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第一話
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「そういや兄ちゃん。あんた、身分証は持ってんのか?」
あれから何時間経過しただろうか。おじさんは前を向いた状態で、俺にそう問いかけた。
「あ、はい。持ってます」
ポーチから身分証を取り出し、掲げてみせる。身分証を確認したおじさんは、こくりと頷いた。
「そいつがあるなら話は早い。通行証は俺が持ってるから、適当にごまかしといてやる」
「あ、ありがとうございます……」
何から何までこの人にはお世話になりっぱなしだ。俺はこの恩人に、どれだけ恩返しをすればいいんだろう。
俺が何を返せるかは分からないけど、せめていつか生計を立てられるようになったら、その時にでもこの人の恩に報いたい。
(あ。そういえばこの人の名前、聞いてなかったな……)
俺は少しだけ腰を浮かせて、御者台に近づいていった。
「あの~、すみません。今さらですが、あなたの名前を教えてくれませんか?」
「俺かぁ? 俺はリッツだ。そういうお前さんは?」
「俺は――」
一瞬だけ前世の名前が脳裏をよぎったが、それだと身分証の中身と食い違ってしまう。
俺は慌てて、この世界での名前を出すことにした。
「俺はアシュル・バニヤンです」
「へぇ、アシュルか。いい名前じゃねえか」
どうも、と機械的に返す。そんな俺を見たリッツさんは、まるで苦虫を噛みつぶしたような表情になった。
え? 俺、なんか気に障るようなことしちゃったのか?
ハラハラしながらリッツさんの横顔を眺めていると、リッツさんは苦悶の表情を湛えながらこう吐露した。
「アイツ――アシュルのこと囲ってたお貴族様な。俺はアイツのことが心底気に入らなくってよぉ。お前さんもどっかで買われてきたか、攫われてきた口だろ?
アイツは身寄りのないガキどもを集めては自分好みに育てる、とんだ変態野郎だったからな」
「……」
そうだった。一気に記憶が蘇ったせいで、この世界で生きてきたアシュルの軌跡が頭から抜け落ちていた。
といっても、アシュルの幼少期に関しては、曖昧でハッキリしない部分が多い。気が付いたらクロンフォード伯爵と名乗る人物に拾われていて、そこからずっと地下牢に幽閉さえていたからなぁ。
来る日も来る日も、使用人らしき青年に身の回りの世話をされ、伯爵が様子を見にやって来るのが常だった。
使用人から諸々の報告を聞いたあと、伯爵は毎度こちらを値踏みするみたいな視線を寄こしてきた。その視線からは時折、全身を舐るような熱を孕んでいる気がして、それがかなり怖かったと記憶している。
なんとなくアシュルだった時の俺も、本能的にクロンフォード伯爵はやばいヤツだと感じ取っていたらしい。リッツさんの伯爵に関する趣味嗜好を聞いたあとでは、あの屋敷から逃げ出してきて正解だったと確信する。
(伯爵はなぜか俺には手を出さなかったみたいだし、その点に関しては本当に助かった! ――けど、逃げ出すチャンスをくれたあの使用人は、今頃どうしているだろう……)
使用人の青年は、俺の身辺の世話を担当していた。またそれだけでなく、彼は伯爵に内緒で、こっそり俺に魔法や歴史に関する教育を施してくれたのだ。
それに、俺が脱出するために色々と力を貸してくれたし、俺の救世主でもある。
俺があの屋敷を出たあとも、彼は元気にやっているだろうか。
いや、きっと責任を取らされる形で、何らかの処罰を受けているかもしれない。解雇されるリスクはあるし、あるいは――。
助けてくれた使用人の行く末を案じていると、ふいにリッツさんが首だけ動かして、こちらを顧みた。
「アシュル、そろそろ着くぞ。お前の見た目はちっとばかし目立つから、覆いはしっかり被っておけよ」
「分かりました」
数分と経たないうちに、王都イルムアールの正門が見えてきた。今まであまり周辺に目を配っていなかったせいか、ここまで王都に接近していたことに、全く気が付かなかった。
見上げれば、王城を中心にぐるりと囲む形で都は栄えており、鉄壁の守りのごとく聳え立つ城壁は見事なものだった。
生まれてはじめて見る王都は、俺の想像していた以上に迫力満点で、どうしたって興奮を隠しきることなんてできなかった。
「止まれ」
そんな俺の興奮を冷ますように、鋭い一声が飛ぶ。
正門の出入りを取り締まっている兵士らしき人が、こちらに近づいてきたのだ。
俺は焦って、フードを目深に被り直した。この国で黒髪黒目は希少だそうで「周囲から注目されるだろうから、用心しとけ」とリッツさんから散々言われていたのだ。
「積み荷を検める。また、通行許可証と身分証も呈示しろ」
「はいはい。毎度ご苦労なこった」
リッツさんが目だけで帆馬車から降りるよう、俺に指示を飛ばす。俺はこくりと頷いて、すぐさま地面に降り立った。
背後を見遣れば、先ほどの兵士が積み荷を検分している最中で、時折リッツさんと何かやりとりを交わしているようだった。
そうして粗方チェックが終わったのだろうか。兵士はリッツさんに声をかけ、リッツさんは許可証を呈示していた。
そして、一瞬だけこちらに視線を送ってきた兵士は、俺の目の前まで近づいてきて止まった。
「おい、身分証を見せてみろ」
「は、はい。どうぞ……」
できるだけ怪しまれないように、さっと身分証を差し出す。兵士はそれを受け取ると、素早く確認作業を終え、身分証を俺に返してきた。
「よし。行っていいぞ」
(あ、ありがとうございまぁす!)
内心へこへこ頭を下げつつ、俺はリッツさんが待つ馬車へと急いだ。ホントは心臓がバクバクして気が狂いそうだったんだけど、ここから先はもうそんな心配もしなくていいみたいだ。
どちらかといえば、人間よりも積み荷の方がチェックが厳しい印象だったため、俺は案外適当に通されたのかもしれない。
帆馬車に乗り込んで安堵の息を漏らしながら、手元にある証明書を見下ろした。
これを用意してくれたのは、あの使用人の青年だ。だったら彼もまた、俺の恩人であるといえるだろう。
『これを持って、王都へ――』
「せめて、名前くらい教えてもらえば良かったな……」
再び動きだす帆馬車に揺られて、俺は独り言ちた。
あれから何時間経過しただろうか。おじさんは前を向いた状態で、俺にそう問いかけた。
「あ、はい。持ってます」
ポーチから身分証を取り出し、掲げてみせる。身分証を確認したおじさんは、こくりと頷いた。
「そいつがあるなら話は早い。通行証は俺が持ってるから、適当にごまかしといてやる」
「あ、ありがとうございます……」
何から何までこの人にはお世話になりっぱなしだ。俺はこの恩人に、どれだけ恩返しをすればいいんだろう。
俺が何を返せるかは分からないけど、せめていつか生計を立てられるようになったら、その時にでもこの人の恩に報いたい。
(あ。そういえばこの人の名前、聞いてなかったな……)
俺は少しだけ腰を浮かせて、御者台に近づいていった。
「あの~、すみません。今さらですが、あなたの名前を教えてくれませんか?」
「俺かぁ? 俺はリッツだ。そういうお前さんは?」
「俺は――」
一瞬だけ前世の名前が脳裏をよぎったが、それだと身分証の中身と食い違ってしまう。
俺は慌てて、この世界での名前を出すことにした。
「俺はアシュル・バニヤンです」
「へぇ、アシュルか。いい名前じゃねえか」
どうも、と機械的に返す。そんな俺を見たリッツさんは、まるで苦虫を噛みつぶしたような表情になった。
え? 俺、なんか気に障るようなことしちゃったのか?
ハラハラしながらリッツさんの横顔を眺めていると、リッツさんは苦悶の表情を湛えながらこう吐露した。
「アイツ――アシュルのこと囲ってたお貴族様な。俺はアイツのことが心底気に入らなくってよぉ。お前さんもどっかで買われてきたか、攫われてきた口だろ?
アイツは身寄りのないガキどもを集めては自分好みに育てる、とんだ変態野郎だったからな」
「……」
そうだった。一気に記憶が蘇ったせいで、この世界で生きてきたアシュルの軌跡が頭から抜け落ちていた。
といっても、アシュルの幼少期に関しては、曖昧でハッキリしない部分が多い。気が付いたらクロンフォード伯爵と名乗る人物に拾われていて、そこからずっと地下牢に幽閉さえていたからなぁ。
来る日も来る日も、使用人らしき青年に身の回りの世話をされ、伯爵が様子を見にやって来るのが常だった。
使用人から諸々の報告を聞いたあと、伯爵は毎度こちらを値踏みするみたいな視線を寄こしてきた。その視線からは時折、全身を舐るような熱を孕んでいる気がして、それがかなり怖かったと記憶している。
なんとなくアシュルだった時の俺も、本能的にクロンフォード伯爵はやばいヤツだと感じ取っていたらしい。リッツさんの伯爵に関する趣味嗜好を聞いたあとでは、あの屋敷から逃げ出してきて正解だったと確信する。
(伯爵はなぜか俺には手を出さなかったみたいだし、その点に関しては本当に助かった! ――けど、逃げ出すチャンスをくれたあの使用人は、今頃どうしているだろう……)
使用人の青年は、俺の身辺の世話を担当していた。またそれだけでなく、彼は伯爵に内緒で、こっそり俺に魔法や歴史に関する教育を施してくれたのだ。
それに、俺が脱出するために色々と力を貸してくれたし、俺の救世主でもある。
俺があの屋敷を出たあとも、彼は元気にやっているだろうか。
いや、きっと責任を取らされる形で、何らかの処罰を受けているかもしれない。解雇されるリスクはあるし、あるいは――。
助けてくれた使用人の行く末を案じていると、ふいにリッツさんが首だけ動かして、こちらを顧みた。
「アシュル、そろそろ着くぞ。お前の見た目はちっとばかし目立つから、覆いはしっかり被っておけよ」
「分かりました」
数分と経たないうちに、王都イルムアールの正門が見えてきた。今まであまり周辺に目を配っていなかったせいか、ここまで王都に接近していたことに、全く気が付かなかった。
見上げれば、王城を中心にぐるりと囲む形で都は栄えており、鉄壁の守りのごとく聳え立つ城壁は見事なものだった。
生まれてはじめて見る王都は、俺の想像していた以上に迫力満点で、どうしたって興奮を隠しきることなんてできなかった。
「止まれ」
そんな俺の興奮を冷ますように、鋭い一声が飛ぶ。
正門の出入りを取り締まっている兵士らしき人が、こちらに近づいてきたのだ。
俺は焦って、フードを目深に被り直した。この国で黒髪黒目は希少だそうで「周囲から注目されるだろうから、用心しとけ」とリッツさんから散々言われていたのだ。
「積み荷を検める。また、通行許可証と身分証も呈示しろ」
「はいはい。毎度ご苦労なこった」
リッツさんが目だけで帆馬車から降りるよう、俺に指示を飛ばす。俺はこくりと頷いて、すぐさま地面に降り立った。
背後を見遣れば、先ほどの兵士が積み荷を検分している最中で、時折リッツさんと何かやりとりを交わしているようだった。
そうして粗方チェックが終わったのだろうか。兵士はリッツさんに声をかけ、リッツさんは許可証を呈示していた。
そして、一瞬だけこちらに視線を送ってきた兵士は、俺の目の前まで近づいてきて止まった。
「おい、身分証を見せてみろ」
「は、はい。どうぞ……」
できるだけ怪しまれないように、さっと身分証を差し出す。兵士はそれを受け取ると、素早く確認作業を終え、身分証を俺に返してきた。
「よし。行っていいぞ」
(あ、ありがとうございまぁす!)
内心へこへこ頭を下げつつ、俺はリッツさんが待つ馬車へと急いだ。ホントは心臓がバクバクして気が狂いそうだったんだけど、ここから先はもうそんな心配もしなくていいみたいだ。
どちらかといえば、人間よりも積み荷の方がチェックが厳しい印象だったため、俺は案外適当に通されたのかもしれない。
帆馬車に乗り込んで安堵の息を漏らしながら、手元にある証明書を見下ろした。
これを用意してくれたのは、あの使用人の青年だ。だったら彼もまた、俺の恩人であるといえるだろう。
『これを持って、王都へ――』
「せめて、名前くらい教えてもらえば良かったな……」
再び動きだす帆馬車に揺られて、俺は独り言ちた。
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