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第二十五話 リベンジ! スカルクリーチャー
指名手配⁉︎
しおりを挟むそれから十分後。
「……それでさぁ。その時リトルドラゴンと戦ったんだけど……」
「えーっ、マジ⁉︎ よく生きてたね! すっごーい! アタシも似たようなことあったよ! これはポーツ地方の重要積み荷を護衛してたとこなんだけど……」
「……うわ、大冒険じゃん! スゲェ!」
ガッツリ打ち解けたナガレとエレナ。もうステーキを平らげているのに、水だけでまだ居座っている。
「……おい、ヴァレリー? いつもみたいに追い出さないのか? いや、今はお客さんもこれだけだし、僕は別に良いんだけどさ。どうせ冷や水だけならタダみたいなもんだし」
「…………」
遠巻きに見ていたエディ店長がヴァレリーに話しかけるも、返事が返ってこない。
(……そうか、エレナさんがいるから強気に出れないのか。全く、自分が見下した相手には強く出るのに……)
困ったような顔で立ちすくむヴァレリー。それを見たエディ店長は、心の中で彼女をちょっと見直した。……悪い意味で。
「いやー、ナガちゃん話せるねぇ」
「そっちこそ! あんな嫌味なとっつぁんの部下に、こんなド級の天真爛漫ガールがいたなんて」
「やだー、ナガちゃんポエミー!」
そうして二人で笑ったところで、エレナが「あ、そうそう」と向き直った。
「これってさ、アタシらロードバッツ騎士団が長年追ってるヤツの話なんだけど……」
「え、なに?」
エレナたち騎士団は、ロードバッツ王国の中心に近い存在。そんな彼女らが追っている人物となれば……。
「指名手配とか?」
「あーいや、まぁそんな感じ」
「……?」
言葉を濁すエレナ。どうも言えない事情があるらしい。
「……えっと、ナガちゃんさ」
「うん」
「バーン・ロースターって人……知らない?」
「え? バーン……うーん知らないな」
そんな名前の人物、ナガレの知り合いにはいない。聞いたこともない。するとエレナはホッとしたような、しかし残念そうなため息をついた。
「はぁ……や、そうだよねぇ。いやいや、知らない方が良かった。もし知ってたら、アタシはナガちゃんを尋問しなきゃ行けなくなっちゃう」
「そんなに悪いヤツなの、そのバーンってヤツ」
「うーん……多分そう」
「た、多分~?」
天下の王国騎士が『多分』なんて疑いだけで追っているなんて、よほどの存在だ。
「えーっとさ、話せば長くなるんだけど、聞く? バーン・ロースターの話」
「う、うん、聞かせてよ」
すると、アリッサたちやベネットがチラチラ見てくる中、エレナは急に居住いを正した。
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