしたその瞬間!
ガァァァァァァン!
突然銅鑼を叩いたような凄まじい轟音が鳴り響き、騒がしかった街が一瞬静まり返る。二人もハッとして身構えた。ナガレが半歩前に出て、片手でレンを庇う。
「マスター、これって……」
「私には分からん。……少なくとも時報の鐘では無いじゃろう。となると……良からぬことが起こっているに違いない!」
ガァーン! ガァーン! ガァーン!
その重低音は、タイガスを守る防護壁の上から聞こえてくる。見ればそこには非常時にのみ鳴らすことを許された数メートル級の大銅鑼があった。耳当てをした兵士が大きな棒で思いっきりぶん殴り、爆音を鳴らしている。
カーンカーンカーンカーン……!
「あ、これは!」
「うむ。……冒険者ギルドの非常事態じゃ!」
銅鑼の音に混じって、よく響く甲高い鐘の音が聞こえてきた。タイガス冒険者ギルドの建物にある鐘が何度も打ち鳴らされる!
ガァーン! ガァーン!
カーンカーンカーン……!
「な、なんなの?」
「何が起きてるんだ?」
「パパ、怖い……」
「だ、大丈夫。父さんがついてるぞ」
「この音は……危険が迫ってるんだ!」
町民や観光客も不安そうにしている。不安の声がざわめきとなって広がり始めた。
その時、観光客の一人が叫ぶ!
「な、何かこっちに飛んでくる! 太陽の中だぁっ!」
「え⁉︎」
グルメ街道、そこにいる人々の視線が一方向へ集中した。沈みゆくオレンジ色の夕陽……眩しさに耐えつつ目を凝らすと、太陽の中に黒い点が一つあった。
それは視界の中で徐々に巨大化していく。……いや、こちらへ近づいてきている!
「……ッ! あ、あれは……!」
レンが息を飲むのが聞こえる。観光客の中にいた数人のエルフや目が良い個体の獣人も、一斉に絶句したり小さく悲鳴を上げた。
「ま、マスター! あれなんなんですか!」
「……し、信じられん。あれは……」
レンは目を見開いて、動揺のあまり口をパクパクさせていた。
「……スカルドラゴン! スラガン地方の主がどうしてここに!」
レンがそう言った直後……。
「カカココココココッ! カコカコカコーーッ!」
骨を打ち鳴らすような不気味な音が、その方向から微かに聞こえた。
「え、その話いつまで引っ張るんじゃ⁉︎」
「いつまでもですよ! そこまでお預けにされたら気になりますって! 行ってくれるまでここでずっと立ち話してますから」
「べ、別に……」
レンは恥ずかしいやら嬉しいやらで、プイッと俯いて顔を隠した。赤くなった顔を隠すためでもある。
「……ナガレ君とこうして二人で夕陽を眺めるのは初めてだって思ってのう」
「……ははっ、そういやそうですね。オレはほぼ毎日特訓しながら見てますけど」
ずっと立ち話を続ける二人に、観光客は目もくれない。邪魔にすらならず、喧騒は鳴り止まないままだ。
「……ナガレ君」
「はい?」
「え、えっと……わ、私は、ナガレ君の……」
レンが俯いたまま真っ赤な顔を隠して、何か伝えようとしたその瞬間!
ガァァァァァァン!
突然銅鑼を叩いたような凄まじい轟音が鳴り響き、騒がしかった街が一瞬静まり返る。二人もハッとして身構えた。ナガレが半歩前に出て、片手でレンを庇う。
「マスター、これって……」
「私には分からん。……少なくとも時報の鐘では無いじゃろう。となると……良からぬことが起こっているに違いない!」
ガァーン! ガァーン! ガァーン!
その重低音は、タイガスを守る防護壁の上から聞こえてくる。見ればそこには非常時にのみ鳴らすことを許された数メートル級の大銅鑼があった。耳当てをした兵士が大きな棒で思いっきりぶん殴り、爆音を鳴らしている。
カーンカーンカーンカーン……!
「あ、これは!」
「うむ。……冒険者ギルドの非常事態じゃ!」
銅鑼の音に混じって、よく響く甲高い鐘の音が聞こえてきた。タイガス冒険者ギルドの建物にある鐘が何度も打ち鳴らされる!
ガァーン! ガァーン!
カーンカーンカーン……!
「な、なんなの?」
「何が起きてるんだ?」
「パパ、怖い……」
「だ、大丈夫。父さんがついてるぞ」
「この音は……危険が迫ってるんだ!」
町民や観光客も不安そうにしている。不安の声がざわめきとなって広がり始めた。
その時、観光客の一人が叫ぶ!
「な、何かこっちに飛んでくる! 太陽の中だぁっ!」
「え⁉︎」
グルメ街道、そこにいる人々の視線が一方向へ集中した。沈みゆくオレンジ色の夕陽……眩しさに耐えつつ目を凝らすと、太陽の中に黒い点が一つあった。
それは視界の中で徐々に巨大化していく。……いや、こちらへ近づいてきている!
「……ッ! あ、あれは……!」
レンが息を飲むのが聞こえる。観光客の中にいた数人のエルフや目が良い個体の獣人も、一斉に絶句したり小さく悲鳴を上げた。
「ま、マスター! あれなんなんですか!」
「……し、信じられん。あれは……」
レンは目を見開いて、動揺のあまり口をパクパクさせていた。
「……スカルドラゴン! スラガン地方の主がどうしてここに!」
レンがそう言った直後……。
「カカココココココッ! カコカコカコーーッ!」
骨を打ち鳴らすような不気味な音が、その方向から微かに聞こえた。
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