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最後の初夜

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「クロード様とこうして、三日三晩一緒に過ごすことができて幸せでした……」

 ルチアがクロードの胸に抱かれながら、そっと呟く。

「あぁ、私もだ」
「クロード様の特別な想いの詰まったこの別邸に招いて頂き、ありがとうございます」
「……この城を取り壊す前に、お前にぜひ紹介したかったのだ」

 その一言に、ルチアが驚いて顔を上げる。

 取り壊すって……

「何故ですの!? だって、ここは……」
「母君との思い出の場所、だったが……私には、もうこの場所は必要ないのでな」

 そして、サイドテーブルの傍らに置いてある押し花の栞を一瞥した。

「私には、これがあれば十分だ。
 それに……」

 ルチアを抱く腕に力を込め、抱き寄せる。

「もう、過去には囚われない。私は、これからはお前と未来の思い出を作り上げていきたいのだ」
「……はい、クロード様」

 ルチアはクロードの首に腕を回すと瞳を閉じて、その艶やかな唇をクロードのそれへと重ねた。

「今夜はこうしてお前を抱き留めたまま眠りにつきたいのだが、よいか?」

 クロードが耳元で囁き、ルチアは耳を真っ赤にしてこくりと頷いた。

「朝まで……離さないで下さいませ。クロード様の温もりを、近くで感じていたいです」

 ルチアはクロードの首に回した腕に力を込めると、ギュッと密着させた。直接伝わるお互いの肌の温もりを分け合い、ルチアの柔らかく滑らかな肌が触れる感触を、クロードは目を閉じてじっくりと堪能した。

 ようやく、出会えたのだな……

 まるで、夢の続きのような幸福感に満たされていくのを感じた。

 ルチアが首に腕を回した状態で抱き締めていると、互いの胸がギュッと重なり合う。次第に、ルチアの熱が高まり始めた。

 クロードの胸元では、柔らかだったルチアの乳房の先端がだんだんと変化していくのが感じられる。そのコリコリとした蕾を、クロードが逞しい胸板で少し擦り付けるようにする。

「ハァッ、んっ……」

 ルチアが切ない吐息を洩らした。躰中の血液がドクドクと中心へと向かって急激に流れ込み、猛りが太さと固さを増しながら次第に反り立つように持ち上がってくる。

 クロードは雄の本能を剥き出しにしたそれをルチアの雌の匂い立つ中心へと、グリグリと押し付けた。

「お前をこの胸に抱いて眠りにつくつもりだったが……足りぬ。もっと、お前を深く感じたい…」

 押し付けた猛りが、ルチアの蜜で濡らされていく。

「んっ……ハァッ……んんっ……クロード、さまぁ……ハァッ」

 ルチアが、潤んだ瞳でクロードを見上げた。

「もしお前が望まぬのなら、このままでも構わぬが?」

 ルチアは目を瞬かせると緩く首を振り、ギュッとクロードの躰に寄せた。

「お願い……です。クロード様と深く繋がったまま、朝を迎えさせて下さいませ。
 クロード様の温もりを、決して忘れることのないように……」
「ルチア……」
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