<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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発表

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 大和はこれまでの消費者が持っている来栖財閥のブランドイメージや、会社の体制などについて述べた後、これから来栖財閥がどう変わっていこうとしているのかについて語った。

 大和は学生の時に生徒会長を務めていたことがあり、美姫は何度か彼の演説を聞いている。よく通る安定感のある、清潔感に満ちた大和の声には、人々を惹きつける何かがある。時々身振りを交えながら真っ直ぐに正面を向き、胸を張るその姿を見ていると、本人にそのつもりはなくとも、やはり彼は政治家の息子なのだなと美姫は感じた。
 
「それでは、新ロゴデザインを発表します」

 大和が手元のリモコンを押すと、スクリーンに聖輝のデザインした新ロゴが映し出された。

 美姫は舞台袖から歩き出し、廊下を突っ切ると奈落へと向かう。

「準備は、大丈夫ですか?」

 美姫の声掛けに、スタッフたちがゴーサインを出した。

 指定された位置に立つと心臓がバクバクと飛び出しそうに上下し、膝がガクガクと震える。それでも足に力を込め、生唾を飲み下した。

 私が、何の為にここにいるのか......

 ---そう、来栖財閥の再建のため。

 美姫は、瞼をギュッと閉じた。

「10秒前、9、8、7......」

 カウントが始まり、逃げ出したい気持ちと葛藤しながら美姫は小さく震えた。汗が大量に噴き出してくる。

「......2、1、いきます!」

 合図と共に舞台が上がっていく。

 一瞬、秀一はピアノと共にここから上がる瞬間、何を考えていたのだろうと思った。

 スポットライトがあらゆるところから照らされる中、美姫は来栖財閥新ロゴが入った乗用車と共に、舞台の真ん中に立っていた。美姫が舞台に上がると同時に、袖から凛子が商品を並べたワゴンを引いてきた。

 セッティングが整ったところで、大和が口を開く。

「私どもは、『新生 来栖財閥』の新ロゴのデザインを考えるに当たって、どの世代にも受け入れられるシンプルなものでありながらも、都会的で洗練されており、それを一目見た消費者の購買意欲が思わず掻き立てられるようなデザイン性を追求しました」

 報道陣が色めき立ち、目を開けていられないほど多くのフラッシュがあちこちから焚かれる。

 ワゴンは2台並べられ、左が旧デザイン、右が新デザインとなっていた。並べて置いてあると、いかに左が時代遅れのデザインであるかが浮き彫りになって見えるようだった。

「また、消費者に向けてのデザインだけではなく、会社自体にも新しい風を吹き込もうと考えております」

 大和が美姫を見つめる。美姫は恥ずかしさを押し殺すと足を進め、舞台の正面に立った。

「これが、新しい来栖財閥の社員の制服になります」

 昨日ぎりぎりに縫製が仕上がった制服は、美姫の案も取り入れたデザインとなっていた。

 新ロゴに使われているKと同じアルパイン・ブルーのジャケットは、明るめの色ではあるものの派手さはなく、むしろ優雅で洗練された印象を与えている。ジャケットの胸ポケットには新ロゴのKが刺繍されていた。スカートはジャケットよりも1トーン濃くし、更にグレーを加えた色となり、落ち着きを与えている。ブラウスの襟がスカートと同色になっており、統一感を持たせていた。

 首からは名刺大の革のカード入れに入ったIDが掛けられている。表にICチップがはめられた社員証、裏にロゴが記載されている。

「夏服はジャケットを脱いだブラウスとスカートになり、ここにスカーフが加わります」

 美姫は徐にジャケットを脱いだ。ブラウスにも、ジャケットと同じ位置にロゴが刺繍してある。ジャケットからスカーフを取り出し、首に巻いた。

 その一挙手一投足を追うかのように、次々にフラッシュが焚かれていった。
 
 商品の紹介が終わると美姫は乗用車の横に立ち、奈落が下げられた。

 この後は、スマートフォンのアプリアイコンについての説明だよね......

 そう考えながら、美姫は控室で私服に着替えた。制服のモデルになって欲しいと頼まれた時はどうなることかと思ったが、無事に終えることが出来て安堵の息が漏れる。

 これから『新生 来栖財閥』の顔にならなければいけないんだから、もっと覚悟して取り組まないと。

 ここは、いつも秀一が使っていた控室ではない。それでも、美姫はやはりこの空気そのものに秀一の残り香があるような気がしていた。

 控室の扉を開け、元来た道とは反対側をふと見ると、廊下の突き当たり右手にある非常扉が見えた。

 鏡の部屋へ続く扉......

 思い出に呑み込まれないよう、振り切るようにして会場へ戻る足取りを速めた。
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