【不遇転生:4】悪役子息と婚約者 ~俺はまた悪役子息に転生した~

八木恵

文字の大きさ
118 / 133
4章:アスタ王国編

僕セオドリック 後編

しおりを挟む
僕が昔を思い出したのは、ヘレナが僕の屋敷に訪れたからだった。

「ごめん、ごめん。 ちょっと考え事してた。 行商人としては起動にのってるみたいだね。」

「まぁね。 アナキー公国は無理だけど、ステラ王国からなんとか鉱物の買い付けは出来るからなんとかね。 それに、アンソニーが冒険者登録してあるから、ステラ王国で稼いで、鉱物買って、この国で高値で売ってるわ。 行商人だから出国できるけどね。」っていうヘレナ。

あれから外交は失敗して、国交は遮断されてる。
優一、外貨獲得できるのは行商人のみだ。
「その冒険者って何だ?」 冒険者って言葉は僕にとって初耳だ。

「知らないわね。 国関係なく存在する中立組織よ。 日雇い労働から、採取系、魔獣討伐、盗賊盗賊、あとは緊急時の傭兵とか、護衛とか任務を請け負って、その対価をもらうの。 アスタ国出身だと登録した国でしか活動できないけど、冒険者でランクB以上であればステラ王国とアドナ国の行き来は自由よ。 アンソニーがランクBになるまで、1年かかってやっと起動にのったのよ。」

まったく持って知らなかった。
「冒険者というのは誰でもなれるのか?」

「ああ、登録は10歳からで、ランクEまでは街中任務のみだ。 ランクはFからで、Dで戦闘試験、Bで盗賊討伐試験がある。 しかも、主要都市には冒険者育成所が設置されてて、読み書き、簡単な算術、戦闘指導がランクEまでは無料だ。 それ以上は、受講料が発生する。 しかも孤児、貧困の子供には、それ用の寮まであってその子達の能力に応じて非戦闘職も用意されてるらしい。」っていうアンソニーだ。

「それでは、各領地の騎士団の意味がなくならないか?」

「ええ、そうよ。 でも、常にかなりの数の騎士団を囲って給金やら訓練するよりもすでに訓練されてる冒険者状況に応じて斡旋してもらう方が各領からすればいいし、平民も自分能力を試せるし一角千金も夢じゃ無いっていって両方に利があるのよ。 その代わり自己責任だけどね。」ってヘレナだ。

「確かに。 保証はないが、実力至上主義って事か。」

「ああ、それに、任務失敗すれば、罰則もあるし、逆に依頼主が横暴だとギルドが仲介に入って依頼主に罰則だ。」

「でも、凄いのがランクの低い冒険者用に武器や防具を一定期間有料で貸し出したり、中古品を購入できるのよね。 それに、各ギルドで、素材になる情報やら魔獣生息の地図も有料で販売してるのよ。」

「ああ、よく纏めてある。」

「にしても、いつの間にそんなのが立ち上がったんだ?」

「さぁ、一介の行商人にはわからないわ。 でも、1年位上前に発足で、本部はアナキー公国みたい。 あまりにも、立ち上げてから規模を考えるとかなり前から構想それに資金調達が凄いわ」

「やはりバラク商会か?」

「いいえ、バラク商会との関与はなさそうよ。 中立だから、各商会とも依頼での関係よ。」

どういう事だ。 わけがわからない。 僕は、何を見落とした?
「それより、陛下はステラ王国に進軍するって噂本当なの?」ってヘレナだ。

「ああ、本当はアナキー公国へ進軍しようにも山脈だ。 未だに、アナキー公国を国として認めてない。 あそこは、陸の孤島だ。 その内、国交を樹立するだろうっていう話しだが、限られた輸入の鉱物ではって話しだ。 それに水晶は、ザバナ領をラドナに返却する代わり、今後10年はもつ水晶の輸入を確保したしな。 それに加えて貴族、富裕層からは、今の政策に不満が溜まっている。 外に向けさせる必要があるんだ。」

「確かに。 私も行商人じゃなきゃ、がむしゃらに働かなくてもいいしって、これも長く続かないわね。」

「あーだからその前にっていうのがマルコの案だ。」

「なるほどね。 にしても、私もセオドリック様と話す日が来るとわ思ってなかったわ。 商売での繋がりと、退学の時に支度金もらったからだけど、なんであの時あそこまでロイス君を嵌めようとしたの?」

「あはは、なんだろうな。 まぁ、学力も実技も中の下なのに存在が目立って邪魔だったからとしか言えないな。」

「確かに、存在感は良い意味でも悪い意味でもあったわね。」ってヘレナは苦笑いだ。 アンソニーも苦笑い。

本当は、ロイスの王位継承権の順位だった。 キンバリー家も知らないあの順位。 王太子、アルパーノも出来損ないがもつ順位を気にしてた。
まだフローレア王妃に子供がいない時点で、今王位継承権権は、シャーロット王女が産んだ1歳未満の男の幼児、その次はいない。

彼女らを見送りつつ、この国の行く末を案じる。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...