【不遇転生：3】悪役子息と魔神 ～いい加減、ループから脱出したい～

5章：死亡フラグ回避

ハロイドの目覚め

俺ハロイドは、魔神に身体乗っ取られて初めて記憶がない。
あれから何が起きたんだって、まさか、また死んでループか？　まじ勘弁だよって思いながら、目を開けた。

目を開けたら、俺の寝ていたベットの横には、デニスとジョンがものすごく心配した表情を浮かべている。
ループしてないのか？　枕元には、ヌトも寝てる。
いったいどういう事だ？

「ハロイド様、よくご無事で」ってデニスが涙目で涙流してる。　目も赤いし、目元にも隈ができている。　どうやらほとんど寝てないようだ。
「ハロイド様、起きてくれてよかったぁ～。　俺、すぐ料理つくるから」って、同じく泣いていたジョンが、涙を拭いながら部屋から出て行った。

だ・か・ら、今どういう状況なんだよ。
ループ脱出したのか？　まったくわからん。　戦争は？
「俺、どんな状況だ？」　ヌト寝てるし、聞くしかない。
「今、本邸で、ハロイド様は戦争のあと2週間は起きなくて、心配してました。あの日、倒れたハロイド様を横で眠る黒い鳥が連れてきてくれました。」
「そうか、ヌトがか。　　んで戦争は？」
「こちらの情報では、帝国が王国にその日に圧勝、捕虜になった4騎将の子息子女1万名は死亡とだけです。　ロイド様、ヒルダ様は、今、戦後処理で、帝都にいます。」

帝国が勝ったって事は、アシュリーっていうか、アシュリーを依り代にしていたあの女が死んだって事だよな。
そんな事考えていたら、ジョンが、チーズリゾット作って持ってきてくれた。

「チーズリゾットか。」
「なんか、これがいいかなって思ったんだ。」
一口食べた俺は、あの日、魔神に会ったとき食べたリゾットと同じ優しい味がした。
「ああ、美味しい。」
食事後、まだ身体が怠くて、また寝た。
数日は動けず、静養した。　ヌトも寝たままだ。　
だから、あの時俺に何がおきたんだぁ～って、魔神とのリンクも切れていていまだにわからん。

それから、ようやくふつうに動けるようになった俺。
いつも通り、日課やら、もろもろの事をこなしてた。　




そして数週間後、帝都っていうより、皇帝に呼び出された。