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第1話 ラっさん、はじめまして。

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「イッッッヤッッッホーー!」 

40代のおっさんが朝っぱらに住宅街を叫びながら、走ってる。登校中の子供たちは指を指しながら、笑っている子もいれば、ぽかーんと口をあけている子もいる。
女子高校生は、写メを撮ったり、おっさんのように笑う子もいる。
まぁ、そりゃそうだよな。こんなおっさんが朝っぱらに発狂してれば、誰もが驚くはず(驚かない人は、それはそれでおかしい)。
   
「早ーく、会社に着かないかーな?」 

やはり、40代のおっさんがこんな奇妙にスキップするのは、キモイ。
そして数分後、おっさんはバス停に着くと
(数秒でバスが来た)、
一番前の席(今日は、久しぶりにあいてた)にすわり大きな鼻歌を歌った。

「フッフフッン~」 

キッモ......というかもうキモイの枠を通り越してるだろ......(よい子のみんなは、マネしないでね。) 

気付くと、まもなく目的に着きそうだった。

「まもなく~、まもなく~、animal社前~、ご降りの方は、ボタンを押してください。」

そしておっさんは、ボタンを押した(妙に力強く)。

バスを降りたら、大きなビルが前に建っていた。
ここは、animal社、世界でも大規模な会社でとても有名である(悪い意味でも)。

中におっさんは入ると、多数の人が会話をしてるのが見られる。おっさんはエレベーターに向かおうとしたそのときだった。
ドタドタと走ってくる声が聞こえ、振り向くといつもの声が聞こえた。

「雷太~!」

そこには、少々大柄なオオカミの姿をした者がいた。だが、普通のオオカミではない。

半獣、半人、まぁ、俗に言う獣人ってヤツ。ヒトという生物が完全消滅し、その200年後の世界。獣人と言う生物が誕生した世界。まぁ、といっても200年後の世界は200年前の文明と完全に同じ(らしい)。それ以上、それ以下にもなってはいない。

「おい、雷太?大丈夫か?」

「ん?あぁ、大丈夫だ。」 

「なら、いいんだが......」

おっと、紹介が遅れたようだ。コイツは古くからの友人でもあり同僚でもある(腐れ縁)、坂田浪牙、たまにふざける(よくふざける)が、困っている人なら誰でも助けるし、すごい良いヤツなんだ。まぁ、ふざけるのが、たまにきずなんだが......

そう言えば、俺の自己紹介まだしてなかったな、俺の名は小野寺雷太、ライオンである。しょっちゅう俺の同僚、部下にライオンのおっさん、略してラっさんてよばれる。ちょっと(だいぶ)いやである......

エレベーターに乗ると、二人だけになってしまった。すると......

「なぁ、お前彼女見つけたか?」

「みつけてねーよ、っていうか、その言葉何回目だ?」

「だって、だってー。」

「お前は子供か!」 

「子供だ!」

「ついでに聞く、お前は何様だ!」

「お子様だ!」

笑ってしまった。ちょっとしたボケにちゃんと乗ってくるソレもコイツの良いとこだ(このフレーズどっかで聞いたことあるぞと思っても、ソレは負けです)。

そんな弾んだ会話をしてると

「ピンポーン」

どうやら、俺達の戦場(仕事場)に着いたみたいだ。エレベーターに出て、扉のドアノブにカードをかざすと......

「ロックが解除されました。」

と、鳴った。そして浪牙は、つばやく。

「さぁ、行こう、俺たちの戦場へ!」 

「おう!」

そして俺たちは、その大いなる扉を開けた。

次回へ続く    

なんか......最後、中二臭くなった(小声)






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