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おまけ1 ー帰りの馬車にてー
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ルチアを迎えに来た騎士団長のアルバートは、馬車を先導しながら、窓から見えるルチアの姿に目を移した。ユリアーノの膝の上に頭を乗せ、ピクリとも身じろぐこともなく死んだように眠るルチア。
あいつ、大丈夫なのか?
今は王妃と騎士団長という立場ではあるが、元々は幼馴染であり、恋心を持っていたルチアの疲労ぶりに心配になる。馬の歩を緩めると、窓からユリアーノに声をかけた。
「おい、ユリアーノ。こいつ、なんか動かないけど……死んでない、よな?」
「うん、ぐっすりと眠ってるよ」
何があったんだよ……
訝しげに見つめるアルバートに、ユリアーノがにっこりと微笑む。
「ルチア様、別邸にいる三日間、クロード様に深ーーく愛されてたからね」
その言葉に全てを理解したアルバートは頬を染め、顔を背けた。
「行くぞ」
愛馬に声を掛け、馬車の先頭へと戻る。
あんなになるまで愛するとか、どんだけ絶倫なんだよ。シュタート国王、やっぱり恐ろしいやつだな……
ルチアはグレートブルタン国に着くまでの長い道中、目を覚ますことはなかった。
あいつ、大丈夫なのか?
今は王妃と騎士団長という立場ではあるが、元々は幼馴染であり、恋心を持っていたルチアの疲労ぶりに心配になる。馬の歩を緩めると、窓からユリアーノに声をかけた。
「おい、ユリアーノ。こいつ、なんか動かないけど……死んでない、よな?」
「うん、ぐっすりと眠ってるよ」
何があったんだよ……
訝しげに見つめるアルバートに、ユリアーノがにっこりと微笑む。
「ルチア様、別邸にいる三日間、クロード様に深ーーく愛されてたからね」
その言葉に全てを理解したアルバートは頬を染め、顔を背けた。
「行くぞ」
愛馬に声を掛け、馬車の先頭へと戻る。
あんなになるまで愛するとか、どんだけ絶倫なんだよ。シュタート国王、やっぱり恐ろしいやつだな……
ルチアはグレートブルタン国に着くまでの長い道中、目を覚ますことはなかった。
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