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2章:少年期(イーストエンドでの生活)

歴史を学ぶ

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変わりの家庭教師が見つかるまで、マリーに教わることになった。

「ノアール、足し算も引き算もバッチリね。 数学としては、初等教育はクリアしてるわ。」って翌日に言われた。 
病弱だった時の前世さん、入院生活ばかりだったけど頭は良かったみたいで大学レベルまで学んでいたみたいだ。 おかげで、算数は楽勝だ。 

「ノアール、何を学びたい?」って聞かれて、俺はずっと疑問を持っていた事を聞いた。

「歴史、魔王いた?」

「うふふ、魔王なんておとぎ話しよね。 ザイから聞いたのかしら?」
「うん、前 聞いた。 おとぎ話なの?」って、ザイから魔王とかの話は聞いたことないけど、話を合わせておいた。

「おとぎ話かと思うようなお話だけど、事実なのよ。」ってマリーがいう。
やっぱり、魔王はいたのか。

「今から2000年前以上のお話。 このノーダル大陸には、魔族たちが住む魔王領と人間が住む人間領があったの。 人間領にはアルタイト王国という王国があって、場所は今でいうサウス帝国、イースト王国の一部がそれにあたるかな。 魔王領は、今でいう魔境とノース国にあたるらしいの。

 魔王領には、魔王に従う魔物と人間より強靭で魔力量も多い魔族達がすんでいたの。 吸血鬼族とかツノをはやした鬼族とかいたそうよ。 常に、両者は小規模も含めて戦争の繰り返し。 
ある時、とてつも無く恐ろしく強くて残忍な魔王が誕生したの。 しかもその魔王は、魔物を使役する能力があったのよ。 

 人間の住む領土は徐々に魔王領に支配されたわ。 人類の危機に、勇者ユウト様が現れたの。 彼と王女であり回復魔法が得意な聖女様、攻撃魔法を得意とするエイナ様、支援・防御魔法を得意とするレイナ様、そして魔法剣士のタイガ様の5名が立ち上がって当代の魔王を倒したの。 魔王を盗伐した事によって、魔王に使役された魔物は解放されたけど、凶暴で強靭な魔物は、今の魔境にいて人間が侵略ができないようになったの。 それは魔王の怨念とも言われているわ。

 その後、帰還した勇者ユウト様は王女様と結婚し、エイナ、レイナ様を側室にむかえアルタイト王国は、ユウト様が国王になった時にサウス帝国となったのよ。 タイガ様は今のウェスト国、当時はウェスト領の領主となり、王女様の妹君で第二の美姫と結婚して幸せにくらしました。」と語るマリー。

「暦も変わって昔は女神の名であるマアトだったのが、今はユウト暦といって、ちょうど今年がユウト暦1500年なのよ。」

俺は頭の中が混乱している。 マリーがユウト歴1500年の式典うんぬんの話をしているけど、俺の頭の中はそんなことどうでもよかった。 だから、話を中断する形で聞いた。
「魔王の盗伐後、魔族たちはどうなった?」

「確か、魔王討伐後、悪魔・魔族狩りの時代があったの。 私も悪魔がどこから来たのか詳しく知らないのだけど、ノアールみたいに黒髪の子は悪魔とされ、処刑されたらしい。 そして、魔族も吸血鬼族も鬼族もみな残忍でその危険性から盗伐したそうよ。  そして、ユウト様は、その当時名声をあげた軍司に、占領した領土を分け与えたの。 
それで出来たのが、イースト領、ノース領よ。 けど、ユウト様が亡くられたあと、魔族たちの危険がなくなったのに、残念な事に今度は人間の間での争いが続き、ノース領はノース国、イースト領はイースト王国、サウス帝国、ウェスト国に分かれたの。 サウス帝国とウェスト国との争いは激しくて、結果内戦とかも発生して分列してインズ、アルタ、ウドスという小国ができたわ。 今もかの地の争いは続いていて、インズ国がアルタとウドスを併合したのが11年前。 噂ではインズ国は劣勢でウェスト国かアルタ国に併合されると噂があったのだけど、奇跡が起きたようにあっという間に半年で2国を併合してかなり豊潤していると聞くわ。」と、マリーが簡単だけど今の世情についても話てくれた。

「俺も黒髪。 処刑される?」
流石に、今のところまだ生きてるから処刑はないと思うが、前世じゃ黒髪で処刑されてるしな。

そしたら、マリーが俺の頭をなでてくれる。
「イースト王国ではありえないわ。 初代国王であるトリス様が、悪魔は召喚により応じその対価はその悪魔が欲する物、噂では魂らしいわ。 なので、人間に憑依したり、人間に擬態することもないと発表し、黒髪が悪魔ではないと1番最初におっしゃったのよ。 他国ではまだ迫害対象ともいうけど、私も髪色で迫害ってバカバカしい話だと思ってるわ。

ちなみに、ノアールの髪の色は漆黒で綺麗だし、瞳の色は吸い込まれるくらい綺麗な金色よ。」

「え! 俺の瞳の色、金色?」って初めて聞いて驚いた。
「ノアール、誰も言ってなかったの?」
「うん、言ってない。 聞いてなかった」

「あらあら。 綺麗な瞳の色よ。 って、あらもうこんな時間。 今日のお勉強の時間は終わりね」って言ってマリーは部屋から出ていった。
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