崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十三話 希望と絶望の復活

スキルの力

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(く……! 元Sランク冒険者の俺をガキ扱いか! こいつ、一体何者だ……!)
 すぐに受け身を取ってバックフリップで立ち上がるジョー。だが動揺は大きく、すぐ反撃に移ることはできない。
「おいで、ボーイ♪ 剣の音を重ね合わせて一緒にお歌を歌おうね♪」
 ハピネは追撃もせずに、悠々と羽をはためかせている。そしておっかなびっくり見守るケンガとその仲間へ向かってウィンクした。
「フォーー!」「カワイイ~!」「こっち向いて~!」
 目からハートを飛ばして歓声を送るナガレたち。……ここまで来ると、魅了というより洗脳に近いかもしれない。
「……ふざけやがって。……だが殺す。必ず貴様も、その仲間も、司祭とやらも殺す! イビル教団は……俺がこの手で滅ぼしてやる!」

 ジョーがそう決意を叫び、キッとハピネを睨みつける。すると……彼の体から、青いオーラが吹き出した。
「行くぞ!」 
 ダンッッッ!
「ふふふ、私は楽器も好きだよ♪ さぁ、一緒に奏でよう♪」
「はぁぁぁぁぁっ!」
 ガキィン! キィンカァン! 
 二人のダガーと羽が交差する。ジョーの残像が見えるほど素早い連撃を、ハピネは易々と捌いている……。
 ガキィンキィンキィンキンキンキン……!
「わぁ速い♪ アップテンポだね♪」
 メトロノームのように連続で鳴り響く金属音。ハピネはまだ余裕を見せていたが……。
「……うぉあぁぁぁぁぁっ……!」

 バシュバシュバシュバシュッ!
「……え、えっ?」
 突然、その美しい顔に困惑の感情が現れた。横で見ているケンガは、その理由がよく分かった。

「……は、速い! ジョーのスピードが……ますます高速化している!」
 何度も攻撃を撃ち合うにつれて、ジョーのスピードがだんだんと増していく。それと同時に、体から溢れる青いオーラが大きくなっている!
「……悪いが俺は冒険者だ。スキルが……使えるんだよ……っ!」
 ゴォォォォッ!
 バシュバシュバシュバシュッ!
「ちょ、ちょっと……!」
「……何回刺せば貴様が死ぬか試してやる。俺がかつて『紅蓮の閃光』と呼ばれた理由を教えてやる!」
 バシュバシュバシュバシュバシュッ!
「は、速い! まさかあれはスキルの力⁉︎」
「……『加速』『滅多打ち』『ステルスマスター』この三つのスキルを、お前は裁き切れるか!」
 ジョーの叫びに、ハピネは目を見開いた。
「ちょ、ちょぉっと! そ、そんなバケモノスキル持ってるなんて聞いてない……♪」
「……ならばここで死ね! イビル教団は、必ず俺の手で滅ぼしてみせる!」
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