【白銀の黒帝 :3】調停者は、暇つぶしに人間社会へ

八木恵

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3章:迷宮都市編

食堂の仕事

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食堂で働き初めて約1ヶ月間が経過。
俺たちの生活は、金、土、日曜は、食堂の営業の仕事で、月は全員の休日となり各自、自由にすごす。
それ以外は、曜日によって各自する事が自然と決まっていった。 

火曜は、ボブだけダンジョンで、他は家事以外は基本休み。
水曜は、ボブと俺が午後商会へ足りない食料、小麦、調味料、酒の仕入をしにいく。
木曜は、ボブはダンジョン。 ライラとリンが朝から市場へ葉物野菜と食パンを頼みにいく。  
午後に俺とリンが商会に発注した品を取りにいくといった感じで、それ以外は比較的にゆったりだ。

この頃には、ランチにリンの作ったプリンがつくようになる。 
たまに日中遊びにくるライラの主婦友達たちにリンは混ざって、リンの作ったケーキを食べていたりしている。

リンには同年代っぽい友達はできていないが、ライラを通して中年主婦の知り合いがふえているようだ。

魔石は、定期的に俺が闇市に売り、過剰な現金はリンのもを含め商業ギルドカードへ入金していくようにした。

◇◇◇
とある休みの昼下がり、俺がピザやら、グラタン、サラダを作り、
4人でエールやワインでちょっとしたパーティをしていいた。

「お前らと生活してまだ1ヶ月なんだが、なんだあっという間だったな。 
 んで、そろそろシュンの料理も俺たちだけ味わってるのがもったいないからな、何品かメニューに加えようと思うんだ。 
 ただ、米はまだ馴染みがねぇ。 王都じゃ結構食べられるって話しだがな。 
 んで、徐々にここでも出せればと思うんだが、パンにあうカレーってできるか?」

「ナンっていってな、パンの材料と似ているがちょっと作り方が違う。 
 それならカレーにあうな。 ナンも専用釜戸あるといいが、フライパンで焼けるし。 
 試しに作るか?」と俺が提案してみる。

「ああ、作ってみてくれ」といわれて、「材料適当につかうぞ」といいながら俺は厨房に行く。

俺が料理している間、
「リンちゃん、なんでシュン、いろんな料理しっているんだ?」
「シュン、読書が趣味で料理に目覚めてから色んな種類の料理本をかったり、
 知り合いがいろんな料理を知っていて教えてもらうようになったんですよ。 
 今でもジャンルは偏ってますが、暇さえあれば読書をしてますよ。」
「へー、人は見かけにって言えば、あいつ計算も早いよな。 なんか、能力高いよな。
 てか、お前らどっかの名門の学園とかいってたのか?」
「一応、学園は行きましたけど、シュンは馴染めなくって、すぐ辞めました。 
 ただ、シュンはもともと計算できましたね。 ほかも色々と。 私も教わりましたしね。」
「あはは、シュンには、学園は、馴染めなそうだな。 ってことは、帳簿とかもできるかもってことか?」
「出来ると思いますよ。 本さえ渡せば。」

「ライラ、本あったよな。 貸してやれ。」
「古いやつだけどね」と言ってライラが事務所のほうにいく。

◇◇◇
そうこうしているうちに厨房からいい匂いがしてくる。

「鶏のバターカレーにナンだ」といって俺が料理を持ってきて、
「このナンをちぎって、カレーに付けて食べるんだ」といって食べ方を説明した。

 ボブとライラが試食する。 
「お、これ美味いな。 これならいけるぞ。 バターは高いからなぁ。 どうすんかな。 
 って、シュン、バターあんまなかったはずだが?」

「生乳から作った。 結構簡単だぞ。 リンのデザートも生乳からバターや生クリーム作るしな」と俺がいう。
「自給自足の生活が長いんですよ私達」といって微笑むリン。 

それを聞いて、ライラがクスクスと笑う。
「なんか、若いのに無駄が無いし、いろいろ知っていると思ったらそういう事ね。
  納得しちゃったわ。 今度、生クリームとバターの作り方教えてね、リンちゃん」
「ええ、もちろんです」とほのぼの主婦の会話だ。


「女共は置いといて、シュン、今週からこれを夜のメニューに追加な。 
 んで、これ帳簿の本とうちの帳簿だ。 
 これをみるとわかるが趣味でやっているからほぼ利益はない。 
 あとは、毎年の納税だ。 
 利益の3割か、収益の3割が金貨15枚未満なら、金貨15枚が税金として商業ギルドに納める仕組みだ。 
 ここは立地的にも安いほうなんだよこれでもな。 しかも家と土地は、俺らのだから賃料がねーしな。」とボブが俺に説明する。

なるほどな、税金が発生しているのかなど、俺は渡された帳簿をみながら説明を受けてた。
「帳簿管理は、ライラがやっているだが、お前計算も早いしな、覚えて損はないだろ。 
 徐々に慣れていけばいいしな。 勉強用だ。」と言われて、俺は、受け取りながら「ああ、わかった」という。

後日、俺は本屋に行き、簿記やら商売に関する法律、税など買い漁るのである。 
そして、数週間後、リンを経由してライラに渡された帳簿の記入帳は書きやすく、わかりやすい物になっており、過去の分も綺麗に整頓されていた。 
シュンの異質さが垣間見れるのだが、ライラもボブも慣れたのか突っ込まないし、詮索もしない。
◇◇◇

それから数ヶ月が経過していく頃には、夜にシュンの料理が出始め、カレー、グラタン、米料理としてパエリアを提供するようになる。 
ボブも興味をもち、俺は、作り方を教えてり、レシピを渡したりした。 

夜中の任務もしっかりこなしている。
そして、半年がすぎ3週間の休暇をもらうため、ボブとライラに別れ告げる。
本来、そのまま転移してもいいが、意外とライラとボブは、迷宮都市で知り合いが多く、検問を通らないのは不自然になる。
しかたなく、俺たちは商店街を歩き、たまに知人にあって声をかけられながら、検問を通過する事にした。

迷宮都市を離れてたところで、俺たちは転移しアークの所へむかった。
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