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1章:冒険者育成学園

今の歴史の解釈

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シリルが転校して2週間が経過。 
シリルの実力はクラス内で認められている。 本人は興味ないので、スルーしているが。
そんな、ある日の歴史の授業である。

エイダスが講義をする。
「今日は、魔王襲撃に関しての復習にします。
 まず一番古い記録でいうと、現商業都市が帝国と呼ばれた時までさかのぼります。
 1万年くらい前ですね。その時に予兆があり、一日で100万の魔物と30万の魔物が同日に王国に襲撃し、その際は今も欠番となっているギルドの0番隊の5名で討伐したとあります。 
 その際に率いていたのが、今も最後のランクXとなっている0番隊隊長の白銀の黒帝といわれています。 
 ギルドは、0番隊の存在と黒帝の存在を認めていますが、歴史研究家によると同日でたった5名で討伐というのはありえないという事から架空ではないかともいわれていますね。 
 というのも、その後の魔王襲撃では0番隊の隊員3名は参加したのですが、0番隊隊長 白銀の黒帝とその相棒といわれていた2名は参加していないという記述もあり、隊員3名のうちだれかが成り代わっていたのではないかという諸説もあります。魔王襲撃の際もギルド隊員他王国軍により撃退したとあります。

そして、2回目の魔王襲撃については、今から2000年前です。 
 これも同じく予兆があり、魔物の氾濫があいつぎました。 記録では、150万の魔物と30万のまぞくを率いる魔王が襲撃し、この際は、当時存在していた竜騎士と女神さまの使い魔をもつ英雄ヴィンス・スキナー様他帝たちと当時の王国軍およびギルド隊員達の力で撃退したとあります。」

「アンカー先生。 なぜ、英雄様はランクXにならなかったのですか?」と生徒が質問をする。
「それはよくわかりませんが、当時の国王とギルドマスターそして魔道国家の国王が反対しとの事です。 ランクXについては、当時はこの3名の合意は必須条件です。 今は国王とギルドマスターの同意が必要とされています。」と説明し、再度、授業を進めるのである。


「また、近年でいうと30年前の地殻変動で、魔大陸とこの大陸の一部がつながり、4年に1度3日間だけ陸続きになりました。 
 その際、魔大陸の魔王の軍勢が奇襲により商業都市が壊滅状態になりました。 
 しかし、王国軍および傭兵団による援軍により防戦撃退しました。 それから、4年に1度の争いが続いていますが、現在は休戦となりましたが、残念ながら魔大陸の魔王からの宣戦布告により、来年のちょうどこの時期に戦争となります。 
 ギルドや学園長もそうですが、魔大陸の王は、魔皇帝であり魔王ではないといっています。
 しかしながら、歴史研究者達によると、魔王は魔大陸にいて、撃退されるたびに魔大陸にもどり勢力を整えて襲撃しているという説が多いです。 
 さらに、今回、大陸が繋がった事によりこの大陸にせめてきており、我々は来年全精力をもって撃退いや討伐しなければいけません。」
と最後は熱をこめていうのであった。

すると、紺色の髪の男子生徒1人が立ち上がる。
「そうです。 僕たち6名はそのためにこの世界に召喚されました。 使命を全うします。 
 ただ、僕たちだけでは無理です。 みんなの力が必要です。」というと、王女らしき人が立ち上がる。
「アンソニー様のおっしゃる通りですわ。 魔族を魔王を亡きものに、皆さまの協力が必要です!」というと、シリルを除く数名以外のみんながが拍手喝采であった。

「静かにしてくださいね。」とエイダスがいうとみな静かになり、立ち上がった生徒達も着席する。
それを確認しエイダスが、
「あと数か月で皆さん卒業となります。 卒業の進路は様々だと思いますが、どうかよく考えてくださいね。 では、今日の授業はこれまでです。」と言って終わるのであった。

◇◇◇
「シリル、お前って卒業したらどうするんだ?」ってエドガー。
「うん、実家にもどるぞ」
「え! お前傭兵団とかギルド隊員とかにならねーのかよ」大声でいうエドガーだぞ。 驚く事なのかだぞ。 
「うん、ならないぞ。 興味ないぞ」って俺だぞ。

俺、魔王だぞ。 
魔界に帰るに決まってるんだぞ。って心の中でつぶやいておいたぞ。

それにしても、俺ってもうここに時間軸でいうと1200年、魔界軸でいうと400年生きているって事かだぞ。 
って、シュンさんたちは1万年以上だぞ。改めて、時間軸が狂いまくっている自分達に気づくシリルである。
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