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最後の初夜

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 クロードは、温かな光の中にいた。包み込むようなその柔らかい光が、彼に幸福感をもたらしていく。

 ふと、優しい声が降りてくる。

「クロード様……」

 気付くと隣には、ルチアがクロードを見つめて微笑んでいる。花が綻んだかのような明るく優しい微笑みに、クロードもつられて微笑んだ。

「ルチア……」

 ルチアはクロードの手を取った。

「一緒に、参りましょう」

 どこまでも続く光溢れる道に向かって、歩きだした。

 ふと、背中に気配を感じて振り向くと、そこには幼いクロードが笑顔で立っていた。

「ようやく、出会えましたね」

 そう言うと、手を振って送り出す。


 お前も、待っていたのだな。ルチアとの出会いを……
 もう、ひとりじゃない。

 私は、この手を決して離しはしない。

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