崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十三話 ジョーの傷跡

ことごとく失敗

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「……アリッサさん。そろそろヤケになってないかい?」
「もう諦めなよ、アリッサちゃん……引き際が肝心だよ。それに犯罪に片足突っ込んでるし、逮捕しなきゃいけなくなるよ」
「やかまっしゃーーッ! と言う訳でみんな、パーティ開いて!」
「無理言うな! なんのパーティだよ」
「そんな金は流石にないっす……」

 ……そんな感じで、ことごとくダメだった。


~☆~☆~☆~☆~☆~


「うーーん、ダメかぁ~……」
 朝のアルカナショップにて、店先の椅子で一人で腕を組み考え込むアリッサ。ジョーはナガレと一緒に、またどこかへ行ってしまった。
「ケランさん。何かお悩みですか?」
 バイトのコバルトさんが声をかけてくるも、ルックが「待ってくれよ」とそれを止める。
「ねーちゃん、ロクなこと考えてないから。ほっといたほうがいいよコバルトさん」
「そ、そうなんですか?」
「ああ。君子危うきに近寄らずって昔話で言ってただろ。それとおんなじさ」
「ちょっとぉルック! あんたも考えてよっ」
「考えてって言われても……あっ、噂をすればだな」
 そう、町のゲートを通ってジョーとナガレが帰ってきた。ナガレの方は若干汚れている。クエストに行って来たようだ。
「ぐぬぬ……でもどうするのが正解なんだろ……」
 会話の内容は聞こえずとも、楽しそうに話すナガレとジョー。それを見ていてなんだか妬けてきたアリッサ。
「いーなーナガレ君。ジョー君に信頼されてるっていいなぁ~」
「……じゃあ町を守ってガラガラマムシと戦ってくれば?」
「そんなのできる訳ないじゃないっ! ……あ、そっかぁ」
 信頼とは行動で示すもの。アリッサも地道に取り組み続けるしかないのだ。
(……しっかし、俺からみりゃあジョーと姉ちゃんも信頼してるように見えるけどなあ。この際普通に頼んだらいいんじゃ……)
 ルックはそんなことを考える。もっとも最初は断られるだろうが、アリッサが何度も頼めば、先にジョーが根負けする気もする。
「んもうっ! 絶対絶対暴いてやるんだからー!」
(……好きにやらせとけばいいか。そのうち諦めるだろー。……正直俺も気になってたけど、こりゃ無理そうだな)
 あれだけ酷い目にあっても諦めないとは、大したものである。

 ……と、コバルトさんが突然横を向いた。
「あら? あれは最近ギルドに出入りしてる……」
「ん、どしたの?」
 長い耳がピクピクッと動いた。ルックとアリッサもそちらを向くと……制服姿のシルバーちゃんが走ってくるところだった。
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