崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十話 浄蓮の八つ足

キリングフィールド

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「あ、危なかったッス。あんなのに取り込まれちゃ動けないッスよ……」
「危うく、ブリーダマン二号さんとオーラルクワガタンの二の舞になるところだったよ」
 身を投げ出してなんとか回避したベネットとニンフォ。その時捕まっている二号が叫んだ。
「き、気をつけて! 蜘蛛の巣じゃアイツは無敵よっ!」
「え!」
「わ、私とオーラルクワガタンも、そ、それにやられたの! お願い! 私は良いから早くクワガタンを……」
「黙っとれやアマがぁ!」
 パシュッ!
 突然ジョロウの四本脚、その一つから糸が飛んだ。簡単な一撃だが、二号の口にへばりつき言葉を封じてしまう。
「ん、んむーーっ!」
「ビビビーッ!」
「やめろっ! それ以上苦しませるな!」
 ナガレが立ち上がると、ジョロウはニヤッと笑う。
「ええでええで、かかってこいや。人質……いや、を殺したりせえへんて」
「……生贄だと?」
 訝しげなジョー。だがその横にいるナガレは「くそっ!」と言って駆け出すが……。

 ベチャッ!
「げっ⁉︎」
 突然糸を踏みつけてすっ転んでしまう。その時冒険者たちは、ようやく足元の様子に気づいた。
「あ……⁉︎」
「な、なんッスかこれはぁ⁉︎」
 なんとそこにあったのは、網目上の蜘蛛の巣だ! 先ほど糸がネットのように広がる攻撃、それがそのまま巣を形成している! ナガレはその端を踏んづけていたのだ。
「ほうら第一お客様のご来店や!」
 そう言ってジョロウは一気に飛びかかり、四本の脚で連続攻撃だ!
「来い! ……どわっ!」
「そらそらそらぁ!」
 シャキンシャキンシャキン……! と絶え間なく脚で突き刺してくる。一方のナガレはマルチスタッフで受け流そうとするも、足を取られてうまく捌けない!
「ムダや! この糸に入ったらドラゴンだって逃げられへんで! ……それに動けんっちゅーのはキツイもんよなぁ、ナガレ・ウエスト!」
「ぐぅっ!」
 ジョロウの言う通り、受け流しは技術を使って行う技能。だがそれはマルチスタッフの操作だけではなく、体の逸らし、回転運動、そして足捌きが肝心となる。どれか一つでも欠ければ、受け流しは不可能だ!
「ナガレ先輩! ウオォーーーッス!」
 ベネットが斬りかかると、ジョロウも即座に反応する。その隙にナガレは足を全力で引っ張り、なんとか抜け出せた。粘着力は一瞬だけらしい。
「デカブツが、引っ込んどれや!」
 キィンッ……バキッ!
「どはぁッス!」
 振り下ろしをガードされ、返しの刺突をくらってしまう。鎧部分ではあったもののベネットはゴロゴロ転がされた。
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