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2章:少年期(イーストエンドでの生活)

家庭教師がきた

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朝食後、ベルグはギルド出勤していった。
俺の部屋がノックされて、マリーと一緒に人間がきた。

「ノアール君、家庭教師のサイラス先生です。 私達の子供が学園に入るまできてもらっていた方なの。 初等教育においてイーストエンドでは有名な先生だから、ノアール君も教わってね。」ってマリーが俺の頭なでながらいう。

「サイラス先生、ノアール君は」
「ええ、伯爵から聞いてます。 読み聞かせで学ばせろと。 マリー様、後は私が」って言って、マリーは去っていった。 退室を促された感じなのだろうか。

「はぁー、いくら伯爵の呼び出しだからって欠陥品に勉強を教えるなんてな」って、いきなり態度を変えた。 やっぱりな、色でなんとなくわかったけどな。

「ノアール君、君が本を読むことができないのはわかるが、文字は書けるのか?」
「書ける。」って返したら、「じゃぁ僕の言うことをここに書いて」って乱暴にペンらしきもの握らせて、羊皮紙に書かされた。

言った事書いてるのに、この単語はhだとかいいながらムチで手を叩く。 
しかたねぇーだろ前世ではここはgだったんだし。 叩かれても痛くないからいいけどさ。 しかも途中から単語治したら文字が曲がってるってだけで叩く。 見えないのだから、文章が曲がるのは仕方ないとおもうが。。 本当、嫌なやつだ。
だから、わざと自動回復OFFにしておいた。 そしたら、次第にペンも握れない。

「サイラス先生、ノアール君、ひと休みしましょう」
って、マリーが俺の部屋の扉のドアをノックしていってきた。

その声聞いて、サイラスが慌てて俺に回復魔法をかけようとした。 ふん、お前って今までそうやってたのかって思って、俺は魔法を受け付けないようにした。
サイラスは慌ててるけど、そんな事知らないマリーと侍女が部屋に入ってきた。

「ノアール君、その血だらけの手はどうしたの?」って、今度はマリーが焦ったのか、俺の手を触ってる。
「血だらけ? そうなのか。 俺、痛いの知らない。 サイラス先生が、単語間違えると手になんかした」って言っておいた。
「サイラス先生、あなたノアール君を叩いたの!」って、ものすごく剣幕にいうマリーだ。
「い、いいえ、文字が書けるというので、書かせたところ自分でペンを手に刺したんです。」
おいおい、ひでぇー言い訳だ。 
「そんな言い訳通じるとでも。 ノアール君が目が見えなくても、自傷することないくらい夫から聞いてますの。 あなたクビよクビ! 二度とこないで!」
と叫ぶマリーは、同時にベルを鳴らしてる。

「奥様、何事で!」って警備兵がきた。
「サイラスを今すぐ屋敷から追い出して。 あと医者を呼んで!」
サイラスはなんか喚いたけど警備兵に連れてかれた。 

マリーが俺を膝の上に座らせた。
「ノアール、もう大丈夫よ。 もし、また何かされたら言うのよ」って俺の頭なでてる。
なんか、ザイやエイラもそうだったけど、ここの大人はみんな子供の頭撫でるの好きなのか? いろんな人生を思い出してからは、頭撫でられる事にはなれず、気恥ずかしい。

「俺、痛いわからない。 でもさっきの先生、怒った。 単語のスペル違うって。 あと文字が曲がってるっていった。 俺、わからない。」
「ノアール、文字書けるのね。 すごいわ。 見せて」っていうと、侍女が渡したようだ。
「うん、文字、ザイとエイラが教えてくれた。」
「そうなのね。 って最初に書いた単語、これって古代単語じゃない!」とちょっと驚くマリーだ。
「古代単語を知らないなんて、よく家庭教師が務まるわ。」ってぶつぶついってた。

すまん、俺の書いた単語って、なに古代単語なのかよ。 その後、医者が来て回復魔法をかけてくれた。 自動回復するが、変に気味悪るがれるのも面倒なので素直に受け付けた。

サイラスは、伯爵家出禁になったうえ、結局イーストエンドで家庭教師という職には二度とつけなくなったようだ。 次の家庭教師が見つかるまでマリーが教えてくれる事になった。
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