【白銀の黒帝:7】女神の使い魔と無職の少年

八木恵

文字の大きさ
117 / 128
外伝:魔王誕生

魔王城の城下町

しおりを挟む
城下町を歩いている俺シリルとドルクは手をつないでいる。 
俺は嫌がったが、魔族の平均身長は200CMで、40CM以上俺と違う。 
そのため、はぐれないようにってドルクに言われて仕方なく手をつないでるんだぞ。

城下町の店は店舗よりオープンテラスだったり、市場風である。 
道も整備されており、交通は路面魔道バスが行きかっている。 
朝だというのに人の交通も多い。 歩道の幅も広くなっている。

俺はキョロキョロしながら、城下町の様子をみている。
「お!人間社会と全然ちがうのだぞ」
「魔族はみんな背が高くておおきいぞ!」ってちょっと俺、興奮しているぞ。
「たまには町にくるのもいいでしょ」といわれたぞ。
「うん、ここならたまにならいいぞ」
混雑しているわけではないし、余裕があるんだぞ。 人間社会の町より全然いいんだぞ。

◇◇◇
そして、ドルクがシリルをオープンテラスのあるカフェの店につれていき、テラス席に座ると女性店員がメニューをもってくるのである。

すると女性店員がドルクに気づいてみたいだぞ。
「ドルク様、今日はトレル様とではなくて、こんな可愛いお子様と一緒なんて珍しいですね」って女性店員。
「坊やいくつ?」と聞かれたぞ。 
その時点、で不貞腐れている俺シリル。 返事はしないんだぞ。
「子供扱いされるのが嫌いなんですよ。 なので年齢もきかないでくださいね。」ってドルク。
「メニューもふつうのでお願いします。」
「すみません。 あまりにも可愛いので」といいながら、メニューを渡すのであった。

「シリル様の見た目がどうしても魔族だと6歳なので、許してくださいね」
「うん、わかってるぞ。 でも、慣れないんだぞ」といいながらメニューを見ている俺だぞ。
つい最近まで、人間社会では一応成人して18歳だったんだぞ。 魔族になったら見た目は、6歳って。。。 慣れないんだぞ。 
「無理に慣れなくてもいいですよ」というドルク
「うん、助かるぞ」といってニコニコしているのシリルをみて、ドルクは機嫌が直ってよかったと思うのと同時に可愛すぎるだろと思うのである。 
「そういえば、シリル様って、魔族語を読めるるんですね」
「うん、読めるぞ。 シュンさんと大魔王さんに教えてもらったぞ。 あと竜語も読めるし、話せるぞ。 
 元竜王さんから教えてもらったぞ。 邪竜さんも教えてくれたぞ」という俺だぞ。
 エッヘン。 言語は、シュンさんほど習得は早くないけど、ちゃんと勉強したんだぞ。

そんなちょっとドヤ顔になっているシリルをみてドルクは苦笑いしながら「さすがですね」というしかなかった。 

結局、魔族の料理を食べた事のない、シリルはドルクのおすすめにするのである。
「うん、人間社会よりおいしいぞ。 でも、シュンさんのほうがもっとおいしぞ」と素直な感想をいうシリル。
食後に、シリルがコーヒーを飲んでいる姿はギャップがあり、ドルクは苦笑していた。

お腹も満たされ、ドルクが会計をしているのを隣にいるシリルはニコニコしている。 
店員も店の中にいた客達も、みな微笑んで、お店を出るときには何人かに手を振られるのであった。 

「うん、なんで手をふってるんだぞ」と手をつないでるドルクに聞く。
「さぁ。 でも、シリル様が手をふってあげると喜びますよ。」
「うん、そうなのか?」といいながら軽く手をふると、みながなにかいって喜んでいたがシリルには聞こえなかった。 

ドルクは、この方は自分のかわいらしさに気付いてないんだろうなとおもいつつ、魔王城へむかうのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~

日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ― 異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。 強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。 ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる! ―作品について― 完結しました。 全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。

処理中です...