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舞踏会
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『さ、次はドレスよ』
そう言って、ふたりはリビングルームから大小様々な箱を持ち込んだ。
『あ、あの...着替えは自分でしますので......』
そう断った美姫だったが、ビアンカが小さな箱から何かを取り出し、指で引っ掛けて美姫の目の前に見せた。
『これは?』
『コルセットよ。もちろん現代風にアレンジしてあるから、息ができないほど苦しくなることはないけど、後ろの紐で編み上げていくスタイルだから一人で着るのは無理でしょう?』
純白のビスチェ型のコルセットは細かい花の刺繍がしてあり、その繊細な模様と滑らかそうな肌触りに、美姫は着てみたい欲求がうずうずと高まるのを感じた。
『はい、それじゃ始めましょ......』
そう言って、アメリアは美姫のニットの裾を指で摘むとするりと引き上げた。
う、そ...こんな......脱がせられることまでするの!?
「腕、上げて......」
アメリアもビアンカも普通にしているので、ここで抵抗するのも自意識過剰な気がして腕を上げると、みるみるうちに下着姿にさせられてしまった。
ブラジャー一枚になった美姫は恥ずかしさで胸を腕で隠そうとするが、アメリアの指先はそれよりも早く後ろのホックを外した。左右から指先で肩紐を外し、一方からするりと抜き取る。それはまるで、魔術師の動きのように滑らかだった。
プルン、と白く柔らかい美姫の膨らみが露わになる。
『ワオ! ミキって、見た目は華奢なのに、大きいのねぇっ!!!』
アメリアの大きな声に、ビアンカもどれどれ...というように覗き込む。女性同士とはいえ、そんなにじろじろと見られると恥ずかしくて、美姫は顔が真っ赤になった。
『あ、コルセットに合わせたパンティーもあるのよ』
アメリアは純白にコルセットと同じ刺繍の模様が入ったパンティーをストッキングと共に見せ、美姫のスカートに指を掛けようとした。
や、さすがにこれは......
『あ、あの...下は、自分で履き替えてきますので、大丈夫です』
美姫はアメリアからパンテイーとストッキングを引っ手繰るように取ると、それをもってベットルームの隣の洗面所へと駆け込み、扉を閉めた。外からはアメリアとビアンカの笑い声がくぐもって聞こえてきた。
『ミキ、可愛いわねぇ!』
『ほんと、ついからかいたくなっちゃう!』
もうっ...ふたりとも私をからかってたんだ......
美姫は手早く着替え、出てきた。憤然とする美姫に、『機嫌を直して』と言って、ビアンカとアメリアが笑いながら謝った。
ビアンカが美姫の胸の膨らみに合わせてコルセットを当て、紐を下から順に編み上げていく。紐がコルセットの布に擦れる衣擦れの音に合わせて、どんどん腰が締め付けられていくのを感じる。
『苦しくない?』
『い、いえ...大丈夫です』
きっと、昔の女性は力いっぱいコルセットを締め付けられ、極度なまでの腰のくびれを見せる為に努力したのだろう。
美姫のウエストは58cmと身長から比べたらかなり細い方だが、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラは、少女時代なんとウェストが17インチ、つまり43㎝とあった。もちろんこれはコルセットをした上での細さなのだろうが、それを加味しても人間離れしている。美姫は、つくづく昔の貴族社会に生まれなくてよかったと安堵した。
コルセットの上まで紐が編み上げられ、最後にキュッと蝶々結びをしたビアンカは、美姫の肩から覗き込むようにしてコルセットを纏ったその姿を見つめた。
『うふふ...とても綺麗よ。男性はこれでイチコロね』
ペティコートを履くと、アメリアがドレスを手に取るとふんわりとドレスを広げ、真ん中に人ひとりが入れる程のスペースを作った。
『ミキ、この中に入ってちょうだい』
美姫がその中へと入ると、アメリアがドレスを引き上げる。肩紐を肩に掛け、躰のラインにドレスを合わせ、後ろのファスナーを引き上げていく。
『すごいわね、まるで補正したようにピッタリだわ。凄い!』
アメリアが感嘆の声を上げ、ビアンカは大きな鏡を持ってきた。
『どう、ミキ?素晴らしい仕上がりでしょう!』
鏡に映った自分の姿は、純白のドレスがウェディングドレスを思わせ、まるでこれから結婚式に向かう花嫁のように思えた。
叔父である秀一と恋仲になった自分は、着ることが出来ないと思っていたウェデイングドレス。たとえそれが今夜、結婚式ではなく、舞踏会のためだったとしても、このドレスを着て秀一の隣に立てるのだと思うと、美姫は幸福感で胸がいっぱいになった。
『本当に......素敵、です。ありがとう......』
美姫はそう言うだけで精一杯なほど、胸が詰まっていた。
それからビアンカにドレスに合わせたパールのネックレスとイヤリングをつけてもらい、アメリアが長手袋をはめさせ、ダンスシューズを履かせた。
『仕上げはこれ』
そう言ってビアンカが渡したのは、髪飾りと同じ白いカサブランカのブーケだった。
本当に花嫁になったみたい......
美姫は受け取ったブーケの茎をギュッと握り締めた。
『さぁ、晴れの姿を見てもらいましょ』
アメリアとビアンカに促され、美姫はベッドルームの扉を開いた。
そう言って、ふたりはリビングルームから大小様々な箱を持ち込んだ。
『あ、あの...着替えは自分でしますので......』
そう断った美姫だったが、ビアンカが小さな箱から何かを取り出し、指で引っ掛けて美姫の目の前に見せた。
『これは?』
『コルセットよ。もちろん現代風にアレンジしてあるから、息ができないほど苦しくなることはないけど、後ろの紐で編み上げていくスタイルだから一人で着るのは無理でしょう?』
純白のビスチェ型のコルセットは細かい花の刺繍がしてあり、その繊細な模様と滑らかそうな肌触りに、美姫は着てみたい欲求がうずうずと高まるのを感じた。
『はい、それじゃ始めましょ......』
そう言って、アメリアは美姫のニットの裾を指で摘むとするりと引き上げた。
う、そ...こんな......脱がせられることまでするの!?
「腕、上げて......」
アメリアもビアンカも普通にしているので、ここで抵抗するのも自意識過剰な気がして腕を上げると、みるみるうちに下着姿にさせられてしまった。
ブラジャー一枚になった美姫は恥ずかしさで胸を腕で隠そうとするが、アメリアの指先はそれよりも早く後ろのホックを外した。左右から指先で肩紐を外し、一方からするりと抜き取る。それはまるで、魔術師の動きのように滑らかだった。
プルン、と白く柔らかい美姫の膨らみが露わになる。
『ワオ! ミキって、見た目は華奢なのに、大きいのねぇっ!!!』
アメリアの大きな声に、ビアンカもどれどれ...というように覗き込む。女性同士とはいえ、そんなにじろじろと見られると恥ずかしくて、美姫は顔が真っ赤になった。
『あ、コルセットに合わせたパンティーもあるのよ』
アメリアは純白にコルセットと同じ刺繍の模様が入ったパンティーをストッキングと共に見せ、美姫のスカートに指を掛けようとした。
や、さすがにこれは......
『あ、あの...下は、自分で履き替えてきますので、大丈夫です』
美姫はアメリアからパンテイーとストッキングを引っ手繰るように取ると、それをもってベットルームの隣の洗面所へと駆け込み、扉を閉めた。外からはアメリアとビアンカの笑い声がくぐもって聞こえてきた。
『ミキ、可愛いわねぇ!』
『ほんと、ついからかいたくなっちゃう!』
もうっ...ふたりとも私をからかってたんだ......
美姫は手早く着替え、出てきた。憤然とする美姫に、『機嫌を直して』と言って、ビアンカとアメリアが笑いながら謝った。
ビアンカが美姫の胸の膨らみに合わせてコルセットを当て、紐を下から順に編み上げていく。紐がコルセットの布に擦れる衣擦れの音に合わせて、どんどん腰が締め付けられていくのを感じる。
『苦しくない?』
『い、いえ...大丈夫です』
きっと、昔の女性は力いっぱいコルセットを締め付けられ、極度なまでの腰のくびれを見せる為に努力したのだろう。
美姫のウエストは58cmと身長から比べたらかなり細い方だが、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラは、少女時代なんとウェストが17インチ、つまり43㎝とあった。もちろんこれはコルセットをした上での細さなのだろうが、それを加味しても人間離れしている。美姫は、つくづく昔の貴族社会に生まれなくてよかったと安堵した。
コルセットの上まで紐が編み上げられ、最後にキュッと蝶々結びをしたビアンカは、美姫の肩から覗き込むようにしてコルセットを纏ったその姿を見つめた。
『うふふ...とても綺麗よ。男性はこれでイチコロね』
ペティコートを履くと、アメリアがドレスを手に取るとふんわりとドレスを広げ、真ん中に人ひとりが入れる程のスペースを作った。
『ミキ、この中に入ってちょうだい』
美姫がその中へと入ると、アメリアがドレスを引き上げる。肩紐を肩に掛け、躰のラインにドレスを合わせ、後ろのファスナーを引き上げていく。
『すごいわね、まるで補正したようにピッタリだわ。凄い!』
アメリアが感嘆の声を上げ、ビアンカは大きな鏡を持ってきた。
『どう、ミキ?素晴らしい仕上がりでしょう!』
鏡に映った自分の姿は、純白のドレスがウェディングドレスを思わせ、まるでこれから結婚式に向かう花嫁のように思えた。
叔父である秀一と恋仲になった自分は、着ることが出来ないと思っていたウェデイングドレス。たとえそれが今夜、結婚式ではなく、舞踏会のためだったとしても、このドレスを着て秀一の隣に立てるのだと思うと、美姫は幸福感で胸がいっぱいになった。
『本当に......素敵、です。ありがとう......』
美姫はそう言うだけで精一杯なほど、胸が詰まっていた。
それからビアンカにドレスに合わせたパールのネックレスとイヤリングをつけてもらい、アメリアが長手袋をはめさせ、ダンスシューズを履かせた。
『仕上げはこれ』
そう言ってビアンカが渡したのは、髪飾りと同じ白いカサブランカのブーケだった。
本当に花嫁になったみたい......
美姫は受け取ったブーケの茎をギュッと握り締めた。
『さぁ、晴れの姿を見てもらいましょ』
アメリアとビアンカに促され、美姫はベッドルームの扉を開いた。
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