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ワンコとご飯
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化粧直しをするためにカバンを開けると、そこには綺麗にラッピングされたチョコレートが入っていた。
またまた、渡すタイミング逃しちゃってるし……
少し上気した頬に手を当て、じっと鏡の自分を見つめていると、先程の柚木くんの台詞が蘇ってきた。
『でも僕は……100個のチョコよりも好きな人にもらう1個のチョコの方が何よりも嬉しいです』
『原田先輩なら……たとえ大勢の中の1個だったとしても嬉しいです』
それは……どういう、意味なの?
私は柚木くんと、どうなりたいんだろう。
階段を上って私達の座っていた個室に向かい、障子を開けようとすると……
「え、俺? 会社の先輩とご飯食べてるとこ」
中から話し声が聞こえてきて思わず立ち止まってしまった。
柚木くん……ケータイで誰かと話してるんだ。てか、柚木くんがタメ口だし、俺って一人称変わってるし!!
なんか、新鮮かも……
立ち聞き、しちゃまずいよね。
でも……気になる……
結局誘惑に勝てず、聞き耳をたててしまう私。
「あ、そう、教育係の。」
私のこと、誰かに話してるの?
もしかして、社員の子なのかも……
「かなり頑張って気持ち伝えたつもりだったけど……
……うん、全然相手にされてないみたいだった」
えっ……じゃあ、あれはやっぱり……
告白、だったんだ……
「原田先輩にとって俺ってただの後輩ワンコでしかないんだなーって実感した」
柚木くんの自嘲気味の乾いた笑い声が聞こえてきた。
ち、違うっっ。そうじゃ、なくてっ……!!
思わず手に力が入った途端、障子がガタガタ揺れてしまった。
シマッタ……↓
後ろ向きになり、そっとその場を離れようとするものの……
「先輩、今の……聞いてたんですか?」
柚木くんが障子から出てきた。そりゃ、バレるよね……
「ご、ごめんね。
立ち聞き、するつもりはなかったんだけど……」
観念して振り返ると、
「わぁーっ///
すっげぇ恥ずかしい、俺……/////」
柚木くんがその場に座り込んでしまった。
腕をダランとさせ、顔を俯かせているけれど、薄い茶色の髪の隙間から覗く柚木くんの耳は真っ赤だった。
キューーーッン!! か、可愛いっっ!!
「ちょ、ちょっと柚木くん。こんなところで座り込むのもなんだから、
こっち、入ろ?」
柚木くんを促し、個室へと戻った。
個室に入ると柚木くんは少し脚を開いた体操座りの姿勢で膝の上においた腕に顎を乗せた。真っ赤な顔でちょっと拗ねてるような表情もいちいち萌えるぅ!!
なんて、思ってる場合じゃ、ないよね……
「……いつから……聞いてたんですか?」
下手に誤魔化すよりも、正直に話した方がいいよね……
「えっとぉ……
『え、俺?会社の先輩とご飯…』ってとこから、かな」
「それ、最初っからじゃないですか!
わぁーっ、もぉーっ///」
柚木くんは顔を俯かせてしまった。くぐもった声が聞こえる。
「なんかもぉ、いろんな意味で……いっぱいいっぱいで……
先輩と顔……合わせられない、です……/////」
キューン
クラッ、なにこの可愛い生きものっ! 連れて帰りたいっっ!!
座っている柚木くんの側に膝立ちになる。
「そんなこと言わないで、柚木くん。
顔、上げて?」
「嫌、です……」
「……」
どぉすっかな……
体操座りで縮こまってる柚木くんをふわっと抱き締めた。
それは、いつも私が会社でやってるようなハグのつもり、だったのに……
「はら、だ……せん、ぱい?」
あ……
驚いて見上げた柚木くんは今までで一番近くて、その見開かれた瞳が私を映していて、真っ赤になった頬が愛しくて、ツヤツヤの唇が私を誘うものだから……
その魅惑的な唇に引き寄せられるように、自分の唇を重ねていた。
またまた、渡すタイミング逃しちゃってるし……
少し上気した頬に手を当て、じっと鏡の自分を見つめていると、先程の柚木くんの台詞が蘇ってきた。
『でも僕は……100個のチョコよりも好きな人にもらう1個のチョコの方が何よりも嬉しいです』
『原田先輩なら……たとえ大勢の中の1個だったとしても嬉しいです』
それは……どういう、意味なの?
私は柚木くんと、どうなりたいんだろう。
階段を上って私達の座っていた個室に向かい、障子を開けようとすると……
「え、俺? 会社の先輩とご飯食べてるとこ」
中から話し声が聞こえてきて思わず立ち止まってしまった。
柚木くん……ケータイで誰かと話してるんだ。てか、柚木くんがタメ口だし、俺って一人称変わってるし!!
なんか、新鮮かも……
立ち聞き、しちゃまずいよね。
でも……気になる……
結局誘惑に勝てず、聞き耳をたててしまう私。
「あ、そう、教育係の。」
私のこと、誰かに話してるの?
もしかして、社員の子なのかも……
「かなり頑張って気持ち伝えたつもりだったけど……
……うん、全然相手にされてないみたいだった」
えっ……じゃあ、あれはやっぱり……
告白、だったんだ……
「原田先輩にとって俺ってただの後輩ワンコでしかないんだなーって実感した」
柚木くんの自嘲気味の乾いた笑い声が聞こえてきた。
ち、違うっっ。そうじゃ、なくてっ……!!
思わず手に力が入った途端、障子がガタガタ揺れてしまった。
シマッタ……↓
後ろ向きになり、そっとその場を離れようとするものの……
「先輩、今の……聞いてたんですか?」
柚木くんが障子から出てきた。そりゃ、バレるよね……
「ご、ごめんね。
立ち聞き、するつもりはなかったんだけど……」
観念して振り返ると、
「わぁーっ///
すっげぇ恥ずかしい、俺……/////」
柚木くんがその場に座り込んでしまった。
腕をダランとさせ、顔を俯かせているけれど、薄い茶色の髪の隙間から覗く柚木くんの耳は真っ赤だった。
キューーーッン!! か、可愛いっっ!!
「ちょ、ちょっと柚木くん。こんなところで座り込むのもなんだから、
こっち、入ろ?」
柚木くんを促し、個室へと戻った。
個室に入ると柚木くんは少し脚を開いた体操座りの姿勢で膝の上においた腕に顎を乗せた。真っ赤な顔でちょっと拗ねてるような表情もいちいち萌えるぅ!!
なんて、思ってる場合じゃ、ないよね……
「……いつから……聞いてたんですか?」
下手に誤魔化すよりも、正直に話した方がいいよね……
「えっとぉ……
『え、俺?会社の先輩とご飯…』ってとこから、かな」
「それ、最初っからじゃないですか!
わぁーっ、もぉーっ///」
柚木くんは顔を俯かせてしまった。くぐもった声が聞こえる。
「なんかもぉ、いろんな意味で……いっぱいいっぱいで……
先輩と顔……合わせられない、です……/////」
キューン
クラッ、なにこの可愛い生きものっ! 連れて帰りたいっっ!!
座っている柚木くんの側に膝立ちになる。
「そんなこと言わないで、柚木くん。
顔、上げて?」
「嫌、です……」
「……」
どぉすっかな……
体操座りで縮こまってる柚木くんをふわっと抱き締めた。
それは、いつも私が会社でやってるようなハグのつもり、だったのに……
「はら、だ……せん、ぱい?」
あ……
驚いて見上げた柚木くんは今までで一番近くて、その見開かれた瞳が私を映していて、真っ赤になった頬が愛しくて、ツヤツヤの唇が私を誘うものだから……
その魅惑的な唇に引き寄せられるように、自分の唇を重ねていた。
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