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2章:ギルド編

本来の訪問目的の話をしよう

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無事、ギルドマスターのジムと面会中の俺たち。
とりあえず、銅像が立った経緯やら、なにやら聞いて破壊についてはどうでもよくなった俺。

「ありがとうございます。 って、まさか訪問の理由があの像の取り壊しとかじゃありませんよね」と焦りながら言うジム。
「そりゃ言いてぇーけどよ、人間社会の事だ、俺が文句いえねぇーしな」って言っておいた。
とりえあず、タバコをすって一服だな。 じゃないと、銅像の事が頭から離れない。
「今回の訪問理由は、黒帝の生まれ変わりってのがいるって話聞いてな、それの様子みだ。 
 あと、無理して敬語で話さなくていいぞ。 やけに高音になっから、笑い堪えるの必死だ。」って言ってやった。

「敬語は滅多に使わないもんで、助かるのじゃ。」ってようやく普通のトーンになったジム。
「生まれ変わりの事じゃが、傭兵団”漆黒の大剣”の団長のことじゃ。 
 当初ギルドにも来たんじゃが、偽物とわかっているが故に追い返した。 
 例の部屋も空けられなかったしな。 
 その団長、サディアスだかって名前なんじゃが、例の部屋が開けられない理由は、まだ記憶が全てよみがえってないからじゃと言い訳しておったがのう。 
 それに、あまりにも怪しい故、隊員としても採用せず一般ギルドカードのみ作成させたんじゃが、その後じゃな、傭兵団を立ち上げておる。 その当時から、どこで調べたんじゃが、何人か仲間がおってじゃ皆、黒帝の縁者といいはっておったんじゃ。」
俺以外にも生まれわかりがいるのか? イアン達の事か?
「それって、どういつらだ?」って聞いた。
「暗殺者殿の生まれ変わりという、小柄な少年と、リオンの生まれかわりじゃという銀髪の青年と、レイモンドの生まれ変わりじゃという茶髪のふつうの青年じゃ。 ただ、みな魔術なのか無演唱であったのは確かじゃ。」っていうジム。
「われ、少年か」ってリン。
「暗殺者は相棒ってだけで性別はわかんねぇーしな」って突っ込んでおいた俺。
「うん、俺はいないのかだぞ」ってシリル。 確かに、シリルの名前が挙がってないな。
「もしかして、シリル様なのか?」ってジル。
「そういや、フード被ってたな」といって、俺たち3人ともフードを外したらジムが驚愕した顔になった。
「伝承どうりなんじゃな。 シリル様については、歴史に一切かかれてないんじゃ。 
 シリル様の存在は隠匿しておって、代々王家の王、フリークス家の当主、そしてフローシア家つまり魔道国家の王のみ口伝じゃ。 なんせ、ご正体が正体じゃからな」っていうジム。
「お、そうなのかだぞ。 でも何でなんだぞ?」ってシリル。
「そりゃ、黒帝の縁者が魔王はないんじゃぇねー」って俺。
「ああ、その通りじゃ。 故に隠匿しておるんじゃ」ってジム。
確かに、人間って魔王は敵って考えるからな。 魔王のシリルの事は歴史から隠匿するしかないんだろうな。

「でもよ、リオンとライは弟子で、縁者じゃねぇーぞ」って俺が突っ込んでおいた。
あいつらは弟子だっただけだ。
「ああ、フローシア王に縁者ではなく弟子だったという事を確認して、彼らが偽物だと確信したんじゃ、ギルドはな」ってなぜか溜息をつきながらいうジム。

なんか、既に面倒ごとになってるのか?
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