「第一部:魔女の生贄」貴族の子に転生し、魔女に呪われたけど優しい家族と一緒にいたい

八木恵

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3章:学園在籍編

ただいま

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夜、夕食も終わった時間、王都のクレセント公爵家の扉の前。
約2か月以上帰ってない。変な緊張する。

「アーク君、君本当によく寝るね」
俺、自作の抱っこ紐の中ですやすやねてるアークに独り言。

”ドンドン”って意を決意して玄関を叩く。
小窓が空いて、ダルトンが顔をだした。
「どちら、えー、お坊ちゃま!」とダルトン。驚いたみたい。

「親父とお袋いる?」
「ええ、旦那様は、まだお出かけになってませんし、奥様は湯あみ前ですので今すぐお呼びします」
玄関の扉を開けてくれながらいうダルトン。

あえてなのか、アークの事は聞かないんだな。
「ルーク!」
「ルークなのよね」
親父とお袋がまじ走ってきた。

「ただいま」
「おかえり」
「おかえりなさい」
笑顔で出迎えてくれる親父とお袋。

「孫もつれてきた」
俺がいうと、頷く親父とお袋。

「うふふ、この年でお祖母ちゃんになるなんてね。あらすやすやねて可愛い」
長い沈黙のあとアークをのぞき込むお袋。

「ああ、俺、お爺ちゃんかよ」親父。
「「可愛い」」
アークを見て二人ではもってる。

「随分、ルーク似ね。寝てるから、瞳の色は分からないけど、髪色はリリスちゃん、あ、ごめんなさい」
お袋が気をつかったのか黙った。

「平気。瞳の色は、俺と同じ」
「整理はできたのか?」

「うん、十分お別れする時間あったから」
「そうか」
親父に頭わしゃわしゃされた。
「よくがんばった」
「うん」

「立ち話もなんだから、って、孫の名前は?」
お袋が期待いっぱいな表情。
「そうだ、名前はなんだ?」
親父も気になるみたい。。

「アーク・カール・クレセント」
親父が驚き、とまった。
「彼女がつけた」

「本当か!よっしゃー」
物凄く喜んだ親父は久しぶりをみた。

「カール、良かったわね」
お袋も嬉しそう。

「ああ、アーク、俺がおじいちゃんのカールだぞ」
「アーク、おばあちゃんのデボラよ」

「先にアークを寝かせましょう」
お袋の案内でお袋の部屋の隣の部屋につれてこられた。

「すご、子供部屋になってる」
俺、おどろいた。

「うふふ、いつでも帰っていえ、帰っても大丈夫なように用意したわ」
俺はぐっすり寝てるアークをベビーベットに寝かせた。

「お前、うまいな」
という親父に、
「一週間、面倒みてたからな」
と返事する俺。

「そうか」

「さて、アークは私がみてるわ。あなたたち、話してきなさい」
とお袋に言われたけど、
「結構夜泣きするよ」と伝えた。

「あら、私に任せない。これでも同時期に子供二人も育てたのよ」
胸をはるお袋。

「使用人もいるから大丈夫よ」
最後はウィンクする。

「そういう事だ、行くぞ」
半ば強引に親父に執務室につれてかれた。
しかも、ダルトンが気をきかせて軽食とかつまみとか用意してくれてあった。

「ほれ、食えてないんだろ」
「ああ」
俺は、サンドウィッチをほうばった。
酒も注いでくれた。

「どこにいたんだ?渡した小切手も使ってなかったし」

「彼女の夢っていうのがあってな、広い庭があって一軒家の家で子供を産む事っていう項目から始まって、その家でしたい事リストがあったんだ。だから、公爵領の森の最深部に家たてて、家の倍以上ある庭つくった。」
説明しつつ、久しぶりにタバコに火をつけて一服。

「そうすれば俺が鷲になっても大丈夫だろ」

「鷲になっても受け入れくれたんだな」

「ああ」
タバコのけむりを吐く。

「よかったな」

「ああ、それで、親父に3つ頼み事があるんだ」

「俺にできることならな」

「彼女の望みリストってのがあってな、そのリストの中に、親父とお袋と同じ墓にはいりたいっていうのがあってな、クレセント家の墓地に入れていいか?」

「それで、婚姻届けにサインがあったんだな。」

「そう、俺としては、彼女の望みが叶うならって事前に用意しておいた」

「この国の法律で男女とも18歳じゃないと結婚できないからな。」

「うん、だから俺が誕生日がくればサインできるだろ。アークの出生届けはお願いしていいか?」

「もちろんだ。」

「それで、あと2つは?」
聞いてくる親父。

「1つは、公爵領の深い森の近くにある村があるだろ?」

「ああ、パース村な。それがどうした?」

「そこの村にある緑の屋根に住んでる産婆のばあさんにお産手伝ってもらったんだ。勝手に駆け落ちした金のない二人と勘違いされて、お産の費用がタダだったんだ。支払いの代わりに、息子夫婦が病院を開業するとかで、待合席の椅子を送ってくれっていわれたんだけど、俺どういうのかわからんから、親父手配してくれないか?」
産婆のばあさんとの約束も果たさないとな。

「世話になったんだな?」と親父が聞くから、

「ああ、たまに村に買い物いく度に婆さんが心配してくれてな、タダでみてくれたし、栄養のある食べ物もっていけって料理くれたりな、夏だっていうのに腹巻よこしたり、まぁいろいろ。しかも破水して陣痛はじまってから出産まで12時間かかったのに、ずっとつきあってくれてな。変なばあさんだろ」
嬉しそうに聞いてくれる親父。

「そうだったんだな。わかった、俺にまかせとけ」
親父、胸張ってるし。

「よろしく、それで、最後な、アークの事なんだが、アークは幸いにして人間だ。」
親父が息をフーはいた。

「そうか、よかったのか?」

「ああ、もちろんだって。それで、親父とお袋に頼みたいのが、アークを一緒に育ててほしいと頼んだけど、実は、その先があって、俺がアークと一緒にいられなくなったら、アークの事頼みたいんだ」

「ルーク、何をそんな事いっているんだ。お前がどこかにいくような事いうな。ほら、ローランがもし王太子になって国王になったら、どこかに引っ越したっていいんだ。アークも連れてけばいいし、本人が王都にいたいといえば俺たちはこのままここに住めばいいだろ」

「違うんだ、確実にこの社会にいられないくなる」という俺に、
「ルーク、ちゃんと説明してくれ」という親父。

「12歳の時に魔女に連れられた際、不老の呪いをかけられたっていっただろ。」

「だから、引っ越して」

「違うんだよ。不死の呪いもかけられてる。だから、いつかは俺は独りになる。ごめん、いえなかった」

「くそぉー、忌々しい女だ」って親父が酒をいっきのみして、更にグラスに酒をついだ。
俺もずっとそう思ってるって。

「ルーク、お前は大丈夫なのか。いたく冷静だが、逆にお前が心配だ」
俺のことを心配してくれる親父。

「そりゃ怖いよ。いつか家族といられなくなるってのが嫌だし、それに1人になるのも。その後どうなるかなんて俺自身もまだわからないから、今出来る事をしたい」
なんとか俺の感情を説明する。

「そうだよな。俺だって嫌だからな。だから、先送りはあまり俺の性にはあってないが、アークの事は、家族全員でかんがえていこう。アーク自身のやりたい事させたいだろ?」
親父に、聞かれて頷いた。リリスも望んでる。

「だが約束する、もしお前がどうしてもいられなくなったら俺がなんとかする」
親父は真剣な目でいった。
「ありがとう」

「よし、今日はのむか。なんせ、カールが来たからな。」
俺のグラスにも酒を注いでくれて、カチっとグラスならして飲んだ。

ミドルネームはエレセント王国では滅多に使わない。
入っている場合、恩人だったり最も尊敬する名であると意味する。

聖職者の多くは祝福をうけた神の名をいれる事が多い。
だから、アークの名に親父の名が入った事は、名づけ親にとって親父は最も尊敬する人という事でかつその人のようになってほしいという意味をあらわすから、親父は物凄く喜んだわけだ。
クレセント王国のミドルネームは自動記入らしい。時間のある時にみにいってみよ。

◇◇◇
「ルーク、おまえ騎士団の復帰明後日からな。」
「ごめん、普通育休ってなかったっけ」

「ばーか、未婚のお前が使えるか、あとな、副団長のくせに2か月以上も休職させてやったんだから、働け。」
「えー、身体が」
「鍛錬は続けたよな」
「アークが生まれたあとはやってない」
「そっか、じゃぁ、明日はみっちりしごいてやる。それで、明後日復帰な」
明後日復帰は変わらないらしい。

「じゃぁ、復帰後は、お小遣い制じゃなくなるよな?」
「学園卒業するまでは小遣い制だ。」
「一児の父がお小遣い制って世間体がな」って俺がいうと「お前が世間体いうな」って突っ込まれた。

言い返す言葉なし。
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