539 / 1,014
晴天の霹靂(へきれき) ー大和回想ー
3
しおりを挟む
美姫は耐え切れなくなり、嗚咽を漏らして泣き出した。
「ウゥッ......わた、しの......ッグ耳、に......ウッウゥッ...いま、だに......響いて......ハァッ、ハァッ.....ック『月光...ソナ、タ』......フゥゥゥゥウッウッ......あの、音......ッグ、グゥゥッ......が......
ウゥゥゥゥぁぁぁあああああああああああ!!!」
突然美姫が絶叫し、蹲り、全身を震わせた。まるであいつにはその音が聴こえているかのように耳を両手で必死に塞ぎ、頭をブンブンと振っている。
「美姫!?」
驚いて膝まずき、美姫を抱き寄せる。
「ぁああああああああああ!!!
ッグッグ......ゆる......許、して......ウゥッウッ...ごめ、ごめ......な......ハァッ、ハァッ......しゅ...ッグいち......うぅぅぅあああああああああ!!!
ハァッ、ハァッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ......」
顔を真っ青にし、呼吸がどんどん速くなる。全身が痙攣し、まるで悪魔に取り憑かれたかのような美姫の姿に、俺まで心臓を握り潰されたように息苦しくなる。俺の腕の中の美姫の躰が、どんどん重くなっていく。
美姫の頭がガクンと俺の腕に落ち、ハッとした。
何してんだ、俺は。
「美姫! おい、しっかりしろ!
頼む、呼吸してくれ......頼む、から......」
震えながら、美姫をギュッと抱き寄せる。
「美姫......頼むック」
ようやくお前の無事が確認できたと思ったのに、どうして、こんなことに......
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ......」
抱き寄せた美姫の口から、僅かながら自発呼吸を感じた。
俺がパニックを起こしてどうすんだ。
美姫を落ち着かせないと。
美姫の手を握り、もう一方の手で背中をさすりながら話しかける。
「そうだ、美姫。ゆっくり呼吸しろ。
落ち着いて......俺が、支えてるから」
俺の声に励まされるように、美姫の呼吸が少しずつ落ち着いてくるのが分かる。
やがて美姫は呼吸が安定し、落ち着きを取り戻した。
「やま、と......ごめん......」
正気を取り戻した美姫は居た堪れないように顔を逸らし、唇を噛み締めた。
「お、おぅ......」
起き上がろうとする美姫の躰を起こし、ソファに座らせた。
「ちょっと、ごめんね......」
美姫はそう言うと、鞄を引き寄せた。中から幾つもの紙袋を取り出すと、中をザッと開けた。
こ、れ......全部、薬なのか!?
美姫は鞄から小さいペットボトルの水を取り出すと、慣れた様子で一気に錠剤を手で口にほおこりこみ、水で流し込んだ。飲み終わると、じっと見つめていた俺に向かって言い訳するように話し出した。
「心療内科に通ってて......そこで処方されてる、薬なの」
「そ、そうか......」
あの屈託ない笑顔を見せていた俺の知ってる美姫の影が、薄れていく気がした。
「美姫、無理しなくていい。もう、話さなくていいから......」
これ以上、過去を思い出すことで美姫に辛い思いをさせたくない。
だが俺は、本当は美姫のそんな姿を見るのが辛かったんだ。そして、そんな美姫に何もしてやれない自分が苦しかった。
美姫は、眉を下げて唇を戦慄かせると、頭を下げた。
「大和に......聞いて、欲しいの。
お願い。どうしても、大和に話したいの......お願い」
懇願する美姫を、拒否することなんて出来なかった。
俺に話すことで、美姫の気持ちが少しでも楽になるなら.....
「分かった」
「ウゥッ......わた、しの......ッグ耳、に......ウッウゥッ...いま、だに......響いて......ハァッ、ハァッ.....ック『月光...ソナ、タ』......フゥゥゥゥウッウッ......あの、音......ッグ、グゥゥッ......が......
ウゥゥゥゥぁぁぁあああああああああああ!!!」
突然美姫が絶叫し、蹲り、全身を震わせた。まるであいつにはその音が聴こえているかのように耳を両手で必死に塞ぎ、頭をブンブンと振っている。
「美姫!?」
驚いて膝まずき、美姫を抱き寄せる。
「ぁああああああああああ!!!
ッグッグ......ゆる......許、して......ウゥッウッ...ごめ、ごめ......な......ハァッ、ハァッ......しゅ...ッグいち......うぅぅぅあああああああああ!!!
ハァッ、ハァッ、ハッ、ハッ、ハ、ハ、ハ......」
顔を真っ青にし、呼吸がどんどん速くなる。全身が痙攣し、まるで悪魔に取り憑かれたかのような美姫の姿に、俺まで心臓を握り潰されたように息苦しくなる。俺の腕の中の美姫の躰が、どんどん重くなっていく。
美姫の頭がガクンと俺の腕に落ち、ハッとした。
何してんだ、俺は。
「美姫! おい、しっかりしろ!
頼む、呼吸してくれ......頼む、から......」
震えながら、美姫をギュッと抱き寄せる。
「美姫......頼むック」
ようやくお前の無事が確認できたと思ったのに、どうして、こんなことに......
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ......」
抱き寄せた美姫の口から、僅かながら自発呼吸を感じた。
俺がパニックを起こしてどうすんだ。
美姫を落ち着かせないと。
美姫の手を握り、もう一方の手で背中をさすりながら話しかける。
「そうだ、美姫。ゆっくり呼吸しろ。
落ち着いて......俺が、支えてるから」
俺の声に励まされるように、美姫の呼吸が少しずつ落ち着いてくるのが分かる。
やがて美姫は呼吸が安定し、落ち着きを取り戻した。
「やま、と......ごめん......」
正気を取り戻した美姫は居た堪れないように顔を逸らし、唇を噛み締めた。
「お、おぅ......」
起き上がろうとする美姫の躰を起こし、ソファに座らせた。
「ちょっと、ごめんね......」
美姫はそう言うと、鞄を引き寄せた。中から幾つもの紙袋を取り出すと、中をザッと開けた。
こ、れ......全部、薬なのか!?
美姫は鞄から小さいペットボトルの水を取り出すと、慣れた様子で一気に錠剤を手で口にほおこりこみ、水で流し込んだ。飲み終わると、じっと見つめていた俺に向かって言い訳するように話し出した。
「心療内科に通ってて......そこで処方されてる、薬なの」
「そ、そうか......」
あの屈託ない笑顔を見せていた俺の知ってる美姫の影が、薄れていく気がした。
「美姫、無理しなくていい。もう、話さなくていいから......」
これ以上、過去を思い出すことで美姫に辛い思いをさせたくない。
だが俺は、本当は美姫のそんな姿を見るのが辛かったんだ。そして、そんな美姫に何もしてやれない自分が苦しかった。
美姫は、眉を下げて唇を戦慄かせると、頭を下げた。
「大和に......聞いて、欲しいの。
お願い。どうしても、大和に話したいの......お願い」
懇願する美姫を、拒否することなんて出来なかった。
俺に話すことで、美姫の気持ちが少しでも楽になるなら.....
「分かった」
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【R18】仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!
奏音 美都
恋愛
ファミレスのバイト仲間の豪。
ノリがよくて、いい友達だと思ってたんだけど……いきなり、襲われちゃった。
ダメだって思うのに、なんで拒否れないのー!!
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる