<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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決裂

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 久美が秀一からのお金の誘惑に負けずにいられなかったのは、姉からの援助によりこれまでどおりの生活を続けてこられたお陰だ。秀一は、久美が消費者金融から借金し、その返済を姉に立て替えてもらったことまでは知らなかったようだった。

 そして何よりも久美には、お金よりも大切なものがあった。

 アパートで発見した時の礼音の姿、そしてその後の部屋の片隅で怯えて泣き縋る礼音の姿を思い浮かべたら......秀一の装飾された誘惑など、砂塵の如く吹き飛んでしまった。

 私はお金のためにこんなことをしてるんじゃない。
 全ては礼音のため。来栖秀一に、復讐をするためなんだ......

 来栖秀一の思い通りになんて、絶対にならない。

「......そんなことをして、貴女が無事でいられると思いますか?」

 冷たさの中に激しい憎悪の炎を感じるようなその言葉に、久美が喉を潰したように呻き、生唾を飲み下す音が聞こえた。電話越しであっても、そこから殺意をはっきりと汲み取れた。

 美姫をレイプしたことであんな陰惨な所業を平気でやってのける秀一だ。もし、週刊誌が明日発売され、それが元で来栖秀一の地位が地に落ち、来栖財閥が崩れ、美姫と別れることになれば......どんな報復が待っているのか、想像することすら恐ろしい。

 久美は全身に一気に冷水をかけられた気分になった。

 だが、久美だって馬鹿ではない。どれだけ来栖秀一が恐ろしい人物か、礼音を通じて身をもって知っていた。そして、復讐することで更なる報復が待っているであろうことも。

『......わ、私だって、もちろんそれに対抗する策は持ってるわ。
 控室でのビデオを録画したマイクロSDカードを、ある場所に保管した。もし私に何かあった時には、それを報道関係にばらまき、ネットでも流すようにしてある。
 あんたは、私に指一本だって触れられやしないんだから!』

 そう言い切ったものの、次に秀一がどんな恐ろしい言葉を投げかけてくるか怖くなった久美は、勢い良く電話を切った。

 秀一は電話が切れたことを確認すると、ただちに自らのスマホを取り出した。

「番号表示は拒否されていましたので、これからどの場所から電話をしたのか探り出し、そちらに向かわせます」
 
 それを聞き、美姫はハッとして秀一のスマホに手を伸ばして奪い取った。

「だめ!ダメです!
 お願い......秀一、さん......久美を傷つけるようなことは、どうか、しないで下さい...」
「何を言ってるのですか、美姫。あの女は私達の仲を世間に暴露し、私たちを引き裂こうとするばかりか、私のピアニストとしての地位を脅かし、さらには来栖財閥の存亡にまで影響を与えているのですよ。そして、私が優しく条件提示をしたにも関わらずそれを跳ね除け、保険として控室での動画まで隠し持っていた。

 今すぐにでも何とかせねばなりません。あの女に、私の大切なものを傷つけるとどういうことになるのか、思い知らせねば......」

 秀一の憎しみの籠もった無慈悲な言葉を聞き、美姫は全身が恐ろしさで震え、ガクガクした。

 美姫が秀一に縋り付く。

「あの女なんて! ......あの女だなんて、言わないで......下さい。
 久美は、私の......大切な、友達なんです」

「友達」と聞き、秀一が自嘲気味に笑った。

「貴女を裏切り、傷つけ、そして私たちの仲を引き裂こうとするあの女を未だ『友達』と?
 美姫、あの女は貴女のことなど友達とは思っていませんよ。あの女は、貴女と仲良くしていると見せかけ、貴女の美しさに嫉妬していたのです。藤堂礼音への恋心が自分に向かず、美姫に向いていると知り、罪のない貴女に恨みを抱いたのです。そして、私に復讐することで藤堂礼音の愛を勝ち得ようと考えた。

 まったく、愚かな女です」

 久美のことを「大切な友達」だからと説得し、秀一のことを止めようとしたのは間違いであったことに、美姫は気付かされた。
 
 美姫だって、それほどのお人好しではない。久美のしたことを許せるかと聞かれたら、許せるはずなどなかった。最初は憤りと共に、なぜそこまでしなければならなかったのかという疑問が沸いたが、今は久美に対して憎しみの気持ちさえ湧いてきていた。

 自分の口から出たものの、それは本当に心からの言葉だったのか......裏切られていてさえも自分はまだ純粋に友達として信じている、と上辺だけの綺麗事を飾り立て、悲劇のヒロインを演じていたようにさえ感じる。
 
 だからと言って、礼音が受けたような、いや、それ以上の制裁を久美に受けて欲しいなどとは思わなかった。
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