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来訪
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秀一が失踪してから、実に半年もの月日が流れていた。この頃ではもう秀一のことは話題に上らなくなり、世間は次々に持ち上がる目新しい話題へと興味が移り、彼の存在は風化しつつあった。
ただ美姫だけは、秀一のことが常に心の中で騒めいていた。今頃どうしているのだろう、どこにいるのだろうかと、度々彼のことを思っていた。
やっと、突き止めたって......
秀一さんに何があったの!?
美姫は問いかけるようにじっとレナードを見つめたが、彼は目を合わそうとしない。わざわざ日本に、しかもあれほど嫌っていた自分を訪ねてくるなど、よっぽどのことに違いない。
美姫はゴクリと唾を飲み込むと、ピンと張り詰めた固い声でレナードに呼び掛けた。
『案内するから、ついてきて』
美姫はエントランスを抜けると、その先にいる受付のコンシェルジェに尋ねた。
「今からパーティールームを使いたいんですけど、空いていますか」
コンシェルジェが顔を上げると、一瞬美姫の後ろに立つレナードを見てハッとしたような表情を浮かべたが、すぐに何事もなかったかのように頷いた。
「少々お待ち下さい」
コンシェルジェが、画面に向かってキーボードを打ち込む。
「えぇ、空いています。ルームAをお使いください」
カードキーを渡し、頭を下げた。
芸能人や様々なセレブリティが住んでいることもあり、住民のプライバシーには関与しないというのがここでコンシェルジェとして働く上での条件なので、レナードと美姫がパーティールームにいることは決して知られることはないだろう。
パーティールームの存在を知ったのは、ここ最近になってからだった。以前から知っていれば、秀一のザルツブルク音楽祭でのビデオを見るのにわざわざ漫画喫茶に行くことはなかったのにと、美姫は一瞬思った。
美姫は鍵を受け取ると先に立って歩き、「A」と表示のある木目調の扉にカードキーを挿した。レナードは黙ってそれを見ている。
『どうぞ、入って』
美姫は扉を開け、レナードに中に入るよう促した。
以前なら、大和以外の男性とふたりで密室で話をするなんて、美姫には考えられなかった。それが、こうしてレナードと向かい合わせに座っていても落ち着いていられるまでになった。レナードがゲイであり、秀一を好きだと知っていることも大きかったが。
『秀一さんの居場所を突き止めたって、どういうこと!?
やっぱり、秀一さんは失踪してたの?』
美姫の問いかけに、レナードは軽蔑するような目つきで息を吐いた。
『あんた、バカなの? もし秀一が本当に世界ツアーの準備のために練習に打ち込んでたなら、今頃とっくに回ってるはずだろ!』
『う、うん......そう、だよね』
美姫とて、そんなはずはないともう分かっていた。だが、秀一が失踪したのだと認めたくない気持ちがあったのだ。
『シューイチは今、Desire Islandにいる』
『Desire Islandって......』
美姫は訝しげな表情を見せた。
欲望の、島......
そんな島、聞いたことない。
ただ美姫だけは、秀一のことが常に心の中で騒めいていた。今頃どうしているのだろう、どこにいるのだろうかと、度々彼のことを思っていた。
やっと、突き止めたって......
秀一さんに何があったの!?
美姫は問いかけるようにじっとレナードを見つめたが、彼は目を合わそうとしない。わざわざ日本に、しかもあれほど嫌っていた自分を訪ねてくるなど、よっぽどのことに違いない。
美姫はゴクリと唾を飲み込むと、ピンと張り詰めた固い声でレナードに呼び掛けた。
『案内するから、ついてきて』
美姫はエントランスを抜けると、その先にいる受付のコンシェルジェに尋ねた。
「今からパーティールームを使いたいんですけど、空いていますか」
コンシェルジェが顔を上げると、一瞬美姫の後ろに立つレナードを見てハッとしたような表情を浮かべたが、すぐに何事もなかったかのように頷いた。
「少々お待ち下さい」
コンシェルジェが、画面に向かってキーボードを打ち込む。
「えぇ、空いています。ルームAをお使いください」
カードキーを渡し、頭を下げた。
芸能人や様々なセレブリティが住んでいることもあり、住民のプライバシーには関与しないというのがここでコンシェルジェとして働く上での条件なので、レナードと美姫がパーティールームにいることは決して知られることはないだろう。
パーティールームの存在を知ったのは、ここ最近になってからだった。以前から知っていれば、秀一のザルツブルク音楽祭でのビデオを見るのにわざわざ漫画喫茶に行くことはなかったのにと、美姫は一瞬思った。
美姫は鍵を受け取ると先に立って歩き、「A」と表示のある木目調の扉にカードキーを挿した。レナードは黙ってそれを見ている。
『どうぞ、入って』
美姫は扉を開け、レナードに中に入るよう促した。
以前なら、大和以外の男性とふたりで密室で話をするなんて、美姫には考えられなかった。それが、こうしてレナードと向かい合わせに座っていても落ち着いていられるまでになった。レナードがゲイであり、秀一を好きだと知っていることも大きかったが。
『秀一さんの居場所を突き止めたって、どういうこと!?
やっぱり、秀一さんは失踪してたの?』
美姫の問いかけに、レナードは軽蔑するような目つきで息を吐いた。
『あんた、バカなの? もし秀一が本当に世界ツアーの準備のために練習に打ち込んでたなら、今頃とっくに回ってるはずだろ!』
『う、うん......そう、だよね』
美姫とて、そんなはずはないともう分かっていた。だが、秀一が失踪したのだと認めたくない気持ちがあったのだ。
『シューイチは今、Desire Islandにいる』
『Desire Islandって......』
美姫は訝しげな表情を見せた。
欲望の、島......
そんな島、聞いたことない。
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