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1章:プロローグ

『人界』へ、って帰省

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俺とリンは、『人界』に戻った。

もちろん行き先は、魔の森のアークの家。
さっそく到着した俺とリンは、家が全体が見える所に立ち「変わらないな」という俺の言葉に頷くリンだった。 

ただ、アークが不在。 どっかに外出しているっぽい。 という事で、俺は、ウッドデッキにある俺のお気に入りの指定席に座って、アークの帰りを待つ事にした。 もちろんリンも俺の隣に座ってる。
夕方近くになり、赤色の髪をした青年が姿を現す。
「アーク、ただいま!」と定位置からエールを上げる俺を見て、「シュン、遅いぞ! 俺一周したぞ!」といわれた。 
「アークの幼少期みのがしたぁー!」と大声でいうと、「次回の楽しみな」と言って笑うアークは、やや若いがいつもと変わらない。 アークの幼少期を見たい。。 次回って何年? 何千年後だよ。

それはさておき、早速食事に、魔界の赤竜の肉を焼きながら、アークに魔界や魔界の魔術の話をする。 
月日が経とうと永劫の時を生きる者たちの会話は変わらない。 変わる事のない関係だ。 

「シュン、お前また尋常じゃないくらいに魔力が増えたな。 制御しても人間の所行けないな。 シュンの場合は質がさらに異常だ。 リンは加護もらったな」と言われた。
さすがアークだな。 やっぱり気付いたか。
「そうなんだよ、色々あってよ、見てくれ、堕天使見てーな黒い翼が増えたんだ。 飛べるから別にいいけどな。 リンは、小さいコウモリ型だ。 大魔王の加護だってよ。」
俺は、新たに生えた黒い翼を広げて見せた。 見せたアークの顔は、いつもと変わらない。

「もう、元人間だな。 種族もなさそうだ。 シュンはシュンで、リンはリンだ。 翼も似合ってんよ」
「アークならそういうじゃねーかって思ってた。 かっこいいだろ、黒い翼」
「ああ、かっこいいね。」とそう言ったアークは俺の頭を撫でる。

いくつになってもシュンは、アークにとって弟でもあり息子だ。 シュンも嬉しそうだ。 その様子を見て、リンも嬉しくなる。

「シュン、これからどうするんだ?」
「大魔王が、こっちは150年経過してるっていうから、アークの幼少期って思って帰って来ただけだ。 さすがにジルもイアン達もいねぇーしな。 特になーんも予定はねぇーな。 神獣達とこいって、魔界の任務あっから、ある程度滞在したら魔界に戻るかな」
「あははは、そういう理由で帰って来たのかよ。 この世界も見て周るのも楽しいかもな。 なんせ、魔界の魔物がはいって、魔物の生態系が少し変わったんだ。 ほとんどが、神獣達の管理にはいているがな。 竜がいて、竜が点々と住んでるみてーだ。 竜は、自由な生物だから、神獣の管理下には入ってないが、当初は飛翔しなかったが、ここのマナのせいか飛翔する竜もいるんだ。 個体数は少ないけど、たまーに人間の住処荒らすみたいだ。。」

「竜、かっけーぞ。 俺も、空想だと思ってたし、まじ近くで見た時は感動もんよ!」と竜の話をしながら目を輝かせて興奮しているアーク。  。。アークが自分の頬を掻きながら言う。「って、シュンとリンはもう見てたな」
「見てるけど、魔界の竜は瘴気の影響とかで飛べねーんだって。 だからよ、飛んでる竜みてみてぇー」

飛翔している竜って、絶対かっこいいよな。 俺もみてみてぇーと、俺もアークと同じく興奮している。


それから、俺とリンはアークの家でのんびりしながら、不死鳥ブランドのワイン、エール、タバコの収穫、製造を手伝ったり、魔の森の魔物を間引きしたり、狩りにいったりなどアークとの久しぶりの生活をしていた。  もちろん、魔界のに戻り任務している。
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