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欲望の島 ーレナードsideー
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シューイチがキスをせがむ女の顔を掌で押し返し、半身を起こして見つめている。伸ばしっぱなしの髪は乱れてボサボサになっていて、無精髭が生えていた。
その外見は、ウィーンに戻ってきてから引き籠っていた頃のシューイチを彷彿させた。
周りには、何人もの女が群がっていた。僕に声をかけておきながら、シューイチは片手で女の胸の尖りを摘み、もう片方の手で別の女の秘部に指を出し入れしていた。彼の中心には二人の女が争うように舌を出し、舐め合っている。他にも、秀一の顔や胸、手や足にも女たちが群がり、口づけしたり、舐めたりしていた。
見ているだけで怖気が走り、言いようのない不快感が広がっていく。
ショックで言葉を失くしていると、電話が鳴った。
シューイチの耳を舐めていた女が受話器を手に取り、彼の耳にあてる。
『えぇ、いますが彼は私の知り合いでして。
......ありがとうございます。その時には、呼び出しますので』
目で合図して女に受話器を置かせると、僕に向かって目を細めた。
『人の楽しみの最中を邪魔するとは、いけない子ですね』
シューイチの蠱惑的な視線で見つめられ、艶やかな声を聞き、躰の中心が熱く疼いた。
『せっかく来たのですから、この中の女、どれでも好きにしていいですよ。どうせ私にとっては、どれも変わらないですから』
『ック......』
その言葉に、胸を抉られた。
傷ついた僕の表情を確認し、シューイチは初めて気がついたような声を上げた。
『そうそう、あなたは女には反応しないんでしたね。
では、あなたのために男娼を呼びましょうか? ここには、極上の男娼も揃えているようですよ』
『ふざけるな、シューイチ!』
僕の気持ちを、知りながら......
肩を震わせ、唇を噛み締めると、眉間のすぐ下の鼻腔がキーンと鋭い痛みを覚え、瞳の奥が熱くなった。
シューイチが、群がる女達を追い払うように手を払った。女達は未練たらしい表情を残しながらも、シューイチの躰から退いていく。
シューイチがベッドから下り、僕の元へと歩いてくる。昔より筋肉は落ちてしまったけど、それでもまだ引き締まった躰をしている。先ほどまで女たちに愛撫されていたそこは硬く勃ち上がり、ぬらぬらと濡れていた。
『ッ......』
口の中から蜜が溢れてきて、それを嚥下した。
ウィーンで放心状態だったシューイチを着替えさせた時に彼のものを見たことはあったけど、その時は必死だったし、生々しさなんてなかった。
今目の前にあるのは、まさしく夢にまで見たシューイチの本物のそれで、こんな状況にも関わらず、中心が痛いぐらいに盛り上がってくるのを感じた。
シューイチが、僕の目尻の涙を人差し指で掬い上げた。切ない眼差しで彼を見つめると、意地悪く目が細められた。
『傷ついたあなたの表情は美しい。もっと甚振って、傷つけたくなる......』
シューイチの舌が、濡れた人差し指をペロッと舐めた。
舐めた!?
『な、なに舐めてんだよ!』
『連れ戻すつもりで来たのでしょうが、私はウィーンには帰りませんよ。ピアニストにも、戻る気はありません。
美姫との約束を果たし終えた私にはもう、残っているものなど何もない......』
そう言って、フッと自身を嘲るように笑った。
全てどうでもいいと投げ出し、自暴自棄になっているようだった。
なんだよ、ミキ、ミキって。いつも、シューイチの頭の中にはミキのことばかり。
それ以外は、どうだっていいって、言いたいのか?
僕がこれ程までに心配してたっていうのに。
シューイチを迎えに来たのは、この僕だっていうのに……
---僕は、誰よりもシューイチを愛しているのに。
どうしようもない悲しみと怒りと憤りが、胸の奥から突き上がる。
『僕がいるだろ!
ね、シューイチ! 僕が、シューイチの側にずっといるから......
お願いだ! 一緒に......帰、ろ......ッグ』
シューイチの両腕を掴み、必死に懇願した。
シューイチが、僕の腰を引き寄せる。
『レオ、私が欲しいのですか? だったら、あなたがここにいればいいでしょう?
そうすれば、あなたは私の側にいられますよ』
シューイチの手が、僕の腰に......
心臓がバクバクと高鳴る。
シューイチの顔が、僕の目の前にある。目が窪んでいても、頬がこけていても、やはりシューイチは美しくて溢れんばかりの色気があった。パニックで、頭がクラクラした。
シューイチがクスッと目を細め、艶っぽく見つめてくる。
『不浄の穴に突っ込む趣味はありませんが、口でなら奉仕させて差し上げても構いませんよ。
そうしたいと願っていたのでしょう、レオ?』
シューイチの手が僕の手を取り、勢いをなくして半勃ちになっている彼自身へと導いた。
う、そ......シューイチのが、僕の手の中に。
顔が真っ赤になり、思わず手を離そうとすると強く掴まれた。
『何を恥ずかしがっているのですか。欲望に従えばいいのです』
シューイチの大きな掌が僕の掌を中にある彼の根元ごと包み込み、上下に動かす。
ッハァ......信じ、られない。
何度も妄想し、狂おしいほどに切望したシューイチのものを今僕は、彼の掌に包まれながら扱いている。
向き合った状態で躰が近づいているので、僕の勃ち上がってるものがシューイチの太腿に触れている。その刺激で興奮が昂り、触らなくても硬さを増してきた。
その外見は、ウィーンに戻ってきてから引き籠っていた頃のシューイチを彷彿させた。
周りには、何人もの女が群がっていた。僕に声をかけておきながら、シューイチは片手で女の胸の尖りを摘み、もう片方の手で別の女の秘部に指を出し入れしていた。彼の中心には二人の女が争うように舌を出し、舐め合っている。他にも、秀一の顔や胸、手や足にも女たちが群がり、口づけしたり、舐めたりしていた。
見ているだけで怖気が走り、言いようのない不快感が広がっていく。
ショックで言葉を失くしていると、電話が鳴った。
シューイチの耳を舐めていた女が受話器を手に取り、彼の耳にあてる。
『えぇ、いますが彼は私の知り合いでして。
......ありがとうございます。その時には、呼び出しますので』
目で合図して女に受話器を置かせると、僕に向かって目を細めた。
『人の楽しみの最中を邪魔するとは、いけない子ですね』
シューイチの蠱惑的な視線で見つめられ、艶やかな声を聞き、躰の中心が熱く疼いた。
『せっかく来たのですから、この中の女、どれでも好きにしていいですよ。どうせ私にとっては、どれも変わらないですから』
『ック......』
その言葉に、胸を抉られた。
傷ついた僕の表情を確認し、シューイチは初めて気がついたような声を上げた。
『そうそう、あなたは女には反応しないんでしたね。
では、あなたのために男娼を呼びましょうか? ここには、極上の男娼も揃えているようですよ』
『ふざけるな、シューイチ!』
僕の気持ちを、知りながら......
肩を震わせ、唇を噛み締めると、眉間のすぐ下の鼻腔がキーンと鋭い痛みを覚え、瞳の奥が熱くなった。
シューイチが、群がる女達を追い払うように手を払った。女達は未練たらしい表情を残しながらも、シューイチの躰から退いていく。
シューイチがベッドから下り、僕の元へと歩いてくる。昔より筋肉は落ちてしまったけど、それでもまだ引き締まった躰をしている。先ほどまで女たちに愛撫されていたそこは硬く勃ち上がり、ぬらぬらと濡れていた。
『ッ......』
口の中から蜜が溢れてきて、それを嚥下した。
ウィーンで放心状態だったシューイチを着替えさせた時に彼のものを見たことはあったけど、その時は必死だったし、生々しさなんてなかった。
今目の前にあるのは、まさしく夢にまで見たシューイチの本物のそれで、こんな状況にも関わらず、中心が痛いぐらいに盛り上がってくるのを感じた。
シューイチが、僕の目尻の涙を人差し指で掬い上げた。切ない眼差しで彼を見つめると、意地悪く目が細められた。
『傷ついたあなたの表情は美しい。もっと甚振って、傷つけたくなる......』
シューイチの舌が、濡れた人差し指をペロッと舐めた。
舐めた!?
『な、なに舐めてんだよ!』
『連れ戻すつもりで来たのでしょうが、私はウィーンには帰りませんよ。ピアニストにも、戻る気はありません。
美姫との約束を果たし終えた私にはもう、残っているものなど何もない......』
そう言って、フッと自身を嘲るように笑った。
全てどうでもいいと投げ出し、自暴自棄になっているようだった。
なんだよ、ミキ、ミキって。いつも、シューイチの頭の中にはミキのことばかり。
それ以外は、どうだっていいって、言いたいのか?
僕がこれ程までに心配してたっていうのに。
シューイチを迎えに来たのは、この僕だっていうのに……
---僕は、誰よりもシューイチを愛しているのに。
どうしようもない悲しみと怒りと憤りが、胸の奥から突き上がる。
『僕がいるだろ!
ね、シューイチ! 僕が、シューイチの側にずっといるから......
お願いだ! 一緒に......帰、ろ......ッグ』
シューイチの両腕を掴み、必死に懇願した。
シューイチが、僕の腰を引き寄せる。
『レオ、私が欲しいのですか? だったら、あなたがここにいればいいでしょう?
そうすれば、あなたは私の側にいられますよ』
シューイチの手が、僕の腰に......
心臓がバクバクと高鳴る。
シューイチの顔が、僕の目の前にある。目が窪んでいても、頬がこけていても、やはりシューイチは美しくて溢れんばかりの色気があった。パニックで、頭がクラクラした。
シューイチがクスッと目を細め、艶っぽく見つめてくる。
『不浄の穴に突っ込む趣味はありませんが、口でなら奉仕させて差し上げても構いませんよ。
そうしたいと願っていたのでしょう、レオ?』
シューイチの手が僕の手を取り、勢いをなくして半勃ちになっている彼自身へと導いた。
う、そ......シューイチのが、僕の手の中に。
顔が真っ赤になり、思わず手を離そうとすると強く掴まれた。
『何を恥ずかしがっているのですか。欲望に従えばいいのです』
シューイチの大きな掌が僕の掌を中にある彼の根元ごと包み込み、上下に動かす。
ッハァ......信じ、られない。
何度も妄想し、狂おしいほどに切望したシューイチのものを今僕は、彼の掌に包まれながら扱いている。
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