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1章:冒険者育成学園

対抗戦

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そして対抗戦の日、案の定忘れているシリルはエドガーに突っ込まれるのである。

「来賓に、国王に騎士団長に、そこらじゅうの傭兵団の団長まできてるぞ。 王国本部のギルドマスターもいる」と言っているエドガー。
「なんでだ?」と聞いておく俺。 
「大体実力のある生徒を勧誘するためにくるんだけどな。 国王までくるのがわかんねー」と説明してくれたぞ。

対抗戦は始まっていく。
Sクラスはシードで2回戦目からである。 シリルは順調に勝ちすすみ、Sクラス同士の対決で適当に負けておくのであった。

すると閉会式で、騎士団長が言う。
「今から名を呼ぶものは、この後隣の会議室に来るように」といわれ、20名ほどの生徒の名があがる。 
その中にはシリルの名もあった。 
「シリル、なんだろうな?」ってエドガー。
「うん、わかんないぞ。 いってくるぞ」といって会議室にいく俺だぞ。

会議室には、国王、騎士団長、学園長のモリスそして王都本部のギルドマスターがいた。
シリル含む生徒達は会議室の中で整列させられている。 
「君達は、特に卒業の進路が決まっていないと聞く。 卒業後はみな騎士団に所属してもらう。 これは、国王命令だ」と告げる国王。

シリルを除く生徒はその場に片膝を膝まついて「「ありがたき幸せ」」というのである。

俺、シリルは立ったままだぞ。 
「うん、嫌だぞー。 興味ないぞー」と言っておく俺だぞ。 そんな俺の言葉に、周りは騒然となる。 
国王はシリルの回答に顔を真っ赤にし、そして騎士団長が「きさま、国王命令だぞ!」と騒ぎたてる。
 
一方、モリスとギルドマスターが会話をしている。 
「国王、彼のペンダントの紋章はご存知ですか?」と聞くのはギルドマスターである。
「知らんぞ!」
「伝承は途絶えていたようです」と溜息をつき、「古の盟約にもとづき、今回のご訪問の目的をお伺いできますでしょうか?」と言われたぞ。
「手紙あずかってるぞー」といい、ギルドマスターに手紙を渡す。
「おれ、帰るぞ。 あ、学園長、まぁまぁだったぞ」といってその場から転移で帰ったぞ。

唖然としている中、モリスが苦笑するのだった。
「さすがじゃ。 あの方の縁者には結界が意味ないみたいじゃ。」
「縁者も伝承通りですね。」と笑うギルドマスターのであった。 
「何がおきた! 説明しろ!」と怒鳴る国王。

そんな態度にも、盟約を忘れた王家に対する忠誠心を失うギルドマスターは苦笑いするしかない。
「説明しますが、騎士団長ほか関係者や生徒を退席させていただけますか?」というギルドマスターに、騎士団長が「わしにも話せないないようなのか!」と怒鳴るのだった。
「古の盟約に従って、はなせません」と、威圧しながらいうギルドマスターである。
「わかった、退席しろ」という国王の命令で、騎士団長や他生徒達等は退席していく。

部屋にいるのは、ギルドマスター、モリスそして国王の3人である。
そして、ギルトマスターが口を開く。
「先ほどの紋章こそが、黒帝の紋章です。 そして国王よ、この言葉はご存じか。 
 『0番隊隊長 白銀の黒帝は、この世界の傍観者で調停者である。 
 人間の味方でも敵にもなりうるが、黒帝の怒りかう時は、己の罪を認め裁かれよ。 
 なお、黒帝には、不干渉かつ命令してはならぬ。 それは、黒帝の縁者もおなじである』」

「迷信だ!」という国王
「迷信じゃありません。 お手紙が王宛にきておりますよ」というモリス。
「ええ、このように」といってギルドマスターが、王に手紙を渡すのであった。

手紙を開く国王は、青ざめる。
「うそだ。 なぜ知ってる。 迷信だ!」と叫ぶのであった。

◇◇◇
その翌日から、シリルは学園にこなくなる。 
そして、あったはず『ボブの食堂』も誰も気づく事なく見つけることもできなくなるのであった。

◇◇◇
ここは魔の森のログハウス、バーベキューの準備をしながら、エールを片手にタバコをふかすシュン。
俺シュンが「お、戻ったか」というと、シリルが「ただいまだぞ」といって、シュンからエールをもらう。 

俺がエールをのんでいる。
「説明はしてきたぞ。 信じるか信じないかはあいつら次第だぞ」ってシリル。
俺は、ニヤリと笑い、「その時は、俺らの出番だな」という。
「だな」ってリン。
「ですね」ってゲール。
「だぞー」とシリルは笑っている。 


「シュンさん、肉まだなのか?」とシリルに聞かれた。
俺シュンがタバコをふかしながら「もうちょっとだ。」といい、「当分の間、ここでのんびりだな」とニヤリ笑うのだった。

大分、下準備も整ったな。
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