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第三十三話 ジョーの傷跡
マイスウィートティアーズ作戦
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「俺様も同意だ。このカップケーキはとてもうまいぞ! 素晴らしいものだ。俺様のグルメ欲を満たす甘味で美味な……」
ケンガたちの口にもあったようで、みんな美味しそうに頬張っている。ディーネはジョーにも「はいっ、どうぞ!」とトレーを差し出した。
「……いただこう」
まんざらでもないジョー。素直に受け取って……他の冒険者とは違い、手に持ったままだ。
「家でゆっくりいただくよ。……絶対美味しいから味わって食べるとしよう」
いかにもジョーらしい返答。……ディーネの笑顔がちょっと引き攣った。
「あちゃー」
「やっぱダメそうっすか……」
遠くで見ているアリッサとヴァレリーは、そろって「「はぁ~あ……」」とため息を吐く。ジョーもアホではない。素顔を見られたくないんだから、流石にたくさんの人の目の前でものを食べたりしないようだ。
「……い、いいやまだよ! ディーネちゃん第二フェーズ行っちゃって……!」
アリッサの思いが通じたか通じてないのか、ディーネは後ろ手でピースサイン。そしてジョーへ詰めかけた。
「いや、今食べてくださいっ! 今すぐ感想を聞きたいです」
「……な、なに?」
ディーネに見上げられ、ジョーは少し動揺する。確かに感想を求められているなら、今すぐ食べて行った方がいいが……。
「お願いですっ、ジョーさんが食べて感想言ってくれたら、きっとパパも喜ぶだろうな」
「……う、ううむ」
それでもなんとか考え込むフリをするジョー。もう少しプッシュが必要だ。
「自信作なんです! ぜひ食べて見てくださいっ!」
「そうだぞジョー! ディーネ嬢のお菓子は絶品だ!」
「そーそー、食べないとあーしが貰っちゃうよ!」
「てかどうして食べないッスか? こんなに美味しいのに……」
彼女の作戦も知らないまま、冒険者たちも肯定してくれた。まさに僥倖!
「だ、だが……安心してくれ、必ず食べる。そして感想も教えるよ。約束する」
だがなおもジョーは譲らない。だがもうひと推しだ。こうなったら……。
「……た、食べてくれないんですか?」
ディーネはいきなり下を向いた。ジョーはぎょっとして立ちすくむ。
「そ、そんな、ひどい……ぐすっ、なんで食べてくれないの?」
「……⁉︎」
そう、泣き真似作戦だ! 顔を覆ってさめざめと泣いている……ようなふりをしているディーネ。だが狼狽えるジョーの姿を見れば、作戦の成功は明らかだった。
「うわ泣いちゃったッス! なんでッスかひどいッスよジョー先輩!」
ケンガたちの口にもあったようで、みんな美味しそうに頬張っている。ディーネはジョーにも「はいっ、どうぞ!」とトレーを差し出した。
「……いただこう」
まんざらでもないジョー。素直に受け取って……他の冒険者とは違い、手に持ったままだ。
「家でゆっくりいただくよ。……絶対美味しいから味わって食べるとしよう」
いかにもジョーらしい返答。……ディーネの笑顔がちょっと引き攣った。
「あちゃー」
「やっぱダメそうっすか……」
遠くで見ているアリッサとヴァレリーは、そろって「「はぁ~あ……」」とため息を吐く。ジョーもアホではない。素顔を見られたくないんだから、流石にたくさんの人の目の前でものを食べたりしないようだ。
「……い、いいやまだよ! ディーネちゃん第二フェーズ行っちゃって……!」
アリッサの思いが通じたか通じてないのか、ディーネは後ろ手でピースサイン。そしてジョーへ詰めかけた。
「いや、今食べてくださいっ! 今すぐ感想を聞きたいです」
「……な、なに?」
ディーネに見上げられ、ジョーは少し動揺する。確かに感想を求められているなら、今すぐ食べて行った方がいいが……。
「お願いですっ、ジョーさんが食べて感想言ってくれたら、きっとパパも喜ぶだろうな」
「……う、ううむ」
それでもなんとか考え込むフリをするジョー。もう少しプッシュが必要だ。
「自信作なんです! ぜひ食べて見てくださいっ!」
「そうだぞジョー! ディーネ嬢のお菓子は絶品だ!」
「そーそー、食べないとあーしが貰っちゃうよ!」
「てかどうして食べないッスか? こんなに美味しいのに……」
彼女の作戦も知らないまま、冒険者たちも肯定してくれた。まさに僥倖!
「だ、だが……安心してくれ、必ず食べる。そして感想も教えるよ。約束する」
だがなおもジョーは譲らない。だがもうひと推しだ。こうなったら……。
「……た、食べてくれないんですか?」
ディーネはいきなり下を向いた。ジョーはぎょっとして立ちすくむ。
「そ、そんな、ひどい……ぐすっ、なんで食べてくれないの?」
「……⁉︎」
そう、泣き真似作戦だ! 顔を覆ってさめざめと泣いている……ようなふりをしているディーネ。だが狼狽えるジョーの姿を見れば、作戦の成功は明らかだった。
「うわ泣いちゃったッス! なんでッスかひどいッスよジョー先輩!」
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