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3章:学園都市編

ライナス・マクレーンに接触

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Side:ライナス

翌朝、朝5時すぎまもなく6時、俺ライナスは走りこみを終えて素振りをしている。
全て自己流だ。 相手がいないため、仮想相手に剣をふりだした。

すると、声がかかる
「なぁ、お前 対人戦したことねーの?」という声に後ろを振り向くと濃紺の髪と紺色の瞳で、自分より背の低い生徒が立っていた。  確か、同じクラスでギルド推薦のはず。。

「ああ、誰も相手になってくれないくてな。 竜騎士になりたいから、この学園に入学した。 努力はし続けてる。 嫌な事も我慢し、努力すればいいと信じてる。 絶対に竜騎士なりたいからな。 鍛錬の邪魔だ。」

訓練の邪魔だった俺は、とりあえず聞かれ質問だけに答えた。 実家では両親、弟、そした従者たちに嫌われている。 俺を気にしてくれるのは、妹だけだ。 ついつい、同年代の生徒に話かけられて、ちょっと嬉しかった俺は質問に答えてしまった。

「なんで、竜騎士になりたいんだ?」
俺、訓練の邪魔って言ったよな。 過去、俺が邪魔だと言えば、大抵の人は、その場を立ち去るが、貴族のやつらは罵って挑発するかのどっちかだ。 なんだこいつ? 平民だよな。 確か、敬語を話せないって、言っていたな。 なんか俺、面倒な奴に絡まれているのか? でもそんな感じにも思えない。 取り合えず、面倒くさいけど答える。

「竜ってかっこいいだろ。 あれに触れて、乗って、しかも飛竜系なら空飛べんだぞ。 かっこいいだろ。 だから、俺は最強の竜騎士になるんだ。」

俺は、幼少期に初めて空を飛んでいた竜を見た時の事を思い出した。 夢かと思ったけど、本当かっこよかった。 それから、竜騎士っていう職業がある事を知った。 それからだ、俺が竜騎士を目指したのは。 周りには、お前には無理だって言われたけど、それでも、それでも、俺は竜に触りたいんだ。

「そんなに竜が好きか?」
「あーあ、抱きつきたいし、撫でたいね。 出来る事なら、竜と生活したいくらいだ。」

しまった、俺は、初めて竜をみた時の事を思い出したのもあって、ついついこの変な奴の質問に素直に答えてしまった。 そしたら、変な奴が笑いながら、意味の分からない事を言っている。
 
「つまんねぇー奴なら断ったが、はは、決めた! あいつの思いどーりになるのも癪だが、あー こいつは嫌われすぎてんのに気付いてねーしな。」
「はぁー。意味わからん。  訓練の邪魔だ。 去れ!」

意味が解らない発言に俺は、訓練の邪魔だったから、これ以上こいつ関わるのをやめようと思う。

「かかってきな。 相手にしてやる。」
無手なのに、なんか偉そうに言ってきやがった。 よし、痛い目みせてやる!
「偉そうに! 痛いみるぞ!」

俺は木刀を構え、風魔法で跳躍してそいつに斬りかかった。 え? 何がおきた、俺の剣の軌道を変えた? 奴の蹴りが俺のお腹に当たった。 「ぐぅ」っと俺は自然に声がでて、奴の蹴りをなんとか持ちこたえようとした。。 が、あんな重い蹴りを受けたのは初めてだ、自然に痛さで耐えきれず俺は立てず膝をついた。 あっさり、負けた。。。 俺の今までの努力はなんだったんだ。 無手相手に全く歯が立たなかった。 努力が足りないのか。。 同じ年齢。 ここの学生は、みんなこんなに強いのか。。 俺は、あまりのショックで目頭が熱くなり、肩が震えた。。

「おおっと、感違いすんじゃねーぞ。 俺が強過ぎるんだ。 お前だって、今のレベルならそこそこ学生で強いんほうなんじゃねぇーか。」

え?今、なんて言った? 自分は強すぎ。俺は、下を向いていた顔をあげていう。
「お前、何者だ!」 思わず、腹を抑えながらも叫んだ。

「俺は、シュン・グラント。 ここの学生でお前のクラスメイトだ。 んで、お前を鍛えて最強の竜騎士にしてやる。 どうだ、やるか?」 

え?こいつ、またなんて言った? 俺は思わず怒鳴った。
「はああ。 何言ってるんだ。 今まで誰も教えてくれなかった!」

「だからだよ。 おめぇー 嫌われ者みてーだし。 あ、俺が強いの秘密な。 目立つの嫌いなんだ。 で、やるのか、やらねーのかどっちだ。 俺が教えんのは、剣術、槍術、体術、身体強化、魔法だ。 竜騎士の竜の操作とかは教えられんがな。 どうする?」

俺は、驚いた。 今まで教えてもらいたいと嘆願しても無理だった。 それを、目の前にいる強者が鍛えてくれると。これは、チャンスだ。 おれは立ち上がって奴の前にたって言った。
 
「ああ、頼む。 俺の事はライと呼んでくれ。」
「ライか。 了解。 俺が教えるのはお前だけだ。 で、俺が教えていることも秘密だ。 教室では普通に接してくれ。 これが条件だ。 訓練は、朝と放課後と日曜だ。 状況に応じて変わるがな。 わかったか?」

「ああ、誰にもいわない。その日程でいい。」
「今日の放課後俺の寮に来てくれ。 これ転移魔方陣な、自分の部屋で起動すると俺の部屋のドアの前につく。 詳しくはそん時な。 じゃあな」

俺は、グラント君が去った後、少し茫然としてた。 そして、やっぱりすげぇー変なやつに目をつけられたのか。  貴族だよな俺。 勢いありすぎて普通にはなしてたわ。 しかも最後は鍛えてくれると。 よし、頑張るぞ、俺!!と気合を入れなおして、俺は朝練の続けた。

シュンとライナスの出会いであり、ライナスの地獄の日々が始まるのであった。
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