キャッと恋する猫の恋

パイタン

文字の大きさ
2 / 6

〜ifルート〜 朝のパン編

しおりを挟む
???「おはよーーー!!」
 
 遠くから鬱陶しい女の子が食パンを咥えて手を振りながらこちらに走ってくる。

 あの子はねこのこといって仲の良いクラスメイトの一人だ。 家が近所ということもあり、朝のこの時間はよく会う。

雪乃康太「あ、おはよう。ってねこのこ、そのパンなに?」

 食べる事が大好きなねこのこは毎朝パンを食べたまま登校している。 

 この光景には見慣れたが、今日はパンが真っ黒だ。 

ねこのこ「あ、これね。ママのこがさー、パン焦がしちゃって」 

 見る限り焦がしちゃったレベルではないと思いながら僕は 

▶1体に悪いからと取り上げる
▶2食べ物を取ると怖いのでなにもしない


【▶1体に悪いからと取り上げる】
 
雪乃康太「さすがに食べたらやばそうだから取り上げるわ」

ねこのこ「えーー!食べてたのに!!!朝ごはん…ない…」

 しょうがないかと思いつつ、僕の小腹がすいたとき用のカ○リーメイトを渡した。 

ねこのこ「…!くれるの!?」 

雪乃康太「あげるよ。ってもう食べてるし」 

ねこのこ「もぐもぐ…。焦げたパンのあとに食べるカロリーメ○トって…こんなに…」 

ねこのこ「オイシーーーーーー!!!!」 

 その声は住宅街に響き渡った。


//学校 

 僕はねこのこを保健室まで連れていき、朝礼を聞いていた。

先生「明日から永学文化祭が始まるが、楽しむことを第一に羽目を外しないようにな」

 そう。明日から永遠えいえんの学生学園の文化祭が始まる。僕らのクラスは喫茶店をやることになった。 みんな明日からということもあり、そわそわしている。

友達「康太ー。文化祭誰と周る?オレはカ・ノ・ジョ☆」

 朝からリア充の話を聞いてイラっとしたが、本当に誰と周るか決まっていないことが少し悲しくなった。

雪乃康太「僕はテキトーに周るからお前は彼女と楽しんでな(リア充○ね)」

 誰と周るか考えたときに一瞬ねこのこの顔が浮かんだ。でもねこのこは友達も多そうだし、きっと周る人もいるだろう。 
 

//放課後

友達「じゃあ、また明日な!喫茶店繁盛させような☆」

雪乃康太「おう、また明日ー」 

 文化祭が明日ということのあり少し浮足立ちながら友達と解散した。 

 いつもの通学路の曲がり角のとこにピンク髪の女の子が立っていた。
 
雪乃康太「あれ、ねこのこ?」 

ねこのこ「やっと来た!いつまで待たせんの」

 少し不機嫌なねこのこに違和感を感じながらも話を進める。 

ねこのこ「ねえ、康太くんは文化祭誰かと周るの?」

雪乃康太「いや、友達が最近彼女できてどうしようかなって考えてたとこ」

 少しねこのこの顔が緩んだが、すぐにまたさっきの不機嫌そうな顔に戻った。

ねこのこ「そ~なんだ。……あのさ、朝のお礼に一緒に周らない?」

 ねこのこからの突然の言葉にびっくりしたが会話を続けた。 

雪乃康太「え、ねこのこはもう周る人いるんじゃないの?」

ねこのこ「いやっ…えと、まあいろいろあったんだよくにゃん」

雪乃康太「くにゃんで全部まとめんの良くない」

ねこのこ「とりあえず!また明日!喫茶店のシフト被ってるし休憩時間も一緒だからちょうどいいじゃん」 

ねこのこ「じゃ!お腹すいたし先帰るわ」

雪乃康太「あ、はい。また明日ー」 

 スタスタとねこのこは猫のように軽々と走って行ってしまった。
  
 少し文化祭が楽しみになりながら僕も家に帰った。

















しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

雪の日に

藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。 親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。 大学卒業を控えた冬。 私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ―― ※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...