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7話目!灰冶の章 夢境の栞
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なんでもギィが言うには、その花畑で毎日その花畑の絵を描いてる女の子がいたそうな。ギィは気になって、毎日その様子を見に行った。絵は少しずつ完成していき、ギィもその絵がどんな風に仕上がるか気になっていたようだった。そんなある日、ギィはいつものようにその絵を見に行ったみたいなんだけど、その女の子に話しかけられた。ギィは気付かれていないと思っていたけれど、女の子はずっとギィがそこに来ていたことを知っていたみたいだ。彼女に害を加えるわけでもなく、ただ絵を描く姿を見守っていたから気になって、女の子から話しかけてくれたそうな。それからギィと女の子は友達になり、毎日のようにその花畑で絵を描いた。ギィも女の子に習って真似して絵を描いたりしていたらしい。
「ギィ、その子から花の冠も貰ったよ! もう枯れちゃったけど、オデの宝物。だから枯れても家に飾ってるんだ!」
嬉しそうに話すギィに、僕は釣られて笑顔になった。でも、ギィはまた悲しそうに目を伏せた。
「デモ、彼女、ある日突然急に来なくなった……。ギィ、毎日待った。オデ、バカだから何日経ったかわからないけど、雨の日も風の日も毎日毎日待った。でも来ない。ダカラ、ギィ、探しに行った。けど、街の場所正確にはわからない。同じとこグルグル回ったりもした。何日か探してたら、オマイら来た。オマイらに着いてって街へ行った。彼女の家、わからない。色んな家に顔を出した。そしたら、ニンゲンに見つかっちゃってボコボコ」
ギィは凹んで、しゅんと項垂れてしまった。
「なるほど、事情はわかったわ」
項垂れるギィに、灰冶さんは警告する。
「でもこれで分かったでしょう。街に入ればああ言う危険な目に遭う。今回は拓斗が助けてくれたから良かったものの、次はそうとは限らないわよ」
灰冶さんの厳しめな口調にギィは「うぅ……」と、言葉に詰まってしまった。けれど、決して「うん」とは言わなかった。
「それじゃあ、私たちは行くわ」
「え、灰冶さん……!」
くるりと踵を返す灰冶さんに、僕は思わず彼を呼び止めた。灰冶さんは困ったように僕を見て、小さくため息を吐いた。
「あのね、拓斗。なんでも首を突っ込むものではないわよ?」
「う……。分かってはいますけど……、でもここまで事情を聞いて放っておくには……。それに、ギィはまだ納得していません。放っておいたらまた街に入り込みますよ」
ギィを見ると、ギィはまだ諦めていないようで、灰冶さんを見てウンウンと首を激しく縦に振った。
「うん! ギィ、また行く! 酷い目に遭っても諦めない!」
「そんなこと自信満々に言われても……」
灰冶さんは呆れたように笑っていたが、すぐに真面目な顔になった。
「良い、拓斗」
「あ、はい……」
いつになく真剣な面持ちで僕を見つめる灰冶さんに、僕も自然と身が引き締まった。
「世の中には知らなくて良いこともあるのよ」
「え、それって……」
僕は灰冶さんの言った意味がわからず、すぐに聞き返そうとした。けれど、ギィが僕らの間に割って入ってきて、灰冶さんの足をポカポカと叩くのだ。
「ちょ、ちょっと……」
真剣な話もおざなりになり、灰冶さんはギィを自分の足から引き離した。
「ギィも連れてってー!」
灰冶さんは困ったようにギィを宥めていたが、一向に話を聞かないギィを見て、しばらく考え込んだ。そして、また諦めたように深く溜め息を吐いた。
「わかったわ。彼を処罰すると街の人に行った手前、またそのゴブリンを街に入れちゃあ面目が立たないものね。良いわ、今回だけ貴方たちに協力してあげる」
「本当ですか!?」
観念したように肩を竦める灰冶さんは、喜ぶ僕に苦笑していた。
「貴方も困ったさんねぇ。ただし、彼の記憶を見て彼女の居場所を見つけ出すのは簡単よ。でも、今回はそれはしないわ。自分たちで情報を探しなさい」
「はい!」
「まぁ、ある程度の手伝いはしてあげるから、そこは安心して」
僕は灰冶さんにお礼を言って、ギィから情報を聞き出すことにした。
「ギィ、その子から花の冠も貰ったよ! もう枯れちゃったけど、オデの宝物。だから枯れても家に飾ってるんだ!」
嬉しそうに話すギィに、僕は釣られて笑顔になった。でも、ギィはまた悲しそうに目を伏せた。
「デモ、彼女、ある日突然急に来なくなった……。ギィ、毎日待った。オデ、バカだから何日経ったかわからないけど、雨の日も風の日も毎日毎日待った。でも来ない。ダカラ、ギィ、探しに行った。けど、街の場所正確にはわからない。同じとこグルグル回ったりもした。何日か探してたら、オマイら来た。オマイらに着いてって街へ行った。彼女の家、わからない。色んな家に顔を出した。そしたら、ニンゲンに見つかっちゃってボコボコ」
ギィは凹んで、しゅんと項垂れてしまった。
「なるほど、事情はわかったわ」
項垂れるギィに、灰冶さんは警告する。
「でもこれで分かったでしょう。街に入ればああ言う危険な目に遭う。今回は拓斗が助けてくれたから良かったものの、次はそうとは限らないわよ」
灰冶さんの厳しめな口調にギィは「うぅ……」と、言葉に詰まってしまった。けれど、決して「うん」とは言わなかった。
「それじゃあ、私たちは行くわ」
「え、灰冶さん……!」
くるりと踵を返す灰冶さんに、僕は思わず彼を呼び止めた。灰冶さんは困ったように僕を見て、小さくため息を吐いた。
「あのね、拓斗。なんでも首を突っ込むものではないわよ?」
「う……。分かってはいますけど……、でもここまで事情を聞いて放っておくには……。それに、ギィはまだ納得していません。放っておいたらまた街に入り込みますよ」
ギィを見ると、ギィはまだ諦めていないようで、灰冶さんを見てウンウンと首を激しく縦に振った。
「うん! ギィ、また行く! 酷い目に遭っても諦めない!」
「そんなこと自信満々に言われても……」
灰冶さんは呆れたように笑っていたが、すぐに真面目な顔になった。
「良い、拓斗」
「あ、はい……」
いつになく真剣な面持ちで僕を見つめる灰冶さんに、僕も自然と身が引き締まった。
「世の中には知らなくて良いこともあるのよ」
「え、それって……」
僕は灰冶さんの言った意味がわからず、すぐに聞き返そうとした。けれど、ギィが僕らの間に割って入ってきて、灰冶さんの足をポカポカと叩くのだ。
「ちょ、ちょっと……」
真剣な話もおざなりになり、灰冶さんはギィを自分の足から引き離した。
「ギィも連れてってー!」
灰冶さんは困ったようにギィを宥めていたが、一向に話を聞かないギィを見て、しばらく考え込んだ。そして、また諦めたように深く溜め息を吐いた。
「わかったわ。彼を処罰すると街の人に行った手前、またそのゴブリンを街に入れちゃあ面目が立たないものね。良いわ、今回だけ貴方たちに協力してあげる」
「本当ですか!?」
観念したように肩を竦める灰冶さんは、喜ぶ僕に苦笑していた。
「貴方も困ったさんねぇ。ただし、彼の記憶を見て彼女の居場所を見つけ出すのは簡単よ。でも、今回はそれはしないわ。自分たちで情報を探しなさい」
「はい!」
「まぁ、ある程度の手伝いはしてあげるから、そこは安心して」
僕は灰冶さんにお礼を言って、ギィから情報を聞き出すことにした。
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