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別れ

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 葬式は教会ではなく、墓地で行われた。参列者はアンジュの叔母夫婦と僕の3人だけだった。

 アンジュの遺体が入った棺に牧師が祈りを捧げる。棺はしっかりと閉まっており、中は見えないので本当にそこにアンジュが眠っているのか実感が沸かなかった。

 中に土が入っているステンレス製の小箱から順番に土を掴んで棺の上に振り掛ける。僕はアンジュに渡したクリスマスプレゼントのブレスレットとともに土をそっと振り掛けた。

 これは、君にあげたものだから……

 墓地の芝生の上を小型のクレーン車が走ってきた。クレーンが石の箱の蓋を穴の中に降ろし、棺が箱の中に密封された。次にショベルカーが来ると、用意されてあった小山の土を穴の中にどんどん埋めて行く。

 その作業をなんの感情ももたず、ただ眺めていた。

 気付けば……牧師やアンジュの叔母夫婦は立ち去り、小型クレーン車とショベルカーも作業を終えると引き上げて行った。

 僕は時間の概念などなく、そこに立つ墓石をじっといつまでも見つめていた。

 僕は感情が欠落している。
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