1 / 2
憧れの先輩の靴箱にバレンタインチョコ入れたら間違ってたみたいで、なぜか女生徒に迫られてます
しおりを挟む
佐藤先輩のクラスの靴箱に行き、そっと周りを見回す。
誰もいない……よし。
『佐藤』のネームタグを確認し、靴箱の蓋を開けて、チョコの入った紙袋を入れる。私の他には誰も入れてなくて、ホッとした。
3年の佐藤先輩はサッカー部のエースストライカーで、スカウトが見にくるくらい、将来を期待されてる。もちろん、女の子たちにも人気があって、いつも佐藤先輩の練習や試合を観に来て、プレゼントや差し入れをしてる。
いつもその後ろで、用意した差し入れやプレゼントを渡せずに帰ってきてたけど、1年に1度のバレンタイン、直接渡す勇気はなくても、佐藤先輩にチョコを受け取ってもらって、好きって気持ちを伝えたい。
長いラブレターなんて書けなくて、チョコと一緒に書いたのは短い言葉。
『佐藤先輩が好きです。良かったら、付き合ってください。
2年1組 安藤 沙織』
先輩に、気持ちが伝わりますように……
向こうから誰か来る足音が近づいてきて、逃げるように靴箱から離れ、廊下に飛び出した。
その途端、ドンッと誰かにぶつかった。
「ッ、すみません……」
ぶつかったのは、背の高い女子の先輩だった。
「ごめんね。大丈夫だった?」
手を差し伸べて、起こしてくれた。
ぶつかったのは、こっちなのに。
「こちらこそ、すみませんでした」
顔を上げて、ハッとする。まるで宝塚の男役みたいな、中性的な綺麗な顔立ち。しかも、仕草まで王子様みたいだし。
見惚れてると、クスッと笑われてしまった。うわ、ハズッッ。
「じゃあね」
頭をポンと撫でると、先輩が去っていった。
翌日の昼休み、教室に昨日ぶつかった先輩が顔を覗かせた。
「ねぇ、安藤沙織さんっている?」
近くにいたクラスメートが、私を指差しながら答えた。
「沙織なら、あそこに!
さおりー! 呼んでるよーっ!」
え。なんの用だろ。てか、先輩……なんで私の名前知ってるの?
もしかして、昨日ぶつかった時にケガしてたとか? それで、文句言いにきたとか?
でも、そんな悪い人には見えなかったけど……
先輩のとこに行くと、手を取られた。
「ここじゃなんだから、場所変えよっか」
「は、はい……」
ほんと、手を取る仕草とかカッコイイんだけど。もし先輩が男だったら、好きになってそう。
先輩が屋上の扉を開け、私を先に入らせた。こんなエスコート、どんな男子にもされたことないよ……
「あの……先輩、何で私を呼び出したんですか?」
不思議そうに尋ねる私に、先輩が目を丸くすると、クスッと笑った。
「昨日自分がしたこと……覚えてないの?」
言われて、顔が真っ赤になる。
やっぱり昨日ぶつかったこと怒ってたんだ!! ちゃんと謝らなきゃ……
「せ、せんぱ……」
「これ、昨日私の靴箱に入れたでしょ?」
私の目の前には、佐藤先輩の靴箱に入れたチョコの入ってた袋がぶら下がってた。
「え、これ……」
「沙織ちゃん、私のこと好きだったんだ? 付き合ってほしいの?」
美しい顔が目の前に迫ってきて、タジタジする。
「え。あ……こ、これは……佐藤先輩に渡したもので……」
「私、佐藤けい。佐藤先輩だよ?」
「え、あ……いや、その佐藤先輩じゃ、なくて……」
佐藤ってふたりいたんだ……そういえば、『佐藤』の横に小さく『け』ってあったような、なかったような。
ま、間違えてチョコ、入れてたみたい……
女の佐藤先輩が袋からチョコの箱を取り出し、蓋を開けた。
「ごめん、もう半分食べちゃったんだよね。
でもさ、元はと言えば、沙織ちゃんが悪いよね? 間違って別の『佐藤』の靴箱にチョコ入れたんだから」
ライトブラウンの瞳に覗き込まれて、鼓動がドクドクと速まっていく。
「す、すみま……せん」
「その上……私のこと、好きにさせちゃって」
女の佐藤先輩が私の顎をクイと掴み、持ち上げた。
ウギャー、なにこのシチュエーション!!
ドキドキしすぎて、心臓破裂しそうなんですけど!!
「ねぇ、責任とってくれる?」
美麗な顔が近づいたと思ったら……唇が重なった。
ん、ナニコレ。
私はキ、キスされてるの!? しかも、相手は女の子、なのに……
なんで私、こんなにドキドキしてんのよー!!
拒否、できないのよー!!
間違いだったはずなのに……間違いでなくなりそうで、こわい……
もう、好きになりかけてる……かも。
誰もいない……よし。
『佐藤』のネームタグを確認し、靴箱の蓋を開けて、チョコの入った紙袋を入れる。私の他には誰も入れてなくて、ホッとした。
3年の佐藤先輩はサッカー部のエースストライカーで、スカウトが見にくるくらい、将来を期待されてる。もちろん、女の子たちにも人気があって、いつも佐藤先輩の練習や試合を観に来て、プレゼントや差し入れをしてる。
いつもその後ろで、用意した差し入れやプレゼントを渡せずに帰ってきてたけど、1年に1度のバレンタイン、直接渡す勇気はなくても、佐藤先輩にチョコを受け取ってもらって、好きって気持ちを伝えたい。
長いラブレターなんて書けなくて、チョコと一緒に書いたのは短い言葉。
『佐藤先輩が好きです。良かったら、付き合ってください。
2年1組 安藤 沙織』
先輩に、気持ちが伝わりますように……
向こうから誰か来る足音が近づいてきて、逃げるように靴箱から離れ、廊下に飛び出した。
その途端、ドンッと誰かにぶつかった。
「ッ、すみません……」
ぶつかったのは、背の高い女子の先輩だった。
「ごめんね。大丈夫だった?」
手を差し伸べて、起こしてくれた。
ぶつかったのは、こっちなのに。
「こちらこそ、すみませんでした」
顔を上げて、ハッとする。まるで宝塚の男役みたいな、中性的な綺麗な顔立ち。しかも、仕草まで王子様みたいだし。
見惚れてると、クスッと笑われてしまった。うわ、ハズッッ。
「じゃあね」
頭をポンと撫でると、先輩が去っていった。
翌日の昼休み、教室に昨日ぶつかった先輩が顔を覗かせた。
「ねぇ、安藤沙織さんっている?」
近くにいたクラスメートが、私を指差しながら答えた。
「沙織なら、あそこに!
さおりー! 呼んでるよーっ!」
え。なんの用だろ。てか、先輩……なんで私の名前知ってるの?
もしかして、昨日ぶつかった時にケガしてたとか? それで、文句言いにきたとか?
でも、そんな悪い人には見えなかったけど……
先輩のとこに行くと、手を取られた。
「ここじゃなんだから、場所変えよっか」
「は、はい……」
ほんと、手を取る仕草とかカッコイイんだけど。もし先輩が男だったら、好きになってそう。
先輩が屋上の扉を開け、私を先に入らせた。こんなエスコート、どんな男子にもされたことないよ……
「あの……先輩、何で私を呼び出したんですか?」
不思議そうに尋ねる私に、先輩が目を丸くすると、クスッと笑った。
「昨日自分がしたこと……覚えてないの?」
言われて、顔が真っ赤になる。
やっぱり昨日ぶつかったこと怒ってたんだ!! ちゃんと謝らなきゃ……
「せ、せんぱ……」
「これ、昨日私の靴箱に入れたでしょ?」
私の目の前には、佐藤先輩の靴箱に入れたチョコの入ってた袋がぶら下がってた。
「え、これ……」
「沙織ちゃん、私のこと好きだったんだ? 付き合ってほしいの?」
美しい顔が目の前に迫ってきて、タジタジする。
「え。あ……こ、これは……佐藤先輩に渡したもので……」
「私、佐藤けい。佐藤先輩だよ?」
「え、あ……いや、その佐藤先輩じゃ、なくて……」
佐藤ってふたりいたんだ……そういえば、『佐藤』の横に小さく『け』ってあったような、なかったような。
ま、間違えてチョコ、入れてたみたい……
女の佐藤先輩が袋からチョコの箱を取り出し、蓋を開けた。
「ごめん、もう半分食べちゃったんだよね。
でもさ、元はと言えば、沙織ちゃんが悪いよね? 間違って別の『佐藤』の靴箱にチョコ入れたんだから」
ライトブラウンの瞳に覗き込まれて、鼓動がドクドクと速まっていく。
「す、すみま……せん」
「その上……私のこと、好きにさせちゃって」
女の佐藤先輩が私の顎をクイと掴み、持ち上げた。
ウギャー、なにこのシチュエーション!!
ドキドキしすぎて、心臓破裂しそうなんですけど!!
「ねぇ、責任とってくれる?」
美麗な顔が近づいたと思ったら……唇が重なった。
ん、ナニコレ。
私はキ、キスされてるの!? しかも、相手は女の子、なのに……
なんで私、こんなにドキドキしてんのよー!!
拒否、できないのよー!!
間違いだったはずなのに……間違いでなくなりそうで、こわい……
もう、好きになりかけてる……かも。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ホストな彼と別れようとしたお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレ男子に捕まるお話です。
あるいは最終的にお互いに溺れていくお話です。
御都合主義のハッピーエンドのSSです。
小説家になろう様でも投稿しています。
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
虚弱姫はコワモテ将軍の筋肉に触りたい
隙間ちほ
恋愛
◼︎無骨な英雄×病弱な筋肉フェチ姫
◼︎辺境伯の末娘エルナは、領軍の英雄マテウスとの結婚が決まった。政略結婚――のはずが、実は姫は将軍の熱烈なファン。姫がノリノリで嫁ぐ一方、当のマテウスは「か弱い姫君に嫌われている」と思い込み、距離を取ってしまう……。
◼︎筋肉と鼻血とすれ違いラブコメ。
◼︎超高速展開、サクッと読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる