【白銀の黒帝:1】最強のギルド隊長は、人に興味なし

八木恵

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3章:学生編

合宿最終日 前編

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合宿3日目。
既に生徒達は、朝食が終わり帰宅の準備を始めていた。
その頃、朝方まで警備で起きていたリンは仮眠中である。
俺は、リンが寝ている部屋にある机で、コーヒーとタバコをセットに、せっせと魔法陣を書いている。

本来は、ここから1番近くの街までグループ単位で歩いて、そこのギルド支部から学園に帰る予定だったが、昨夜の出来事で疲労困憊の生徒や、まだ気絶中で起きていない生徒もいるらしい。 救護用として用意した転移魔方陣では、気絶した生徒全員を転移する分は足りず、行きのような転移魔法陣を用意しても、教師達の魔力では足りないので、小規模かつ燃費の良い転移魔法陣をせっせと作っている。

これを作れば、このまま直接ギルドにイアン達と転移で戻れる。 今朝方ジルに転移魔法陣の作成依頼を受け、またギルドに報告に来いとも言われてた。 理由が理由で、俺は渋々作っている。 そのため時間がかかってしまっている。 ただ、ここは魔術バカ。 燃費改良なと細工を入れ始めていたのだった。

するとカイが部屋の前まできて、部屋のドアの前であくびをしながら聞いてきた。
「隊長、魔法陣とりに来たんですが、できました?」

「ワリぃー、改良とかしちまって、あと10分くれ。 同じもの何枚も書くのめんどくせぇー。あ、これを、あーして あ、出来た」と言ってドアを開いて、俺はカイに出来上がった魔法陣をわたした。

シュンは、魔法陣複写の魔術を作ったのだった。 10分が、あっという間にできたのでビックリしたカイだが、きっとまた何かしたんだなと思い、ツッコむ事もせずお礼をして今後の予定を伝えるのだった。

◇◇◇
一方、既にグランドに集合した生徒達。
前には、イアンとサルがおり、カイが走ってくるのが見えた。
この集団の中で一番元気なのは、昨夜一番働いていた0番隊達だ。 そんな姿に、ある意味尊敬のまなざしが向く。

そんな尊敬の眼差しを無視してイアンが話始めるのだった。
「えー、本来、歩いて近くのギルド支部の魔法陣を使って帰宅する予定だったが、昨日の襲撃で疲労困憊の生徒さんと先生が多いって事で、急遽グループ単位で移動可能な転移魔法陣を用意した。1回限りの魔法陣で、行先は学園。 グループで一番魔力量のある人が起動する事。
 不安だと思うんで、まず、最初にグラン先生と数名先生と一部気絶してる生徒さんが転移して、合宿所にもう一度グラン先生には戻ってきてもらうっす。 我々ギルドメンバーは、君達とはここでお別れっす。」

イアンの発言を聞いて生徒達が騒がしくなり、口々に質問をし始めるのだった。
そのため、グランの実演ができないでいた。 身体は疲れていても、口は動くらしい。 イアンはイアンで騒がしい生徒達にうんざりしつつ、隊長が此処にいないくて良かったとも思っていた。 何をしだすか分からない。 まぁ、その前に隊長がこんな大勢人がいる所に来るわけもないんだが。。

そんな、生徒達の質問は、
「襲撃の前に、転移魔法陣は用意できかなかったのか?」
「そんな、魔法陣は聞いた事もない!」
「黒帝はどこにいるのか? 本当にいたのか?」
「魔法陣は買えるのか?」などが多かった。

グランは、昨夜の襲撃で守られたが側が、魔法陣まで用意してもらっているのに感謝の言葉もない。 守られて当たり前の態度の生徒達に怒りしかない。 きっと、この魔法陣もシュンが用意したのだろうという想定もあった。

「お前ら、感謝の言葉はないのか! この方々のおかげで、昨日は守られ、今日も安全に帰れるんだぞ! 質問の前に、お礼だろ!」
そんな感謝の意も見せない生徒達に向かってグランは怒りをあらわにしたのだった。

生徒達は自分達の行動に恥ずかしく思ったのか、一斉に「「「ありがとうございます」」」というのであった。

「あー、別に感謝なんていらないっすよ。 隊長もふくめて任務っすから。 それに、滅多に会えない神獣と対峙したんで、隊長楽しんでいたみたいですし、俺らも楽しんだで。 この魔法陣も今朝方隊長が任務でしゃーなく用意したみたいっすからぁー。 これ、全部隊長が用意したもんすから、売ってませんし、買えませんよ。
 特に邪な考え持った人、何をしても手にはいりませんよ。 なんせ、うちの隊長、この国との関係は任務以外不干渉ですから。 先生方も魔法陣みても、どーせ理解できませんよ」

普段通りのトーンでいうイアンの表情はニヤリと笑みを浮かべている。

その言葉に、各々が黒帝が魔法陣を作れるという情報に驚くのと、魔法陣をみても理解できない生徒、教師陣。 教師陣は、その陣の綿密さに魔法師としてのレベル違いとその凄さを実感していた。 

そうこうしているうちに、ようやくグランの実演もつつがなく終了し、各生徒は合宿所から学園へ転移していくのだった。
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