【白銀の黒帝:4】精霊と無能者

八木恵

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2章:孤児院編

辺境の孤児院での生活 前編

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それから、1か月の間、マリアの虐待をはじめ、子供たちのイジメが続く。

まずは穴の開いた桶を持たせわざわざ遠くの川からの水汲みを規定量に達するまで往復させる。 
しかも靴ははかせず裸足でいかす。 
そのため、授業には参加できないのにも関わらず、マリアが授業に参加しない罰として、鞭でたたくのである。

与えられる食事は、他の子どもとは違く、くさりかけた茹でただけのジャガイモと少しカビのついたパンを1日1食与えるのであった。 
他子供たちからは、2人をみると激しく罵しられ、石を投げつけられる。
まだ、はじめのほうは体力があったため、剣術をならっていたリオンは子供たちに反撃するが、その度にマリアに理不尽な理由を言われて叱咤される。 
そして、縄で拘束され、子供達と一緒になって殴られる、蹴るの暴行。 
もちろん、レイモンドも連帯責任という理由で同じ状態。

毎朝、子供達の起床時間前にマリアに冷水をかけられおこされ、夜は、殴るけるの暴行を受け、寝る場所は外から鍵がかかる倉庫で逃げられないようにされる。 
服は当初のまま着替えはない。 
そして、抵抗する体力も徐々になくなり始めると、2人は子供達の魔法の練習台にされたり、ただただひたすらに、執拗なまでのマリアの虐待と子供たちの暴力を受け続けるのであった。

意味の分からない執拗なまでの暴力と虐待を受けても、次の日の朝にはギリギリ動ける状態になっている。 
その間、こっそりとリオンがレイモンドに剣術を教えるのであった。

そして、今日も夜のマリアの暴力が終わり、倉庫の鍵がかかる音がする。 
傷つき、倒れている仰向けに倒れている2人。

「なぁ、なんでここまで俺ら嫌われるんだろうな。 レイ」
「ああ、わからないけど、嫌われているっていうのはわかるな。 リオン」
「悔しいよな。 俺、このまま死ぬのは嫌だ。 なんとか強くなりたい!」
「うん、僕も悔しいいし、死にたくない。 それに強くなりたい!」
「でもさ、俺まだレイがいるから、耐えられるけど、1人だっったらって思うとどうなってたんだろう。」
「はは、リオン、それは僕も同じだ」
「「2人で強くなろう」」といいお互いの拳を合わせるのだった。

すると、倉庫の鍵が開く音がし扉が開くのだった。 
2人はマリアが戻ってきたと思い、条件反射で身体が硬直する。 
倉庫の中は真っ暗で、まったく見えないので2人は徐々に近づく足音にビクっとなって怯えてしまう。

「カールですよ」という声が聞こえて、回復魔術をかけるのであった。 
2人は、先ほどまで体中に走っている激痛が徐々にやわらぎ、痛みがなくなった事に驚いてしまい声がでなかった。

そして、真っ暗だった倉庫が少しあかるくなり、2人は自分達の近くにしゃがんでいるカールの姿を目視して、上半身だけ起き上がるのだった。
カールは微笑みながら、優しい口調で、そして小声でいう。
「先ほど戻りました。 マリアは、本来優しいのですが、上級精霊と契約しているのです。 
 やはり、こうなりましたか」と微笑みながらいう。

それを聞いて、唇をかみしめるリオンとレイモンド。 
「わかっていて、俺たちを預けたんですか?」と怪訝な表情でカールを見つめるリオン。
「ええ、そうですよ。 言いましたよね、どれ程嫌われているのか現実を見てもらうって。」
「それでも!」と訴えるレイモンド。
「殺されてないんですから、ましでしょ」と、それが何かという顔のカールに、文句も言えなくなる子供達だった。

「にしても、あなた達、臭いですね。」と言い放ち、
「私の部屋の浴槽で洗いなさい、着替えも用意してあります」といって、
2人を立たせカールの部屋のお風呂場につれていく。
 
既に、お湯もはってある。
1か月間、お風呂にはいっていない彼らが浴槽で洗うと、あっというまにお湯は茶色になる。 
2人はお互いを洗い、綺麗にするのであった。 
お風呂から上がると、寝間着が用意してあり、着替えるのであった。

着替え終わって、カールの部屋にいくと食卓にはスープとパンが用意されている。
ゴクリと唾をのむ子供達。
「急に食べると胃に悪いので、スープを用意しました。 さぁ食べなさい」というカールの表情は優しく、そして、頷く子供達は食卓に座りもくもくと食べるのであった。 
久しぶりの温かい食事に泣きながらたべている子供達だ。

食べ終わると、
「さぁ、今日はもう遅いですから、そこのベットで2人で寝なさい」と促されて、子供達は1か月ぶりのベットに横になったらすぐに寝てしまうのだった。

眠る子供達を様子を見て、
「まずまずですかね。 これから、更に厳しくしないと。 
 あの方の地獄のしごきに耐えられるようにしなきゃ。 本人は地獄だと思ってないでしょうが。。 
 荷が重いです。」と独り事をいうカール。
「というかですね。 あの方、毎回毎回、数百年ぶりに現れては言う事だけ言ってさっていく。」と愚痴り、
「はぁー、そういう人って分かっているのですが。。私も私でついつい従っちゃうんですよね。」とまたごちるのだった。
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