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第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
42話 “学園祭“・・・お話ししませんか?・・・
天華『アトリー、ソル達が例の“会“の女子生徒5人に引き止められて困っているようですが、どうします?』
(あー、いたね、そんな人達・・・こんな騒動があった後だから、僕はゆっくり話を聞いてあげられないからなぁ、ソル達に、彼女達の用件が何か聞いて貰って、後で返事を出すって感じじゃダメかな?(*´Д`*))
天華『そうですね、今の騒動に全く関係なさそうな人達ですから、早めに帰らされそうですし、その方がいいでしょうね、では、私からそう伝言しましょうか?』
(うん、お願い、僕、なんだが疲れたから、休憩スペースに行ってるよ・・・(*´ー`*))
“学園祭“が始まってから、立て続けに起こったトラブルに精神的な疲れがドッと押し寄せてきた僕は、天華やソル、大人達に後の事を丸投げして、少し一人になりたくて厨房裏の休憩スペースに向かったのだった・・・
「はぁ、疲れた・・・あ、そう言えば、サフィアスおじ様達、あんな事になったちゃったけど、予約していた料理、食べていけるのかな?」
裏の休憩室に行く途中、騒動が起こる前に、大型冷蔵庫から自分が出して来ていた料理の材料が作業台の上に乗っているの見つけ、ふと、思った、サフィアスおじ様達は騒動の処理で食べる時間なんてないんじゃないか?と・・・
(ご飯食べに来たのに、騒動の後始末のせいで予約したのに料理が食べられないのは申し訳ないな・・・持ち帰れそうな料理は適当な器に入れて持ち帰らせるか?(*´ー`*) ・・・うーん、他の料理も食材が余ってもアレだから全部使い切るか、タコ焼きとか作って置いたら持って帰ってもらえるかな?まぁ、要らないって言われてもクラスの皆んなで分けて食べたらいいし(*´Д`*)白身魚のフライも揚げて置いたら持って帰れるだろうし・・・)
と、自分が後始末を丸投げしたせいで、予約した料理が食べられないのは流石に申し訳ないと感じた僕は、何とか料理を食べさせてあげたいと思って、持ち帰りできるように用意しておこうかと考えていると・・・
ベイノルデン王女「デューキス様、お話がありまして、少しお時間よろしいでしょうか?」
「ん?あぁ、どうしたの?作業しながらで良いのなら・・・」
ベイノルデン王女「はい、構いません、私もお手伝いできる事がございましたら、させてください」
「ん、じゃあ、こっちの白身魚を揚げて欲しいんだけど、できる?」
ベイノルデン王女「はい、できます」
「・・・よろしく」(あ、してくれるんだ・・・てか、できるんだ・・・)
と、さっきまで食堂の飲食スペースの方で、“ベイノルデンの第5王子“と会話していた、クラスメイトの“ベイノルデンの王女“が、僕に用があるようで、話しかけてきたので、ちょうど、お持ち帰り用のタコ焼きや白身魚のフライでも作っておこうかな?と思っていたので、調理をしながらでよければ、と言ったら、手伝いをさせてくれと言って来たので、比較的作りやすいものをと思い、ソルの担当だった白身魚のフライを担当してほしいと言ったら、意外と嫌がらずに引き受けてくれた・・・
ベイノルデン王女「・・・・先程は愚兄を止めていただきありがとうございます。デューキス様がすぐに動いてくださらなかったら、大変な事になっていたでしょうから・・・」
「・・・うん…、気にしなくて良いよ、こっちに向かって来たから対処しただけだから・・・」
(今回はどう見ても僕目的だったからな、感謝されるのは申し訳ないなぁ、むしろ僕のせいって感じだし・・・( ̄▽ ̄)こんな時どう返せば正解なんだろうか?)
話があると言われたけど、作業をし始めてしばらくは黙って調理に集中し、しばらくしてからやっと向こうが口を開き感謝の念を伝えて来たのだけど、僕的には向かって来た敵に対処しただけで、誰かを助けたって言う意識はなかった、むしろ、僕を狙ってる“邪教“のせいで今回の件が起きたと思っているので、感謝されると複雑な気分になってしまっていた・・・
その後、これと言った会話もなく、ストックの食材が無くなるまで調理を続け、お持ち帰りできるように適度な大きさの器に料理を盛り付け、カウンター受付担当のクラスメイトに、持ち帰り用に包んだ料理を後で渡すように頼んで(*貝類の醤油バター焼は材料だけ包んでおいた)、後片付けを料理担当の皆んなでして、一通り作業が終了すると、今度こそはゆっくり休憩しようと、厨房裏の休憩所の方に移動し、コック服を脱いで制服に着替え、贈答品として貰った椅子に座り一息つくと、
ベイノルデン王女「お疲れのようですね。お好きな“抹茶ミルク“、作ってまいりましょうか?」
と、その時、ちょうど休憩所に来たベイノルデンの王女が、僕に気を遣って来てくれたので、
「え、いいの?」
と、すでに飲料担当も閉店作業に入り始めてるだろうし、僕だけが飲み物を作って貰って良いの?と思って聞くと、
ベイノルデン王女「えぇ、他の料理担当の皆さんにも飲料担当の者が伺って回ってますので、気になさらないでください。それに元々、飲料担当全員で“学園祭中“のクラスメイトの飲み物は、できるだけ自分達が用意しましょうと決めていたんです。・・・その、忙しくなると、皆さん、水分補給を忘れてしまいそうになるので、できるだけ気にかけるように、と・・・」
「そうなんだ、・・・確かに、皆んな作業に集中してると水分補給を忘れがちになっちゃうものね」
(確かに、厨房内ではちょいちょい、飲料担当の子達が他の料理担当の子にコップを持って話しかけていたなぁ(*´ー`*)じゃあ、その延長で最後の一杯的な感じか?じゃ、遠慮なく・・・ん?でも、僕は調理中は貰った事ないな、水…あ、でも、代わりに?って言って良いのか知らんが、差し入れでいつも“抹茶ミルク“は貰ってたな(*´Д`*)・・・)
最初、彼女が恩を感じて自分だけを気遣ったのか?と思ったのだが、どうやら、飲み物の提供は僕だけじゃなく、他の人達にもしているようで、元々、飲料担当の生徒達が、忙しい他の担当のクラスメイト全員を気遣うように、事前に打ち合わせで決めていたそうだ、それを聞いて僕は感心しつつ、それなら遠慮なく頼めるか、と思った、でも、少し記憶を振り返ってみると、自分が調理中にそんなことをして貰ったことはないが、たまに、“抹茶ミルク“の差し入れは貰ったな、なんて思っていると、
ベイノルデン王女「・・・まぁ、その点はデューキス様にはソンブラ様がおられたので、心配はございませんでしたが・・・、ですが、お疲れの際にお好きな飲み物を、と思いまして、勝手ながら“抹茶ミルク“をご用意させていただきました・・・」
(あっ、そう言えばそうだ、僕の水分補給はソルがいつも気にかけてくれていたな、だから、やっぱり代わりに?なのかな?差し入れに“抹茶ミルク“をくれていたのか( ̄▽ ̄)・・・気遣いのできるいい子だなぁ・・・)
何やら少し悔しそうに僕の調理中の水分補給はソルがしていたと言って、次は少し照れるように差し入れの事を話した王女、その言葉に僕もそう言えばそうだったなぁと思い出し、王女が調理中の僕だけに何もできなかったのを気にして、時々、僕の好物である“抹茶ミルク“を差し入れしてくれたんだなっと言う感じで納得した。
「そうか、いつも、美味しい“抹茶ミルク“を入れてくれてありがとう、じゃあ、今日も貰って良いかな?」ニッコリ
ベイノルデン王女「は、はい!今お持ちしますね!!」 ダッ!
「あ、急がなくていいよ?・・・行っちゃった・・・」(やっぱり、慌てん坊さんだなぁ(*´ー`*))
差し入れしてくれていた事を感謝し、今日の気遣いも遠慮なく受け入れて“抹茶ミルク“を頼むと、顔を真っ赤にした王女は急いで厨房に“抹茶ミルク“を作りに行ってしまった・・・
そして、数分後・・・
ベイノルデン王女「お待たせしました」
「あ、あぁ、ありがとう、わざわざごめんね・・・」(おや?ティーポット?にお菓子?)
戻ってきた王女の手にはティーポットとティーカップなどの茶器のセットが1組と、お茶請けなのかクッキーらしき物が盛ってある皿を乗せたトレーがあった、これまではティーカップ一杯をくれていただけなので、今回は本格的だなぁ、と思ってみていると、
ベイノルデン王女「あ、あの、よろしければ、お茶請けに・・・」
と、そう言いながら少しもじもじしつつ、結構な量の彩りが華やかなクッキーが盛ってあるお皿を差し出してきた。
その様子を見た僕はピンッと来たので
「もしかして、このクッキー、君の手作り?」
ベイノルデン王女「は、はい・・・そ、その形は悪いかもしれませんが・・・」
「そう、とても美味しそうだね、いただくよ。(しかし、一回分のお茶にしては量が多いな、いや、僕が少食なだけか、これは絶対余るぞ?余らせるの流石に申し訳ないしなぁ)・・・でも、僕一人で食べるのも勿体無いから君も一緒にお茶しないか?」
僕が察した通り、お茶請けにと持って来てくれたクッキーは、王女の手作りのものだった、確かに、形は不揃いなクッキーだったが、いろんな味の種類分けなのか、いろんな色をしていて、焼き色も言い具合で、とても香ばしい美味しそうな匂いがしていたので、有り難くいただく事にしたのだが、そのクッキーの量がとても僕一人では食べ切れない量だった、その上、自分が少食な事もあり、出された手作りクッキーはこの後の夕食の事も考えると、食べれてせいぜい2、3枚、流石に手作りのクッキーをたった2、3枚だけ食べて止めるのは余りにも失礼だろうと思ったので、この際だから、王女と一緒にお茶をして食べれば、僕の食べる量など気にしないのでは?と言う考えで、王女をお茶に誘うと、
ベイノルデン王女「えっ、い、良いのですか?」
「うん、君も今日色々とあって疲れているだろう?今、このお茶休憩ぐらいゆっくりしたらどうだい?それに、僕も、君に聞きたいことがあったからさ・・・ね?」
ベイノルデン王女「き、聞きたいこと??ですか??」
「そう、僕と似たような物をつけてるから・・・」
ベイノルデン王女「あっ、・・・はい、・・・カップを持ってきますね・・・」
王女をお茶に誘うと頬をピンクに染めて何か期待のこもった目でキラキラ輝いていた、でも、僕が誘った理由と、聞きたい事があると言ったら、少し不思議そうにしていたけど、続けて言った言葉に明らかに表情が曇って、少し俯き加減で自分の分のティーカップを取りに厨房に行った。
王女のその様子を見て、“(ありゃ、結構デリケートな話だったのかな?)“と思ってたら、急にジュールから念話が来た。
ジュール『アトリー、アトリーのお父さんが、お父さんはクラスメイトの人が用意してくれた飲み物を、食堂にいる皆んなが飲み終わったら、王様達と一緒に王城に行く事になったから、帰りは残ったお母さん達と一緒に帰ってね~って』
(あ、父様は事後処理の件でサフィアスおじ様達と一緒に王城に行くんだね。分かった、じゃあ、父様に“お仕事、頑張ってください“って言っておいて~(*´Д`*))
ジュール『りょうかーい』
(てか、飲料担当の人達、僕たちクラスメイトだけじゃなくって、食堂にいる大人達にも飲み物を出したんだ・・・あ、食べ物は持ち帰れるけど、飲み物は無理だもんな、人数分ってなるとかなりの量になるし、在庫が余っても仕方ないし、この際、全部提供しちゃおうってことか?(・・?)・・・)
天華『そんな感じでしょうね・・・』
とか、やり取りしている間に、王女が戻ってきて、軽く言葉を交わした後は、僕と自身の分の“抹茶ミルク“を最初持って来ていたポットからカップに注ぎ終わると、僕の真向かいにある椅子に暗い表情でうつむき加減に静かに腰掛けた。
「・・・うーん、最初に言っておくけど、僕は君の、えっと、ノリエラさん?の母国での立場的なものは全く知らないし、どういった扱いを受けているとかも知らないよ?ただ、僕が気になったのは、ノリエラさんがつけているブレスレットの効果がどう言ったものかが知りたかっただけだからさ」
この時、王女の余りにも何か思い詰めたような暗い雰囲気に、僕は彼女が何か思い違いをして、何か恐れているように見えたので、軽い感じで自分の思っていることを話すと、
ベイノルデン王女「えっ?私の噂をお聞きになった、とかではなく?ですか?」
と、彼女はキョトンとした表情で、明らかに予想外の言葉だったと思っている言い方をした。
そんな彼女に僕は、
「うん、ノリエラさんの噂が何かは知らない、僕は言い方は悪いかもしれないけど、基本的に他人の噂にはあまり興味がない、僕が今、興味があるのはノリエラさん、君が手首につけているような特殊な魔道具だけ」
結構、ぶっちゃけた感じで話し、続けて、
「その手首につけているのは、僕も幼少の時につけていた“魔力封じのブレスレット“と似ているから、同じものなのかな?と思ってね、もしくはもっと別の効果があるのか少し見せてほしいなって思った、本当にそれだけだから、そんなに気にしないで、僕から君の何かを非難するような事はしない「・・・っ、うっ」・・・クッキー貰うね?」
と、彼女のブレスレットに興味を持った理由も話し、自分は彼女に敵意や忌避感はないとそれとなく話したら、彼女が急に瞳いっぱいに涙を溜めて、泣きそうになっていた、自分が泣きそうになっているのが分かって、隠そうと顔を手で覆う彼女を見て、僕はその事に気づかないフリをして、用意されていたけど何も手につけていないテーブルの上のお茶セットから、先に手作りのクッキーを一枚もらう事にした・・・
(うーん、僕のかなり失礼なこの言い方に泣き出すほどとは・・・これまでの彼女の状況は、“オーク王子“や“ボレアースの王族二人“の言動からして、どうも、魔力に関わってるぽいな、多分、王室内の序列争いでの足の引っ張り合い?的なやつ?それとも権力闘争?みたいなやつで色々と冷遇されてたんだろうなぁ( ̄▽ ̄)・・・)
そんな事を思いながら僕がクッキーを一枚、ちびちび食べている間に、ひとしきり泣いた王女は、その後、自分の手首につけているブレスレットを外し、それをつけている理由をぽつりぽつりと話してくれた・・・・
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初めての投稿です。
よろしくお願いします。