「第一部:魔女の生贄」貴族の子に転生し、魔女に呪われたけど優しい家族と一緒にいたい

八木恵

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3章:学園在籍編

デビュタント2

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Side:ローラン

「あ!やっといた。ローラン、リリスいたよ」ってハンナに強引に連れてかれたのは食事が置かれている場所。

そこには、ダークグレー艶のあるストレートで腰まで長さがある子が皿に山盛りに食事をとってる。
すごい細いのに、そんなに食べるのっていいたくなる。

しかもお皿2枚あって、一つは肉とか食事系でもう一つはデザート。双方山盛り。

「リリス、やっとみつけたの」とハンナがその子に声をかけると、彼女は振り返ってニコって笑う。

マリベルも美人だけど、彼女もまた違う意味で目をひく美人で目の色がグレイだ。

「ハンナ、どこいってたの?探すの面倒だったから食べる事にしたわ」
リリスちゃん、笑ってるし。

「ずっと探したの。」
「早くみつけてよ。食べる?」
彼女は皿をハンナに出して聞いてる。

「後で食べるの。今、紹介するね。従兄弟のクレセント公爵家の第二子のローラン。前に話したルーク兄さまの双子の弟なの」

「はじめまして、クレセント公爵家の第二子のローランです」

「こちらこそ、はじめまして。バックハウス伯爵家、えーと第二子のリリスです。えーと食べます?」
今度は僕に皿をだしてきた。

「後でいただきます。それよりもハンナの説明だと第一子じゃないんですか?」

「父が再婚して、再婚相手連れ子が私より年上なので、私は第二子になったんですよ」

連れ子で養子縁組しても普通は当主と血がつながらないから第一子のままなはず。
それを第二子という事はもとより愛人関係って事なのか?いろいろ思考を巡らせたけど他家の事情にあまり入る事はよくないから言わない事にした。

「そうなんですね、では肉いただきます」
そういってフォークをとり、皿にある肉をたべた。

「王宮の料理は美味しいですよね」と感想をいうと、「本当、美味しいです。」ってニコって笑顔。
でも無理してる感じ。

「僕は普段から敬語を使うように言われてますけど、無理に敬語を使わなくていいですよ」

「本当ですか?助かります。」
安堵した感じ。
「ハンナの友人ですしね、気を遣わず、食べてください」
彼女の目は皿にしかいってないしね。

「ありがとう」

ハンナと二人で食べ始める。小さな口でよくはいるなっていうパクパク粗食する。

「ハンナ、美味しいね」
ハンナもデザートばくばく食べてるし。
「うん、美味しいの」
2人は、ほっこりしている感じ。

「でも、クレセント公爵家の料理のほうが美味しいの」

「ハンナがきたのって3歳の時だよね。5歳のお披露目もいたか」

「うん、ローランとは5歳以来かな。でも、あの時食べたバウンドケーキの味が忘れられないの」

「あれは確かに兄上と僕の好物で、他の店より美味しいのは認めるけど、あのねそのキラキラした目でみないでくれません?わかりました。何かの機会にご招待します。」

「やったのー」
リリスちゃん、ハンナの口癖移ってるし。

「ルーク兄さまがいるときがいいの」
「曇りか雨の時ってどう事前にわかるのかな。」
「そうだよね。」
「どうしたの?」
リリスちゃんに聞かれた。

「ルーク兄さま、日光過敏症っていう病気で、太陽が登ってるとお外にでれないの。室内も真っ暗闇にしておかないと駄目な病気なんだけど、すごい魔道具開発して、曇りか雨の日なら日中でも室内を出歩けるようになったの」
ハンナが兄上の病気を説明。

「日光過敏症か、うーん、今開発している万能薬で治らないかな。」
リリスちゃんから万能薬の話しがでる。

「万能薬って?」
僕すかさず聞いた。昔、兄上のために僕が探そうとしていた薬草。

「回復ポーションの改良版で、今まだ試作中。傷とかに効果はかなりあるんだけど、まだ病気はかぜに有効というところまでわかってるんだ」

「それ素晴らしいです。。かぜの症状って様々ですよ。それらに効くってだけで確かに万能薬だと思うのですが、どうやって作ってるんですか?」
僕、ついつい聞いてはいけない質問してしまったかも。

「それ、リリスの魔法なの」
あっさりいうハンナ。

「創造魔法って事?」

「創造魔法とかいわれてるけど、違くて、ただしくは植物魔法で、土魔法の派生なんだ。いろんな薬草の効能をしらべて、それらを組み合わせて改良版の植物を作るのが私の趣味なわけ。」
 
「それで、創造魔法って言われてるんですね。」
僕は、リリスちゃんの説明聞いて納得した。

「そうなのよ。ご立派な名前つけないでほしくて、無から作り出すなんて無理なのに、勝手に手紙で依頼とかきて困ってるのよ」

「あはは、それは困りますね。兄上もこの前雨を降らす魔道具の開発依頼されて悩んでました。少量はできるらしいけど、植物が育つほどの雨は、流石に必要な魔石も半端ないみたいなんです。」
兄上が発狂しいたのを思いだした。

「凄い!もしかして、水があれば、時間指定で水を畑にまく魔道具とかは作れる?」
リリスちゃんが興味津々で聞いてきた。

「それは僕にはわからなくて聞いてみないとです。ただ、タイマー起動とかは出来ると思うので聞いてみますね。」

「お願い。薬草育てるのに、水まきが面倒なの」
リリスちゃん、ただ単に水まき面倒なのね。

「わかりました。兄上に聞いてみます。」
僕は約束するしかなかった。なんか勢いすごいし。

「やった。そしたら万能薬あげる」

「ありがとうございます。」 
万能薬じゃ、兄上の呪いは治らないかもしれないけど、それでも試す価値はあるかも。
父上にきいてみよ。
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