チェストー! 伊佐高龍舟チーム!!

奏音 美都

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第五章 初の実践練習

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 終業式を20日に終え、いよいよ夏休み! これからは、もっとドラゴンボートの練習も出来るはず……そう思っていたのに、なぜか私たちは学校に毎日来ていた。それというのも、課外授業があるからだ。課外授業は前半と後半に分かれて開催され、前半は23日から30日、後半は8月20日から27日まであり、9月3日の始業式を前に30日から既に授業日となっていて実力考査がある。

 どうしてお母さんは東京の高校に入れずに鹿児島の高校に私を入れたのか不思議だったけど、おばあちゃんに面倒を見させるのと鹿児島の高校が勉強に力を入れてるせいもあったのだと気がついた。これじゃ、全然夏休みに入った気がしない。相変わらず部活組も練習が忙しく、なかなか揃っての練習が出来ずにいた。

 24日からは、夏休みにも関わらず三者面談が始まった。

「あーっ、あたし初日に当たったがよ。わっぜ、めんどくさー!」
「あたしは26日!」
「えっ、あたしも!」 
「あたしなんて、最終日の3日よ。はよ、終わらせたいが」

 郁美と由美子、真紀、涼子はそれぞれの日程について話し合っていた。特別短期入学生である私にはもちろん三者面談なんてないけど、周りがそういう話題になっていると、なんだか私まで落ち着かない。それに、今日は鹿児島大学の学校説明会も開催されるし、いよいよ受験が近づいているのだとひしひしと感じさせられずにはいられない。

 みんなは、もう進路は決めてるのかな……

「ねぇ、みんなは将来なんになるとか決めてるの?」

 尋ねると、郁美が即答した。

「こうむいーん!」

 それに続いて、由美子と真紀も声を合わせる。

『あたしもこうむいーん!!』
「えっ、そうなんだ……みんな、意外と手堅いとこ狙ってるんだね……」

 驚きながらもそう答えると、みんなが爆笑する。

 えっ、えっ、なんで!?

 郁美が目尻の涙を拭いながら、説明する。

「ごめんごめん、専門学校のCMでそういうのがあってさ、『将来の夢は?』聞かれたら、『こうむいーん』答えるのがお約束なんよ。ほんとはあたし、児童教育学科のある短大に行こう思っちょるのよ」

 すると由美子が手を挙げた。

「あたしは、ほんとに公務員狙い。役場か農協で働こう思っとるんよ」
「由美子ぉ、フフッ農協て! ばぁちゃんみたいがよ! JAじゃろがー!
 あたしは東京か、せめて福岡の大学で都会の生活したいがよ」

 由美子にツッコミ入れつつ、おしゃれに人一倍敏感な真紀が答える。

「あたしは鹿児島大学の共同獣医学部」

 涼子が答えると、私以外のみんなが「涼子、わっぜすげー!!」と驚いていた。どうやら、かなりレベルが高いとこみたいだ。

「美和子は、考えてるね?」

 郁美に聞かれて、答えることが出来なかった。

 高校を卒業する頃には、お父さんの単身赴任期間を終えてこっちに帰ってくることになる。その為に、日本の教育に遅れないように補習校に通ったり、こうして夏休みを利用して高校に通ってるわけだけど、お父さんからはカナダの大学に留学してもいいと言われてるので、正直迷ってる。

「まだ……考え中かな」

 曖昧な笑みを浮かべて答えながらも、頭の中でグルグル考えが巡る。

 大学に行ったとして、卒業したら私は何がしたいんだろう。
 どんな仕事に、就きたいんだろう……
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