崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十三話 希望と絶望の復活

大空を舞う髑髏

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 ナガレがそう聞くと、サキミは微笑んだ。
「ふふ……実は兄が、あなた達のことを大方調べてくれたんです。何でも裏ルートがどうのこうのって、よく分からないですけど」
「なあんだ、そうだったのか。なら知ってても仕方ないな!」
 好きな女の子を前に、ナガレのIQがぐぐっと低下している。ちっともおかしいなんて感じない。

「そうですよね~。……あ、見てください!」
 ふと、サキミが窓の外を指差した。ナガレも彼女の後ろから覗くと、そこは青空だった。
「おお、綺麗な空だねえ」
「それもそうですけど、あれ! アレ見てくださいよっ!」
「はぇ? ……あぁーーっ⁉︎」
 ナガレは驚愕して目を丸くした。

「す……スカルドラゴンだ!」
 はるか遠くの空を飛ぶ、小さな影。目を凝らすと……それは骨だけになった龍、スカルドラゴン! 荒野を決して見下ろすことをなく、真っ直ぐ太陽へ向けて飛んでいる。
「と、止めろ! すぐに迎え撃つぞ!」
「落ち着いてくださいっ! 別に襲って来たりしませんよ多分!」
「そ、そうだな」
 突然マルチスタッフを展開したところで、サキミに止められる。確かに妙なことをしなければ、あんな遠くからわざわざ来ないだろう。
「すごいや。また会っちゃうなんて。多分あっちは気づいてないけど」
「もしかしたら、ナガレさんを祝福しに来てくれたのかもしれませんね。……って、ちょっとロマンチックすぎるかな」
「へ、祝福?」
 キョトンとしてサキミへ向き直るナガレ。何か祝われるようなことは……。
「あ、そうか!」
「お、気づきましたか?」
「誕生日だ!」
「違いますよ! ……って、ナガレさんお誕生日いつなんですか?」
「え、オレは十二月二十七日……いや、じゃあ違うか」
 実はそこが誕生日だったりする。とは言ってもその時ナガレはドラゴンにボコされ入院中だったし、誰にも言ってないので何もなかった。
「それは仕方ないとして、じゃあ何だろう?何を祝ってくれたんだろ」
 首を傾げるナガレ。サキミは「え、気づいてないんですか⁉︎」と驚いた様子を見せた。

「だって、冒険者ギルドの解散を防いだんですよ」
「あー、それか! なぁーんだ…………え?」

 またも目を丸くして、サキミを見つめるナガレ。
「だって、ナガレさんイビル教団を見つけたんですよね。それを国王陛下に報告して、異変の正体を明らかにしたんですよね。それにメンバー八人いるんですよね。この二つを達成したのなら、兄上が資金援助の約束をしてたじゃないですか」

「……あ、そっか」
「え、本当に気づいてなかったんですか⁉︎」
 
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