<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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初めてを捧げた人 ー美姫過去編ー

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 瞬く間に夏休みが過ぎ、2学期を迎えると私たちの学園でのルーティーンが再び始まった。いつの間にか空が高くなり、澄み渡った空に秋風が吹いていた。

 ある休日の午後、大和の希望で二人で美術館に行くことになった。

『来週の文化祭にちなんで、芸術っぽいデートしようぜ』

 なんて言われて、絵画や彫刻を鑑賞するのが好きな私と違って、芸術にさほど興味がない大和が誘ってくるなんて珍しい……と思っていたら、案の定、そこで『ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム』の企画展をしていた為だった。そんなところも大和らしくて、可愛く思えた。

 『森の中の美術館』をコンセプトに据えるこの美術館は、外観が全面薄い緑のガラス張りになっており、波を打っているような曲線が印象的な建物だった。

 企画展は、ただ単に絵画や動画を見せるだけではなく、8つのテーマに沿って作品が紹介されていた。大和はひとつひとつを食い入るように見つめ、好きな作品を見つけると興奮して熱っぽく語った。マンガやアニメ、ゲームに疎い私が、大和の話を聞いてだんだんと興味を持つようになるぐらい、楽しませてくれた。

 午後からの待ち合わせだった為、その後館内にあるカフェで軽くお茶をすることにした。巨大な逆円錐形の建物の最上部に広がる円形の空間にカフェがあり、まるで自分たちが巨大なステージの上で食事をしているような気分になる。

 私は薔薇とライチのムースのケーキセットを頼み、大和はサーモン&クリームチーズサンドイッチとハム&レタスサンドイッチを頼んだ。

「ねぇ、大和。ランチ食べてきたって言ってなかった?」
「おぉ、食ったけどさ。なんかこの時間になると、また腹が減って仕方ないんだよな。なぁ、美姫のそのケーキ、食わないんならもらってもいい?」

 大和は、皿の上に3分の1程残っているケーキを指差した。

「え? あ......うん、いいけど……」
「やった!サンキュ」

 男子校生の食欲って凄い……

 秀一さんは食が細く、私よりも食べない程なので、大和の食欲はいかにも健康な男の子って気がして、見ていて清々しかった。

 あ、また......

 男性を見ると、いつも秀一さんを基準にして考えてしまう癖が抜けない。私の中での男性といえば秀一さんで、それは会えない時間がいくら長くなろうと変わらなかった。

 いつになったら私は、『秀一さん』という呪縛から抜け出せるのだろう......

 美術館を出るとまだ帰るまでには少し時間に余裕があったので、向かいの公園を散歩することにした。

 都心の中にある公園の緑に触れると、砂漠の中のオアシスにたどり着いたようでホッとする。ここは昔、旧陸軍の射撃場跡地を整備して公園にしたものらしく、南北2箇所に分かれている珍しい公園なのだと大和が言っていた。

 そんなことを大和が知ってるなんて意外.....なんて思っていたら、やはり大和のお兄様からの受け売りだった。彼のご先祖のお墓がこの近くの墓地にあるため、この公園には何度も来たことがあるのだという。

 家族連れで賑わう子供広場のある北地区をぐるりと周り、あまり人のいない南地区を歩いた。

「ちょっと休憩しようぜ」

 大和がベンチに腰掛け、それに従うようにして腰掛けた。

 先程まで企画展の興奮冷めやらぬ大和はマシンガントークで好きなマンガやゲームについて熱く語っていたのに、ベンチに座った途端、黙り込んだ。躰を固くし、緊張しているようだった。

「あ、あのさぁ......」
「どうしたの、大和?」

 大和の方に振り向くと、風が吹いて髪が纏わり付いてくる。少しずつ陽が傾きかけ、気温が下がってきた。

 手で横髪を掬い上げて耳にかけ、大和を見つめる。

「俺、たちさ……付き合って、もう3ヶ月になるだろ?」
「? うん......」

 大和、私たちが付き合ってから3ヶ月って覚えてたんだ……

 そういうことには全く無頓着だと思っていたので内心驚きながらも、そんなことを考えもしなかった自分に後ろめたさを感じた。

 大和はますます躰を固くすると、私を見ずに傾いた西日がビル群を茜色に照らしている光景を見つめながらポツリと呟くように言った。

「美姫は......その......気持ち的に、変わったのかな、って思って......」

 私の、気持ち……
 
 秀一さんを想う気持ちが常に心のどこかにあるのは事実だけど、大和のことを大切に想う気持ちが高まっていっているのも偽りのない事実だった。

 大和がいなかったら、私は秀一さんのいない毎日を泣いて過ごしていたかもしれない。心に深い影を落としながらも笑っていられるのは、大和の存在のお陰だ。

 今は大和のこと......『友達』よりも、もっと大切な存在だって感じてる。

「うん。大和のこと......前よりも 、もっと近付いた気がするし……もっと、好きになっていってるよ」

 ちゃんと伝えたくて大和に躰を向け、瞳を見つめて誠実な気持ちを打ち明けた。

 大和がホッとした笑顔を浮かべる。

「そっ、か......よかった。俺、ずっとこの3ヶ月……実は不安、でさ」

 この3ヶ月を大和はどんな思いで、私と過ごしてきたのだろう…… 
 友達だった時は、そんなにまめじゃなかったのに、付き合い始めたら毎日LINEや電話で連絡取るようになったり、私の好きな音楽や趣味を理解しようと努力してくれたり、今日だって、私を楽しませるために話を盛り上げてくれた。

 そんな大和が愛しく想えて、彼の手に自分の手を重ねた。

「いつも大和が私を大切に想ってくれてること、すごく伝わってるよ。本当に、嬉しいの……」

 ありがとう、大和……

 心が温かくなる。大和といると、不安を遠ざけてくれる。何も心配しなくていいんだって、安心させてくれる。

「美姫……」

 大和の瞳に、私が映り込む。両腕をギュッと掴まれ、大和の顔が近付いた。

 え、どうし、よ……キス、される。

 一瞬、秀一さんの顔が脳裏に過るけれど......それを必死で掻き消し、瞳を閉じた。

 大和の唇は温かくて……でも、私の心の奥底にある氷の塊まで溶かすことはできなかった。
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