崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第二十七話 粉骨砕身カルテット

のどかな朝

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　そして、次の日。
　今日もよく晴れた空だ。雲ひとつない晴天で、穏やかな日差しが差し込んでいる。
「……んぐ～、すぴ～……」
　ナガレは家のベッドで寝息を立てていた。

　そんな中、大通りにて……。

「よールック！　これ、頼まれてたモンだぜぇ」
　お弁当に入っている緑のヤツみたいなツンツンヘアーにハチマキを巻いた、日焼けした青年。ギン爺のお孫さんであるジュランが、アルカナショップ前で声を上げた。上下ツナギに耐熱エプロンをつけた仕事着姿だ。
「あ、ジュラ兄にい！　サンキュー！　どれどれちょっと見せてくれよぉ」
　同じく普段着姿のルックが駆け寄って来る。そしてジュランが手に持っていたカゴを開くと、そこにはＴ字カミソリのようなものが入っていた。金属の刃に木製の持ち手だ。
「こんな感じでいいのかい？　料理に使うったって、おれにゃあよく分かんねえんだがよぅ」
「全然いい！　ナイスだぜジュラ兄ちゃん！　これが『ピーラー』かぁ……ちょっと使ってみたかったんだ～」
　そう言って代金を渡そうとするルック。しかしジュランは手の平を出してそれを止めた。
「いらねーよ、この程度！　サービスしといてやる。可愛い可愛い弟分のためだ。こんな片手間でできる仕事で金を取っちゃ、爺さんに叱られちまう」
「ホントか！　サンキュー、ジュラ兄ちゃん！　やっぱサイコーにかっこいいよ！」
「よせやい照れるぜ」
　ルックが喜んで手に取ったのは、イマドキの主婦御用達ごようたしアイテム『ピーラー』……についてジュランが調べて、サンプルを作ってみたものだ。
　これがあれば野菜や果物の皮を剥くのがとてもラクとのこと。珍しい野菜の仕入れでタイガスへ行った際見つけて、ルックがずっと気になっていたものだ。
　なんにせよ、お代を突っぱねたジュランはとてもかっこいい。どっかの口だけ魔法使い冒険者には到底真似できないものである。
「おはよールック、そんなにはしゃいでどうしたの？　……わ、爽やかイケメン！」
　お店のバックヤードからアリッサも出てきた。いつもの緑の村娘ワンピースを着た彼女は、ジュランを見てパッと口元を覆う。
「きゃー！　ジョー君ほどじゃないけど、イケメン！　爽やか陽キャだ！」
「そ、そうか……」
「ジョー君ほどじゃないけど爽やか！　クラス内のカースト最上位！　セーラー姿のナガレ君をコマしてそう～！　キャー！」
「その『ジョー君ほどじゃないけど』って、結構心にグサグサ来るなぁ……まぁいい。よっすアリッサ」