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2章:ギルド編

王都騎士団が魔の森に来たみたい 前編

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俺たちが魔の森の拠点で、収穫を祝ってると、”ドーン”って地響きだ。

「シュン、来たみてーだぞ」ってエールを飲んでるアーク。
来なくてもいいのにな。 俺は、タバコに火をつけて一服だ。
「みてーだな。 様子みに行ってみんか」といいながら、戦闘服に着替え、同じくリンとシリルも着替える。
「イアス達の意見もききてーから、お前らも準備しろ」って俺。
「「「了解っす」」といい部屋へ行き数分後には戦闘服に着替えて戻ってくるのである。

「様子見だから、気配をけしとけよ」というと返答も聞かず、その場から転移で移動するのであった。

◇◇◇
シュン達が最初の地響きを聞く少し前、騎士団と傭兵団が魔の森に到着する。
行軍を組んで、森へ入ろうとするが、先頭の団員が見えない壁にあたる。
「団長、結界があるようで入れません」と報告するのだった。 
後方にいた団長とサディアス他傭兵団の幹部たちが前方へ移動し、検証する。
「大がかりな結界が張ってあるようです。 エタン、黒炎で破壊できるか見てください」というサディアスの言葉にエタンと言われた小柄な青年が「承知しました」といい、黒い炎をぶつけるのであった。

しかしながら、炎は結界にはじかれるのであった。
それと同時に、”ドーン”という音が響き渡るのであった。

それを見た、サディアス。
「皆で一斉に一か所に集中して魔法を攻撃してみましょう」というと、騎士団達が演唱をはじめ、火、風をメインに一か所に魔法を放つのであった。

その頃、魔の森の手前部分約2KMぐらいに転移し、各自木の上の枝に隠れ気配を消してその様子を探るシュン達。 会話は念話でしている。
シュン:「騎士団のやつら何やってんだ」
イアス:「たぶん、結界を魔法で破壊しようとしてるんっすよ」
シュン:「はぁ、神級以上の結界がはってあんのに、中級で一点集中してもやぶれねーぞ。 しかも、自動修復付きだしな」
イアス:「はぁー、なんすかそれ。 んじゃ、この結界を破る方法はないって事っすか?」
シュン:「魔術師でかつ神級以上の結界がはれる奴だけじゃねぇー」
リン:「シュンは解除できるのか?」
シュン:「出来るけど、無意味じゃねぇー」
ルイ:「ですよね。 あ、あの茶髪のキラキラした奴が、例の隊長の生まれ変わりってやつっす」
イル:「大鎌もってんのが、リンさんの生まれ変わりっていう奴っすよ」
シュン:「似てねー。。 確かに魔力あんけど、魔力量ってイアスと同じぐれーじゃねー」
リン:「大鎌もっていれば、われなのか。。 魔力量は、ルイとイルと同じぐらいだな」
シリル:「シュンさん、牛型の魔物が5匹くらい森からでていくぞ。 いいのか?」
シュン:「前層の魔物だろ。 大丈夫じゃねー。 他が暴れねーよ、アークに頼んでおいたしよ」
シリル:「なら、傍観だぞ」

◇◇◇

魔の森が刺激されて、魔の森の外にでていく魔物5匹。
「前方から魔物が森の外にでてくる。 皆、いったん退避して戦闘準備」ってサディアス。
「「おう」」という言葉と共に森から離れる。 すると、5頭の大型の牛が怒涛しながら向かってくるのである。 騎士団員達は、初めてみる魔の森の魔物の異形な姿に驚きながらあとずさりする。 
「ひるむなー」というサディアスの号令。
サディアスが地面ふれて何かすると、落とし穴が幾つかでき、大型の牛が落とし穴におち身動きが停止する。 すかさず、幹部たちが黒い炎、雷、火を放ち攻撃をする。 それをみて、騎士団達も槍でつついたり、火、風魔法を演唱して攻撃する。 

30分以上経過し、みなが疲弊したころようやく5頭の牛も絶命するのだった。

「サディアス様達のおかげで怪我人も出ず無事です。」って騎士団長。
「皆の団結のおかげです。 噂通り、魔の森の魔物は、他と比べて凶悪な魔物が多いようです。 
ただ、結界のおかげか刺激しなければ大丈夫そうですね。 きっとこの魔物は魔の森内でもかなり強いほうの分類でしょう。 でなければ、他の魔物も出てきたはずです。」と断言するサディアスだ。
「では戦利品として、一頭のみ、もちかえり、あとは浄化するというのはいかがでしょう?」という騎士団長。
「ええ、ではよろしくお願いします。 数頭ですので、浄化は無用です。 
 今日は、このまま野営のにもどり、明日帰路しましょう。」というサディアスの提案に、騎士団長はなにもいわず騎士団員に指示し各々野営の地へ戻るのだった。
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