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第3章 少年期 学園編
120話 魔法発動距離
ドコンッ!「「「「「な、何⁉︎」」」」」
少し離れた所から大きな音が聞こえた、それに驚いた人達がそちらに注目した隙に僕らは先に進み始めた。
ドラーゴサブマス「・・・・・なぁ、今の音、やったのはデューキス公子か?」
「ふふっ、はい、そうですよ」
不意に話しかけてきたサブマスにニッコリッ笑顔で答えた。
ドラーゴサブマス「・・・そうか。・・・あそこに魔物がいたのが分かっていてしたんだな?魔法か」
「えぇ、魔法です」
よく見ると好奇心旺盛な表情で音がした方を見つめているサブマス、どうしてあんな音が鳴ったのか分かった上でわざわざ確認してくる。
ドラーゴサブマス「どんな魔法を使えば、あれだけ離れた場所いた魔物を倒すほどの威力になるんだ?」
「・・・・そうですね、普通に“ストーンアロー“を放っただけなんですけど、僕は魔力が常人よりとっても多いので威力が強すぎたみたいです、ふふっ」
(多分あの辺りの地面は陥没して、クレーターになってんじゃなかろうか・・・気をつけよう・・・)
魔法を使ったのは分かっても、どうしてあんな威力だったかは分からなかったようだ、その答えを素直に僕が教えると・・・
ドラーゴサブマス「はははっ、確かに普通ではない魔力量だとは思っていたがこれほどまでとはな!それに今も常に感知系のスキルを全て活用しているんだろ?そこまでしておいて、何故近くに来たゴブリンを放っておいた?見つかる前に倒せただろう?」
心底興味深いものを見たといった表情で次の質問を投げかける。
(おやや、流石にバレてるか・・・、まぁ事実、ここからこの周りの魔物全てを倒せって言われたら出来ないこともないけど、それじゃあ面白くない・・・)
「はい、出来ましたけど、それじゃあダンジョンに来た意味がないじゃないですか、皆んなとダンジョンを巡るのが僕の目的ですからね」
ドラーゴサブマス「はぁ⁉︎それが理由か⁉︎」
「えぇ、そうですよ?」
ドラーゴサブマス「あそこまで言われておいて?」
「僕は目立つのが嫌いなんで」
天華『いつもながら、自分の評判には無関心ですねぇ』
(言いたい奴には言わせとけばいいんだよ、皆んなに害がないならそれで十分、相手するだけ時間の無駄ʅ(◞‿◟)ʃ)
天華『まぁ、そうですね、アトリーがしたい事の邪魔にならないなら、無駄な時間を割り裂く必要はありませんね、まぁ邪魔をするようなら容赦しませんが・・・』
春雷『お手伝い致します』雪花『私も!』
少し黒い事を言った天華にダンジョンに来てテンション高めの精霊達が同意する。ジュールや夜月も無言で頷いているのを見て、苦笑い気味に天華を撫でていると。
ドラーゴサブマス「いや、もうすでに目立ってるだろう?見た目で・・・」
「それはそうですが、僕は要らぬ争いは極力避けるタチなので、それに、僕が人の多い所で魔法を使うと危ないですし、やるなら武器使います、でも、僕が出る幕はそうそう無いですよ、皆んなが強いので♪」
ドラーゴサブマス「・・・あはははっ、お前さん変わってるな!そこまで自分の力を誇示しようとしないのは、冒険者として、いや貴族としても珍しいぞ!あははははっ!」
サブマスとしてはできる事をしない僕が不思議だったようだが、僕の返答を聞いて意外だと言った表情をした後に、先程コソコソ言われていた事には対処しないのかと思ったようだ、でも僕的にはそんな事に構っている暇があるぐらいなら、皆んなとダンジョンの探索に時間を使いたい、楽しむことが第一優先事項なので、思ったことを話したら、どうやらサブマスの笑いのツボ?にハマったようだ。
(多分、竜人族であるサブマスにとって、自分の持っている力を最大限アピールするのが当たり前なのだろう、それに冒険者は自分の力で食い扶持を稼ぐのだから、その力を誇らない僕の行動は不思議に思ったんだろうな、それに貴族の息子のくせに自分には凄い力があると、偉ぶらないのも不思議で珍しかったんだろうなぁ~・・・・・・でも、笑いすぎじゃねぇ?(。-∀-))
今だに大笑いするサブマスを連れて僕達はサクサク前に進む、この会話を父様は苦笑い気味に微笑みながら僕を見て、ジル叔父様は何とも複雑そうな表情で前を向いたまま歩いていた、イナオス達もこの会話が聞こえているだろうが、警戒を怠らないまま真っ直ぐ最初の目的地である、エジプト風の遺跡に向かって進んでゆく。・・・ーーーー
ーーーー・・・1時間後・・・
(いやはや、予想通り皆んなが苦戦するような魔物は出てこなかったな、出てくる魔物全部すぐにイネオス達の手で消えていったし、これはダンジョンの下層ぐらいまで僕の出番はなさそうだなぁ~)
ダンジョンの1階層の森の中をサクサク進み、目的の遺跡に辿り着いた、遺跡内に入り探索していくと、中はそれなりに広く、普通のスライムやゴブリンなどの魔物もそこそこ出てくる、でもそんなに強くは無いと言った感じで、2階層に続く階段までもすぐに見つけてしまい、そのまますぐに2階層に降りていった。
(まぁ、僕はじっくり遺跡内を観察することができて凄い楽しいから良いんだけどねぇ、でも皆んながそろそろ体力が切れるんじゃなかろうか?)
大人達は自分に向かってくる魔物はサクッと倒し、極力子供達の邪魔はしない、でも、危なくなったらすぐに手が出せるように警戒体制は崩さなかった。
ベイサン「ぐるるるうぅ~~~・・・・」
「「「「「・・・・えっ?」」」」」
父様「ふふっ、そろそろ、お昼ご飯の時間だね、何処かで休憩しようか」
ベイサン「は、はい・・・」
「「「「「ふふっ」」」」」
お腹がなったベイサンは恥ずかしそうに俯き返事をした、その姿が可愛くて皆んながつい笑ってしまった、そのことでさらに顔を赤くしたベイサン。
(何あれ!可愛すぎかよっ!!)
夜月『落ち着け、興奮すると感知が乱れるぞ』
(おっと、失敬、失敬、真面目に感知します・・・ん?)
「父様、あちらに複数の人の気配があります、多分、安全地帯か野営地だと思いますが、どうしますか?僕達だけで広い場所を探して結界を張ってから、休憩してもいいと思いますが・・・・・、?、人が走って、きてる?」
(何だ、これ?人の気配の動きが変だな・・・、安全地帯らしき場所に凄い速さで向かってきてる人達がいる・・・何を慌ててるんだろう?)
天華『アトリー、もう少し、感知の範囲を広げてみてください』
感知系スキルで周りの状況を把握していると、複数の人の気配を感知したので、ダンジョン内にある安全地帯が近くにあるのかと思っていると、何やら少し離れた場所から、人が走っている速度で安全地帯らしき場所に向かっているのに気づき、何をそんなに急いでいるのかと不思議に思っていると、天華に言われた通り感知の範囲を少し広げてみた、すると・・・
父様「アトリー?どうしたんだい?」
「⁉︎、父様、これは人が魔物に追われています、それも群れに!」
「「「「「⁉︎」」」」」
走ってくる人の気配の後ろから複数の魔物の気配を感知した、皆んなが驚き眉を顰めていると、サブマスが周りを見渡し、ジル叔父様が僕に質問してきた。
ジル叔父様「アトリー、それはどっちの方向だ?」
「はい、あちらの方ですね」
と、指差したのは、先ほど自分達が1階層から降りてきた階段がある場所を背にして見ての斜め左方向だった。
ジル叔父様「そうか、サブマス!」
ドラーゴサブマス「あぁ!分かっている!」
ジル叔父様とサブマスの様子がおかしい事に気づき、僕は感知の範囲をもっと広げた。
「⁉︎、・・・これは?」
(もう一つ人が集まっている場所がある、先に見つけた方の場所より人が多い・・・、もしかしてこっちが本当の安全地帯?)
僕が指差した場所とは別の方向、さっきが1階層に繋がる階段から斜め左方向だったがそれはちょうど真ん中、階段を降りて真っ直ぐ進めばある、この階層の中央部分に、先に見つけた人の気配より5倍は多い人の気配を感じた、それから察するに人の気配が多い方が本来の安全地帯なのではないかと思った。
ドラーゴサブマス「ジル、俺が行く、お前は全員を連れて安全地帯に行ってろ」
サブマスは僕が指差した方向を一瞥し、本来の安全地帯の方向をじっと見たあと、真剣な表情で自ら異変のあった場所を見に行くと言い出した。その判断が今この状況が普通ではないと気づいたジル叔父様以外の全員が警戒レベルを1段階あげた。
父様「ジル、危険か?」
ジル叔父様「いや、俺らは危なくはないとは思うが・・・・」
ドラーゴサブマス「言い合ってる暇はない、言う通りにしろ、子供の安全が第一だろ?」ザッ!
と、言ったあとサブマスはすぐに異変のあった場所に向かって走り出した。
「サブマス!待ってください!!・・・・あぁ、行っちゃった・・・、危険そうだったら、ここからでも結界を張れるって言おうとしたのに・・・」
ジル叔父様「・・・・・はぁ⁉︎ここから⁉︎」
ジル叔父様は凄く驚いていたけど、父様やイネオス達、他大人勢は平然とした顔をしていた、もちろんジュール達も、まぁ、僕の規格外を1番知ってる人達なので・・・そう驚きはしない。
ジル叔父様「ちょ、ちょっといいか?さっきの感知の広さにも驚いたが、魔法の有効範囲が広すぎやしないか?、1階層で見た魔法の有効範囲は以前に見ていたから驚きはしなかったが、アトリー、また魔法行使範囲が随分と広がったな?」
(おぅ、この反応は久しぶりに見たな・・・感知可能距離だから、魔法発動は簡単なんて言ったら卒倒されるんだろうか?)
ジル叔父様が驚くのも無理はない、普通の人が魔法を発動させれる範囲は自分を中心に訳1~3メートルほどが大半で、一般人で魔法が得意な人でも自分を中心として最高10メートルぐらい、国に仕える魔法師でも30メートルいけばいい方、過去最長距離で50メートルって記録があるぐらい、これは全て周りに何もなく見晴らしのいい場所で行った時の記録、魔法を展開するには基本、目視できる事が大前提とされる、でも僕が行使しようとした魔法距離は有に50メートルは超え、100メートル近かった、それも目標が木々が多いしげる森の中だった・・・
感知可能距離は感知系スキルの能力領域の距離であって、魔法発動の可能領域ではない、それを普通は全く別物と扱われる、だが感知系のスキルだけで得た情報のみで魔法を発動できる僕は相当な規格外、父様達はもう慣れっこなので何も言わないけど、こうしてジル叔父様みたいに知らない人が驚くのが新鮮に思えてしまった。
「訓練の賜物です!」
(あと、謎の魔力強化のせいです!٩( 'ω' )و)
ジュール『正確には、月の光のせいだけどねぇ~WWW』
(だねぇ~WWW)
ジル叔父様「・・・はぁ~、まぁいいか、アトリーだものな・・・、ラト、ここから移動しよう、もしかしたらアトリーが言っていた魔物の群れがこちらまでやってくる可能性がある、サブマスが言った通り安全地帯までいけば、魔物は入って来れずにその場から去るはずだ」
父様「あぁ、そうだな、そこでサブマスを待つしかなさそうだ、私達が行っても邪魔になるだろうからね」
深いため息をした後に、“僕だから“という理由で今の驚きを納得させたジル叔父様(解せぬ)は、サブマスの言った通り安全地帯までの移動を提案してきた、父様もその案には賛成し、僕達は安全地帯まで行く事になった。
(ふむ、感知の範囲をもうちょっと広げておこうかな、そしたら、サブマスの動きも追えるし、もし危険な状態になったら魔法で支援すればいいよね?)
春雷『私が後をついて行きますので、何かありましたらすぐにお知らせ致します』
(分かった、よろしく!)
春雷の提案をすぐに採用し、サブマスの気配を気にしていると、今現在進行形でサブマスがすごい速さで移動し、異変が起きている場所の一歩手前まで行っているのが分かった。(そのまま進めば魔物に追われている人達と、多分、野営地を築いて休憩している冒険者達の間に入る事ができるはずだ。そしたら魔物に追われている人を助ける事ができるし、もう少しでその魔物にかち合うところだった人達も救う事ができる。もし、魔物が多くて防ぎきれなかったとしても、春雷からの連絡があれば僕が感知できている範囲内なら支援魔法を遠隔で発動させればいいだけだから、怪我人は出るかもしれないけど、死者は出ないはず・・・)と思いながら感知スキルをフル活用させながら森の中を歩いた。・・・・ーーーー
ーーーーー・・・・数十分後・・・・
結果的に大した支援をする必要もなく、サブマスは人を追って来ていた魔物の群れを1人で全滅させて、数人の人を縄でぐるぐる巻きにして引き摺り帰ってきた。
ドラーゴサブマス「おう!待たせたな!ちと、往生際の悪い奴がいてな!連れてくるのに時間がかかった!すまねぇ!」
ジル叔父様「やっぱり、“なすり付け“だったか・・・」
(“なすり付け“?・・・)
ドラーゴサブマス「あぁ、しかも“わざと“だ・・・」「「「「「!」」」」」「「「「「何っ!」」」」」ざわざわっ!
ドサドサッ!
サブマスは引き摺っていた冒険者達を優雅にお茶をしていた僕達の前に突き出した、2人の会話を周りで休憩していた冒険者達も聞こえたのか、突き出されて地面に転がっている3人の冒険者達を鋭い目で睨みつけた。
僕達はあれからすぐに安全地帯に移動し、中に入ると多くの冒険者達に注目されたが気にせず、サブマスが戻ってくるまでの間に昼食を済ませることにした。
まずソルがいつも僕達が学園で昼食を取るときに使っている大きいテーブルセットを、僕が作った大容量のマジックリングから取り出し、そこにカイルさんが自分達用のマジックバッグから、テーブルクロスや食器を取り出しセッティングしていき、それが終わると僕達を席に座らせた、そのセットされたテーブルの上にオーリーがジル叔父様のお屋敷、城塞の料理長に作って貰っていた料理を並べ始めた、護衛騎士達は周りの視線を遮るような警備体制に入り、その間は僕達子供勢と父様にジル叔父様、ジュール達は準備が整うのを雑談しながら待った、しばらくして昼食の準備が整い、カインさんやオーリーの給仕を受けながら優雅に昼食を終えた。結局、春雷からは何も連絡もないまま食後のティータイムをのんびりしている時に先程のやりとりがなされたのだった。
(“わざと“魔物を連れてきて、他の冒険者に“なすり付け“ようとしたってこと?・・・・あぁ、“モンスタートレイン“のことか・・・・て、事は、事故じゃなく事件って事か・・・こりゃ、悪質だねぇ)
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