【白銀の黒帝：7】女神の使い魔と無職の少年

4章：学園編

ギルドランクBの試験 中編

そして夜も更けたころ、盗賊アジトの討伐にむかう即席パーティー。

アジト近くで俺シリルが索敵すると、中には29名おり、5名が牢屋、3名が寝室にいて、21名が宴会場にいた。　
リーダーである傭兵団の男の計画は、シリル含めた男4人が洞窟内にいる盗賊の討伐、女性2人が見張り台にいる盗賊の討伐と牢屋の解放が役割となる。　
女性2人はうち1人は弓で、もう1人は風魔法で少し離れたところから攻撃する。　
見張りの討伐後、全員で洞窟内に行き、俺シリルが寝室の3名、他男性3人は宴会場、女性2人は牢屋で解放後、宴会場に合流する事になっている。　
討伐中の会話はみなが念話を使えるという事で念話でする事になっている。


さっそく、計画通りに行動を開始。
シリル達4人が洞窟近くに移動し、傭兵団の男の合図で女性2人が見張りを討伐する。　
2人は即死したが、1人は重傷だった。　
傭兵団の男が、パーティーの男1人に止めを刺すことを命じると、その男の顔色が青くなり、また手を震えさせながら殺害する。
その後、女性陣の合流をまって、洞窟にはいる予定だったが、初めて人を殺したのか男が嘔吐し、合流した女性陣も死体をみて嘔吐してしまったためしばらく待つ事になるのだった。

本来、念話で会話の予定だったが、不甲斐ない3人をみて、傭兵団の男。
「何のために試験受けてんだ！　殺さなきゃ、殺されるんだ。　気合いれろ！」と喝をいれる。
「ああ、大丈夫」
「ごめんなさい、もう大丈夫」とそれぞれが少し顔色がよくなり、目に力が入っているのであった。
それを見て、ようやく洞窟内への侵入が始まるのだった。

洞窟内に入ると、俺シリルは気配を消し、寝室で眠る3人を口をふさぎながらナイフで首を切り殺害していく。　
数分で完了だぞ。　
すると、宴会場が騒がしい。　宴会場の討伐が始まったようだ。　
すぐ、俺も合流するが、盗賊たちも応戦しており数も減っておらず、かつそこまで広いわけではない宴会場での戦いは混戦しているんだぞ。
その様子をみて呆れながら、俺は短剣で次々殺害し、女性陣が来る前に討伐完了だぞ。

半分近くはシリルが殺したのだったが、殆どのメンバーは、自分の事で精一杯でシリルの討伐様子をみている余裕はなかった。　
だが、盗賊たちの死体を見て、理解したようで、躊躇なく殺したシリルを異質のように見る男女4人のパーティーで、コソコソ会話しているのだった。

すると、討伐完了の報告しにいった傭兵団の男が、試験官とコリーが宴会場にやってくるのだった。
宴会場の惨状を確認した試験官が、
「確認は終了した。　報告通り、討伐完了だ。　この中に浄化できるものいるか？」ときくと4人組のパーティーの女性の1人が手を上げる。

「みんなでここに死体を集めて浄化しろ。　
　なお牢屋にいた女性達については既にギルド隊員が保護し迷宮都市にむかっている。　
　倉庫の中については、明日ギルド隊員が回収し、換金後おまえらに均等に分配される」

こうして、皆で死体を集めるのだが、4人組パーティーは男女とも疲労と罪悪感からなのか、お互いに励ましたりと作業が効率が悪く、傭兵団の男にいろいろ注意されては動くという状態だ。
一方、俺シリルは、気にする事もなくもくもくと集め、最後は浄化して拠点へ向かうのだった。

拠点に戻る道中はみな静かであった。　俺シリルとコリーは、念話で会話している。
コリー：「どうだったすか？　俺ら以外との初の討伐は？」
シリル：「無駄な時間が多かったぞ。　嘔吐したやつがいて、回復するまで待ったりとかだぞ。　
あと、混戦になってたから面倒だったぞ。　人を殺して、なんで青ざめんるだ？　魔物の命も人の命も同じだぞ。」
コリー：「人間っていうのは、人の命のほうが重いっておもってるんす。　学園いけばわかるかもっすね。　でも、俺はわかんないっすが。」
シリル：「そうなのかだぞ。　俺も、やっぱわかんないぞ。」
コリー：「今日の討伐内容については、シュンさんに報告するっすよ。」
シリル：「まじか。　完璧だったといってほしいぞ。」
コリー：「無理っす。　そんな事いったら、俺が強制模擬戦になるっすよ。」
シリル：「ずるいぞ。」
コリー：「シリル、血塗れっすよ。　綺麗にしたほうがいいっす。」
シリル：「師匠ほどの洗浄魔術使えないぞ。　温水被って、温風でかわかしてみるぞ。」
といい、俺は温水を被り温風で乾かし綺麗にするんだぞ。