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2章:白銀の黒帝の誕生

国王との謁見 前編

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国王との謁見の日。

王城まで、ジルに連れられてきたシュンは、0番隊隊長コートのフードを目線まで被せており、顔を出さないで歩いている。

シュンは、シュンの部屋以外は常にフードを深く被っており顔を出さないようにしている。
理由は、ますます、眉目秀麗以上の綺麗で超絶なイケメンぶりに成長しているシュンの容姿は、容姿をみたものがすれ違がっただけで、勘違い女が誕生してしまうほどであった。

ちなみに、リンだけはシュンの素顔をみても平気である。 それ故に、リンはシュンと同居する事ができたのであった。 シュンが隔離されている理由は、そう、狂愛状態の女性を出さないようにするためだったのである。

◇◇◇
ジルに連れられて謁見の間までの道すがら、俺はジルに任務内容を確認した。

「今日の任務は、王という名前のやつの話聞いて、帰ればいい?」

「そうじゃ」

ジルは、ジルで、心の中で、今後は帝会議などもある。 ますます人間と関わる立場になるため、礼儀よりも前に一般常識を教えなけば。 きっと今も、王っていう名前だと思っておるみたいじゃし。。
儂 溜息しかでないのじゃ。。

謁見の間に到着すると、少ししてから、扉が開けられた。
俺は、ジルに言われるがまま、後についていこうとするが、”臭い”。。。
ジルに念話する。

シュン:「女臭い。 帰りたい」
ジル:「駄目じゃ。 我慢せい」
シュン:「消臭魔術かける」

そう、謁見の間には、帝の任命にしかも帝は新たに設けられた地位でかつ帝国軍との戦いで貢献した噂の0番隊隊長である。そのため、滅多に姿を現さない0番隊隊長に興味津々の貴族やら騎士団、宮廷魔法士など女性も含めジルの想像以上に人が集まっていたのだった。

人嫌いのシュンにとっては最悪な場所で、かつ女臭いのであった。

謁見の間である程度進むとジルが跪く。
俺は、何しているのかわからないので、そのままジルを眺めていた。

ジル:「わしと同じようにしろ。 あとは何も言わないでいい」

俺は渋々ジルと同じ格好で、ジルの後ろにいる。
すると前方に豪華な椅子に座って、頭には飾りを載せている偉そうなおっさんがいた。

「楽にせい」

「仰せのままに」
ジルが頭を上げるのを見て、俺も同じようにした。
ジルは総帝ローブでフードを被ったままだ。 俺もフードを被ったままっていうかフードは外したくないのでそのままだ。

確かジル曰く、帝は個人を特定されないため、謁見でもフードを被り顔を隠すらしい。
でも、帝は、王からの任命のため貴族出身者や、ギルド所属が多く、王や貴族たちも含め暗黙の了解のように素性を知っているらしい。 俺の素性は、ジルと隊員達しかしらない。 

すると、前方の偉そうのおっさんが、傲慢な態度でいうのだった。
俺は傲慢な奴が嫌いだ。 早く帰りたい。

「その者を、帝国軍との戦いでの多大な功績を認め帝の地位を渡す。 その者の地位は、黒帝とする。」

「ありがたき、幸せ」

ジルが答えてくれた。 俺は何も言わなくていいっていう約束を守ってくれているらしい。
が、おっさんはなんか怪訝な顔をしていた。

「うむ、今後とも王国のために尽力するように」

「御意」

ジルが頭を下げたのを見て、俺もジルの真似をして頭を下げた。
っていうか、王国のために尽力って、今回は任務だからやった事だ。 関係ないだろ。 俺は任務だから動いただけだ。 それ以上もそれ以下のない。 あー、もう帰りたい。

偉そうなおっさんの隣にいた、筋肉隆々の男が口を開いた。 ジル曰く、騎士団長らしい。
「こんな、小柄なものが、ギルド最強と言われている0番隊隊長の白銀だと。 俺は信じぬぞ!」
「フードを外して証拠を見せろ」
「「そうだ」」

ちょっとまって、俺って小柄なのか? 最近、身長を気にしてるから、その言葉は気になるんだけど。。
あ、でもギルド部屋以外はフード外すなってジルに言われているし、女いるから嫌だ。。
前にアークに言われたんだ、女が近寄ってくるのは俺の容姿のせいだって。 自分じゃわからないんだけど。。 でもさ、俺がフード外して顔見せたって意味ないだろうが。。。証明にならないし。

「断る」
だから、俺は低めで冷淡にいった。

「0番隊隊長のコートを着ている時点で、この者が0番隊隊長じゃ。 そして、帝となった今、帝は個人を特定されないように守秘義務がある。 そのため、この者の顔を露見する事は許されぬ」

ジルが俺が機嫌の悪いのを察したのか、フォローしていう。

「総帝の言っていることは正しい。 だが、ここに集まっている者たちには箝口令ひいておる。 どうじゃ、儂の願いとして、その者の顔をみたいのじゃ。 聞いてくれるぬか?」

偉そうなおっさんが言うのを聞いて、俺は再度断った。

「王の願いを聞けぬのか」
「王国に対して忠誠心はないのか」

周りの人からさまざまな言葉が飛び交うのであった。
俺は、へぇー、おっさんが王ってやつかと思いながらも、周りの騒がしい奴らの横暴な態度だんだん嫌気がした。
だから俺は、もうこの場から立ち去るつもりで、立ち上がった。
すると、ジルが俺の腕を掴んできやがった。 もう帰りたいんだって。

「わかった、顔を露見する事はあきらめる。 じゃが、名前だけども教えてくれぬか?」

俺は名前いっても、意味なくねぇーと思い、無言のままいた。
ある程度沈黙が続いたのだった。

「おぬしの素性については、今回はあきらめることとする。 本題は、褒美は何がよい。」

俺は褒美なんて興味がない入らないし、ただただ帰りたい。

「イラナイ」
そして、ジルの腕を振り払って、その場で転移してギルドの部屋に戻る事にした。
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